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2008年1月3日 (木) ライスボウルに向けて
試合当日になってしまった。KG守備が電工攻撃をストップできるとは、まず思えない。従って「殴り合って勝つ。殴りきれなければ100%負け。以上。」というプラン(プランか?)しかない。具体的には多くの人が予想する通り前回ライスボウルでのシナリオをなぞる形になるだろう。(ただし攻撃ラインで勝利する事を前提とせずバックスだけでドンドン攻めるという、より難しい課題になっているのは間違いない。7:3で(TD7本対3本ではない)電工に分があるのは間違いない。)
1:攻撃の仕掛けは1Q終盤から。理由は過去に何度も書いたが下記の通り。A:相手守備の傾向が概ね把握できている。B:個々の選手の力量差(特にラインズ)を実際に対戦して確認できている。C:まだ自軍のスタミナが切れていない。D:自軍において負傷者が発生している可能性がまだ低くベストメンバーを投入できる。
2:横方向へ守備をストレッチさせる。試合開始から縦方向に強いプレッシャーがかかる事が予想される。これを緩和するプレー(スクリーン系、リードドロー等)も要所で入れるが、どうせ効果は薄い。左右のオフタックル、オープンを徹底的に突く事でしかQB、バックスへのプレッシャーを緩和できないのでこれを行う。ただしこれによる攻撃ラインズの消耗を回避する為、「ラインズの動きを最小限とし可能な限りバックス主体で展開できるプレー」を選択する。幸いバックスは質、量ともに豊富だ。鍵を握るのはブロック能力の高いバックスをオープンに回すプレーとなる。例えば大型WRやTEだ。86水原、82中山、87柴田、95韓が相当する。彼らをSB(もしくはWB)セットからオープンにモーションさせてから開始する。同様の観点でQBを積極的にオープンに回す事も行う。ただし負傷のリスクや体力消耗を回避する観点からセカンド、サードQBを積極投入する。幸運にも16加納、17浅海ともに(タイプは違うが)機動力のあるQBである。ともに走らせれば三原より上だ。スプリントからのランパスだけでなく、ロールORピッチ(スプリントオプション)、前出のモーションバックの後に続くウエッジプレーなど積極的に動かす。
3:横方向へ守備をストレッチした後は、その逆を突く形でゲインする形に持って行く。前出のモーションバックを用いたオープンを軸に、これをフェイクしたQBカウンター、モーションバックが戻ってくるカウンタープレー。QBスプリントからのカットバックプレー、ロールからのスローバックパス、FLへのショートリバース(88あたりが怪しい)。
4:電工が試合開始から仕掛けてきた場合、1Q序盤から失点を重ねる可能性がある。当然、スペシャルで対抗する必要がある。点差が開くと試合として(モチベーションの面で)成立しなくなる可能性がある。加納のFL投入とヒッチからのダブルパス、RB投入された浅海のパスもあるだろう。もちろん序盤からのオンサイドキックもアリだしP加納のパス、又QB加納の3rdダウンパントもある。
5:キッキングゲームでミスをしない事。パント及びカバーは精度が高まってきたが、リターンのカバーが最悪なままだ(この辺りを見てもタックル技術のまずさが
影響しているのがわかる)。よってタッチバックも含めて好フィールドポジションを与えないようにする工夫が必要だ。
最後に:守備に期待できない分、試合そのものは、かつて無い程の苦戦となるだろう。唯一の好材料は、QB高田とのコンビネーションが完成しているレシーバの数が限定されている点だろう。練習量と試合経験を必要とする事から長谷川以外とのタイミングは未完成の感が残る。霊山あたりは能力でカバーしそうだが、他のレシーバとはどうだろうか。早々に綻びが見られるようであれば電工の攻撃がスローダウンする可能性もある。
(今年のKGのパスユニットは練習前から率先して集合しタイミングを合わせてきたと言う。三原がスタート2年目という事もあり上級生で占められるこのユニットの完成度はきわめて高い。また惜しくも甲子園でのプレーはかなわなかったが、日大エースQB木村とWR陣のコンビネーションも(かつての日大ショットガンとはタイプは異なるが)かなりの精度をもっている。練習量に限界のある社会人ではSG攻撃において高い完成度を維持するのは難しいと思われるがいかがだろうか。)
いずれにしてもライスボウルはもはや「縁起モノ」である。かつて2度存在したKGカルテットであるが、今年は一気に発射弾数が増加した。「三原雄太とKGセクステット」と書くとボーカル・グループみたいだ。何か良いネーミングでもあればと思ったが思いつかないまま、最後の試合になってしまって大変残念だ。三原&岸、秋山、榊原、萬代、韓、水原で構成されるパスユニットには存分に暴れまわっていただきたい。
2007年12月27日 (木) 甲子園ボウルにまつわるどうでもいい話2
5:ジャージの話
この試合が凄い試合だと思った人。こんな試合が来年もあるとしたら、貴方はどうしますか。見に来ますかね。では、こんな試合が再来年もあるとしたら、どうしますか。これまでにこんな試合が毎年毎年あったのですよ。もちろん勝ったり負けたりしたし、時には大差のゲームもあった。しかしそれこそ関京戦が注目される以前から、法政のホの字も聞こえないうちから何度も何度もあったのですよ。そして何度も何度も見てきた人が西にも東にも大勢いるのです。彼らが今年のこのカードに対して特別な想いを持つのは当然でしょ。この試合が凄い試合だと思った貴方は、今後、この試合の事を一切他人に語らずに一生を送ることが出来ますか?「俺は長居で日大関学戦見たけどよ、あれに比べりゃ大したことナイぜ」そう言わずに過ごす自信がありますか?古い人達がジャージの色にこだわってみた気持ちを少しでも理解してもらえればそれで良いです。彼らにはナンの悪気も計算もありゃしませんよ。そもそもジャージの色なんて結構ルーズに決めてきたでしょ。リーグ戦でもそうだったし、ポストシーズンゲームだって「ジャッジできれば良いよ」というレベルだろう。事実、関西では西スタ・西球(西球・西技とも言う)が無くなると時を同じくして毎年交代でのホームアンドアウェーが定着し、それに伴いジャージの決め事も定まってきた。しかしそれ以前は、申し訳ないが、かなりいい加減だったと記憶している。それどころか関東に至っては、ひと頃の日大はリーグ戦において赤赤(上下赤)以外は着用しなかったのではなかったっけ?。それも開催場所や前年順位に関係なくだ。(*)この辺の経緯はリーグ運営においても、さほど重要視してこなかった証拠である。そもそもジャージの規定には、大した重みづけなど存在しないのだ。そりゃそうだ。色で勝敗が別れるわけでも無し、赤を着ればスピードが三倍になるわけでも無し。なもんで今年の甲子園のジャージの話など、伝統校にまつわる楽しい周辺エピソードだと思えば良いのである。さも大事件、大問題としてとりあげる方がどうかしている。問題にすることで利益を得る人など居ないと思うが、残るは「問題だ」という事で目立ちたいだけの大バカか、甲子園ボウルに恨みをもつ人間かのいずれかしかいないだろうね、この件で騒ぎたい奴は。(ちなみに甲子園のジャージの件、時事通信によれば言いだしたのは日大関係者。関西学生は規定がある以上、規定に従うべきというスタンス。事実、規定通りとしている。)ちなみに俺はジャージの色は既にどうでも良いのです。何故って?日大が白を着てくれたんだから、KGだって白を着ますよ喜んで。色にかかわらず「勝つのはKG」ですから。

(*)近年は改まっているようだが、そんな特定のチームのワガママを平気で許すようなリーグ運営はいかがなものかと思うが、どうだろうか。ジャージの件は大した問題では無いのでドーでも良いのだが大事な問題までこの調子では困ってしまう。ちなみに、このように特定のチームを贔屓したかと思えば、逆に特定のチームをパージするような事まで平気でしてきたのが関東大学リーグ(今は関東学生リーグだっけ)の歴史である。「強い日大は別リーグに隔離したい」とか「日大と別のブロックに行きたい」という我儘を許すのは過去の話かと思ったが最近は「1部に居続けたいからチームを減らすな」という声が平気で通用するらしい。冗談であって欲しい話だ。こんな話が吹聴される中で、このリーグのやる事を信用しろという方が無理が有る。毎年この時期に「甲子園ボウルを東西で交互に実施」だの「日本選手権構想に組み込めば云々」という話がネットで亡霊のように出てくる。極めて独善的な発言で申し訳ないが、俺がこの辺の話に乗れない理由はただ一つ。コンなオペレーションをするリーグを重要なボウルゲームの運営に関与させるのはゴメンだからだ。俺が責任者なら「台無しにしないプラン&裏付ける実績」が無ければ奴ら組んで新しいフェーズに入る気になれない。リスクテイクをして失敗し結果として日本で随一の知名度を持つボウルゲームを失ったとして誰が責任を取ってくれるのかね。関西どころか日本のフットボール界にとって大きな損失になる。今はどのリーグも他所の力を借りて「何かを何とかする」以前の段階だ。まずは自力で体力をつけなければならない。体力をつけなければカンフル剤を投与しても潰れるだけ。肉体改造にもついていけない。自分で造らなければならないモノが山ほど残っているフェーズ=黎明期であることを認識していただきたい。幸い関東では苦手なカリスマは居なくなったし指導者層も代替わりしてきた。日大も復活。他のチームでも個々に勢いが戻りつつあるようだ。逆に法政がチョッと心配だがこの勢いで発展していって欲しい。先の話はそれからだ。
2007年12月27日 (木) 甲子園ボウルにまつわるどうでもいい話
1:ポスターとパンフレット
パスを投じるKGの選手の背番号は#10。内藤選手ですか?いえ彼はDB。パスを投げる機会はまずない。この春に卒業した出原だと思った人、惜しいねぇ。よく見てください奴はもっとタッパがある。これは山田です。有馬、岡村、尾崎のバックアップを3年続けて勤めた好QBです(01年シーズン時の4年生)。オプションとショートパスの上手い選手でした。01年の関京戦で2度もビンゴ喰らったりとか、ライスで尾崎の代役で走り回ったりした彼ですが、今年の表紙になるとは夢にも思わなかったろう。というより、真面目に作れよパンフレットぐらい。これは選手やチームに失礼きわまりない。学生だってもう少しマシな仕事をするよ。今年の写真が手に入るのだから、過去の写真を使用する理由は無い。古い写真も絵として素晴らしければ表紙デザインとの兼ね合いで使う事もあるだろうが、これまたイイカゲンな表紙だ。受けた業者は真面目に仕事をしろ(厳命)。

2:ハーフタイムの話
かつてはマーチングバンド(上甲子園中学など)が真面目に演奏するハーフタイムショーであったのだが今年は金の使い方を間違っている。ぷいぷいさんも訳の分からん漫才師もいらん。両校のチアによるハーフタイムショーで良い。応援する側にとっても甲子園は晴れの舞台なのである。これなら去年のウルトラマンショーの方が笑えた分、まだ面白かった。(ちなみに俺の見た過去最高のハーフタイムショーは平成ボウルにおける西条秀樹である。掛け値無しに楽しかった。)

3:表彰の話
三原に賞が3つも集中している。誰が投票しているのか知らないが、その節穴にオガ屑でも詰めてピラミッドの中で永遠に寝とけ。三原はミルズ杯。他の2賞は他の者にすべし。誰が見ても甲子園ボウル最優秀選手はKG#6 P大西。NFL特別賞は超人的な活躍を見せた日大守備陣から選べばよろしい。LB長島あたりか。攻撃バックス以外選んではいけないというキマリは無い。にもかかわらず、この結果である。フットボールを知らん奴が決めたとしか思えん。もっと試合を見ろ。もっと勉強しろ。もっと表彰の持つ意味を深く考えろ(厳命)。

4:誤審の話
4QにKG#87がエンドゾーンで競り合ったプレー(結果パス不成功)について、明らかな誤審だと思っていたが、DD博士から「うふふ、今年からアレはインコンなんですよ大王様」と説明を受けた。なるほど日本アメリカンフットボール協会のサイトにある公式規則変更内容(2007年公式規則公報A.R.7-3-6)を見るに、パス不成功が正しいと思われる。(空中のレシーバーは、キャッチを成立させるには、グラウンドに着地する過程でボールの確保を続けていなければならない。キャッチする過程でグラウンドに自ら着地しつつあるレシーバーは、グラウンドに当たった時にボールの確保を続けていなければならない。)接地時点で確保出来ているかどうか怪しければ(審判が確認できなければ)不成功でしょう。審判の位置も関係するし今回のように攻撃、守備のプレーヤーでボールをはさむ形になっていては確認も難しいでしょ。これを誤審と呼んでは審判が気の毒。極論すれば、微妙な判定が予想される場合はアンスポ覚悟で、キャッチしたら即、ボールを両手で掲げるなどして、「インバウンズで確保しきってます俺」とアピールするしかないかもしれない。
2007年12月27日 (木) 甲子園ボウル雑感3
話は変わるが・・・・・極めて個人的な尺度なのだが、TDパスキャッチ後の様子でチームカラーが出るように思う。スーパーキャッチの後、一回転して格好よく立ち上がるのがKG。両手でボールを抱え頭からドン臭く飛び込む京大。エンドゾーン内で選手同士叩き合って大喜びする立命。「この程度、普通です」と言わんばかりにロクに喜ぶ事無く、全力疾走でサイドラインに戻る日大。それぞれ華麗なるファイターズ、愚直・実直・パワーギャング、元気でやんちゃなパンサーズ、そして「侍」フェニックスなのである。さて、そんな日大だが「そうそう、日大ってこんなチームだったよなぁ」と思い出させるシーンがいくつかありました。スピード、運動量ともに完勝している攻守フロント。尋常ではないセカンダリーの上がりの早さ。そして何より特筆すべきは守備の「タックルの能力」である。常に敵陣に向いてヒットしている。そしてヒットしたポイントからキャリアを進ませない。そもそもキャリアに対する寄りが早く、上手い。そして多くの選手がソロタックルで確実に相手をしとめており、全てのタックルがフルショットと言っても良い迫力だ。関西では立命の守備フロントの強さが強烈だが、ヒットの強さ、タックルの技術、運動量など日大の方が一枚上である。LBだけでなく、DL、DB、皆、タックラーとして素晴らしい。タックルの技術については関西は完敗していると言えよう。(実況で解説者が嘆いていたが、結局はキャリアに詰めることが出来ているかどうかである。頭を下げて飛び込んでいては高い技術をもつランナーにはいなされてしまう。見ればKGのタックルミスの多くが、相手との距離が有るうちから飛び込むか、傍を通るときに手を出すだけというもので、見ていて技術面で大きく差があるように思えた。少し前まではこんな事は無かったと思うのだが。)さらに無尽蔵とも言えるスタミナ、そして集中力がある。昨年のライスや今年のクラッシュで終盤ヘトヘトになった法政とはかなり違う。浮ついた所の無い、冷徹で、付け入るスキの無い「大人の仕事」をするのが日大の攻守なのである。こんなチームと毎年毎年ポストシーズンゲームで対戦してきたのが関西の代表なのだが、ファンにしてみれば、この日大に比べると他の関東代表のチームは極めて陽性に見えてしまい(申し訳ないが)浮ついたチーム=付け入るスキが沢山あるチームに見えてしまうのだ(ごめんな。何より実際にスキがあったし)。近年でこそ法政の強さを高く評価しているが、酷い時期は彼らの強さを目の当たりにしても「こいつら強いけど、運動能力高い割には〜の部分がまるで駄目」と駄目出しばかりしていた。そりゃ、守備において相手にダウン更新を許してしまっても自分のタックルが綺麗に決まれば自慢げにガッツポーズをするようなチームだったからね、かつての法政は。強い日大は素直に認めてしまうくせに、他のチームにはまずケチをつけてしまう。その背景にはノーブルな攻守を終始展開する日大を基準に見てしまうからではないだろうか。関西に居る我々ではあるが、フットボールにおける価値観にここまで(そして今だに)影響を与えている日大の存在を改めて認識した次第です。
2007年12月27日 (木) 甲子園ボウル雑感2
一方のKG守備はこの試合でも課題が残った。例によってのKGの3−3−5守備だが、この試合でも大きく変わることは無かった。日大のエース#21金の華麗なステップワークと加速力に注目が集まるが、LOSの手前でスローダウンさせる手が殆ど準備できないKG守備アライメントにタックルの技術のまずさが加われば、この獲得距離も納得だ。タックルしているのはセカンダリーばかりで佐藤、古下らのLB陣のヒットがまったく目立たない。特別な準備もされている様子は無い。もう今年の守備は何か準備しても止められるメンバーでは無いと判断したとしか思えない有様だ。辛辣な事を言うが「ショットガンは錆付いてはいなかったが、守備は錆付いていた」と言われても文句は言えないぞ。そもそも日大攻撃が自らのミスからロングシチュエーションに陥らない限りは止まる雰囲気が無かった。パスが未知数なQBであったがゆえに助かっているだけで、エースQB木村が出場していたらKGは完敗していたろう。(好勝負になったとしたら両チームが50点以上取り合う展開しかありえない。その意味で、今年のKGは非常にツイているといえる。逆に日大としては2度の被インターセプトは痛恨だったのだが、守備の活躍で3失点で済んでいる。これはツキとは関係無い。)このQB平本はパスに課題を残したが、金のグランドアタックを軸に据えた後、満を持してのロングパスを放つなどベストを尽くしたと思う。又、勝負どころでのリバースプレーなどプレーコールも辛抱を重ねた上のもので、冴えていたと言える。(そう言えば、春の対戦でも敵陣に入って、いきなりオプションだとか、リバースだとかでTDをあげていた。この辺の勝負の仕方は明らかに以前とは異なる、「NEW日大」の攻撃スタイルだと言える。)さてKG攻守蹴で最も出来がよかったと言えるのはキッキングである。もたついた攻撃と打たれっぱなしの守備であったが前半を同点で折り返し、最後まで接戦を維持できたのは一にも二にも三にも四にもパントチームの活躍があったからこそである。前半3度のパントは全て敵陣10Yで「処理完了」し後半二度の機会でもそれぞれ敵陣3Y、5Yに追い込むという完璧な仕事ぶりであった。キックオフカバーには大きな課題が残ったが、ことパントについては満点である。
2007年12月27日 (木) 甲子園ボウル雑感
時間をあければ落ち着いて書けるかと思ったがそうでもない。全くの雑文しか書けないのが情けないが、それを承知で書いてみる。
春の対戦からは想像できない程、日大守備フロントの圧迫が強かった。とくにタテの脅威が凄い。レポーターの有馬がTVでコメントしていた「KGのOLが3歩動く間に日大守備は5歩、6歩動いているのでは」というのはこの攻守フロントの力量差を端的に述べていると思う。様子としてはこんな感じだ。パワー、スピードで圧倒され、KGのOLはまともにブロックを打てない。守備はドンドン縦に入ってくる。キャリアは決められたホールに飛び込むどころか、勝手に探して走らざるを得ない。そのキャリアの動きから判断してダウンフィールドでブロックに行こうとするも相手守備のスピードについていけない。つまりはOLが完全に「浮いてしまっている状態」になっっていた。非常に辛い表現だがブロックしないブロッカはキャリアにとっては、ある種の邪魔モノになってしまうのだ。最初のヒットで負けてしまい、弾かれてしまう。弾かれた後は守備のスピードがはやく、キャリアに向かわれてしまう。最初から最後までディフェンダーにくっ付いていられれば良いのだが、それを許さないほど日大の守備フロントは強力だった。おまけにKG攻撃のキープレーを研究しており、縦の重圧を緩和する為のスクリーンプレーはことごとく抑えられ、それではとスプリントからのスクリーンを狙うがこれもダメ。サイドスクリーンはDBの驚異的な上がりで大きなゲインは奪えず。打開策を見出したいKGはQB浅海を投入しSGからの決め撃ちキープとカットバックプレーを織り交ぜ、加えてラッシュに耐えるQBのド根性パスでしぶとくダウン更新する。しかし前半はキーにするプレーを作り出すことなく終わったといえる。二度のインターセプトによる攻撃権の奪取に成功しながら、そこから奪えた得点はわずか3点。パスである程度のゲインは狙えるものの、好機に攻めきれない状態であった。3Qになって積極的にオープンにブロッカーを集めだした。ブロックの出来は半分出鱈目であってもキャリアの能力でエキストラなゲインを奪いだす。あえて狭いサイドのプレーを展開したのは、それだけディフェンダーとの機動力の差を認識していたからである。こうしてやや日大守備フロントの動きが鈍りだしたあたりで、ようやくカウンタープレーが出始めた。OLがLBにまともに当たれるようになったのは、このタイミング以降である。ここまで至るのに非常に時間がかかった。これに加えてQB三原のランを混ぜ始めた事で、ようやく攻撃にリズムが生まれだしたと言える。結局、縦のプレッシャーを横方向に散らすことで緩和し、その上で横のミスディレクションとQBランをもって攻撃の打開策としたのだが、それでも日大のパスカバーのわずかな穴を的確に突くパスが無ければ得点し続ける事は難しかったように思う。その意味でCUPの中でギリギリまで我慢して、決してルーズでもないパス守備を相手にミドルパスを決めつづけたQBの胆力こそが切り札だったと言えよう。優れたプレスナップリードをもって高い成功率を誇るQBだが、関西で通していたリリースのタイミングでは決められないパスがかなりあったようだ。セットアップしながら急遽ターゲットを変更、もしくはスクランブルに切り替えるシーンが散見された。後半に入ると多少タイミングに慣れたようだが、それでもこれだけスクランブルを強要され、追いまわされ、叩きつけられた試合は今季初めてだったといえる。それにも関わらずQBのパフォーマンスは最後まで驚くほど安定していたのは驚嘆に値する。
2007年12月15日 (土) 日大が来る2
現在の日大の強さの源は指導者にあるのは間違いない。選手としてもコーチとしても優秀で且つ実績を持った人数が幾らでもいるのである。これについては他所の関東のチームは逆立ちしても絶対に及ばない。関西でもここまで充実しているチームは無い。海千山千なだけに、妙に奢る事もなく、慌てる事も無く、冷静に且つしたたかに挑んでくる。何より、選手と同じ経験を経てきた者だけが理解できる事、それを背景に語る彼らの指導は説得力に溢れているのではないか。借り物でも、パクリでもない日大オリジナルを作り出してきた彼らに、昨今のの軽薄で浮ついた部分は見られないだろう(悪く言えば拘りすぎるのかもしれないが。)それこそ昨年の甲子園でKGがハマッた甲子園ブランクによる判断ミスすらも軽々と乗り越えそうだ。そういった重厚な指導をグイグイ推し進められる体制が日大に備わってきたのだ。恐ろしい。ああ恐ろしい。極めて恐ろしく、そして楽しみだ。何?KG攻撃がどうでるか?昨年よりも落ち着いて攻撃できれば勝負できるでしょう。先に守備をバテさせるべく手を打つかも知れなせん。どのみち殴り倒して勝つPLANでしょうから、もう、何を出してきても驚きません。できればスペシャルは控えめにして丁寧に勝ちに行ってほしい。後ろを引っ掻き回すなら、パスではスローバック、ランではカウンターもしくはカットバックというお馴染みの「横ストレッチ基本路線」をFLモーションも含めた「無限バリエーション地獄・ノーハドル仕立て」もアリでしょう。最後はショットガンから三原ゴーでにじり寄り、加納がパス崩れから2点コンバージョンで同点という展開だけは勘弁です。

そして俺は決して出来た人ではありません。極めて執念深く底意地の悪い男です。
何はさておき、こっちの「ショットガンが錆付いている」かどうか、まずは日大様にじっくりと見て頂こうじゃありませんか!。
2007年12月15日 (土) 日大が来る
昨晩クラッシュボウルをTVで見た。日大は強い。守備ではDLが強い。3枚ともサイズ、スピード、パワーそしてスタミナまで十分。試合終盤は法政OLをフロントで圧迫し、まともなプレーをさせない程、追い込んでいる。これだけ強ければ3メンラッシュでも十分なプレッシャーをQBにかけることができるだろう。そして守備陣は総じてタックルが上手い。よく詰めているし、しっかり捕らえている。(昨今はタックルの技術は関東の方が上かもしれないね)。ただし、セカンダリはややパスカバー甘いか。相手が法政の優秀なレシーバ陣相手で、且つ、法政QB菅原がワイドにスローバックを多投した事からDB(特にCB)にかかる負担が極めて多かったようだ。エンドゾーンを背負っていても通常のクッションを維持するのはどうかと思うが、それでもレシーバへの寄りは驚異的だ。一方の攻撃は木村&レシーバ陣とRB金につきる。パスにおいてはとにかくQB&レシーバのコンビネーションが素晴らしい。精度とターゲットの数でいうとKGとさほど変わらない。ランにおいてはRB金のタフネスさが驚異的である。ラン獲得距離の大半を(下手をすると半分以上か?)占めるというある種異常な大黒柱ぶりである。(ちなみにバックスは#21から#26を覚えておくと良い。順番に金、松林、秋山(秋山克美の息子!)、守屋、小嶋、児玉だ。)終盤の連続キャリーと爆発力は彼自身の能力にもよるが、OL他バックスの執拗なブロック、集中力も勿論無視できない。とにかくライン、バックスともタフな奴らで舌を巻いた。このタフネスさが日大の恐さの一つでもある。ああ、思い出してきた。)クラッシュボウルでの自信に満ちた(というより追う展開でも慌てなかかった、落ち着いた)プレーぶりや春と比較して一段と精度を増した個々のプレーをを見るに精神面での充実とプレーの理解のバランスが良く取れているように思えた。また極めて驚異的な成長曲線を描いている事から、総じてモラルも高そうだ。(但し少し反則が多いかもしれない。試合がもつれると命取りになる可能性がある。)素晴らしいチームになっている。嬉しい。上手く表現できないが、チームとして規律と自由のバランスを頑張って維持しようとしているように思えた。篠竹時代にはヘルメットに日大三高のプライスマークを貼るなんてあり得なかったでしょ(本当に良いのか?ガイコツマーク)。それに攻守ともにひと頃とは比較にならない程、人材が集まった感がある。よく見ると、なる程、クリスマスボウルで見かけたメンバーが結構名前を連ねている。豊富な人材、層の厚さ、優秀且つ豊富なコーチ陣、スタンドに陣取る大勢の観客、赤いウインドブレーカで統一した後援会。(スクールカラーのピンクも居たが)極めて現代的で機能的で強力な大型チームになった。本当に良かった。関東のリーグにも、これで将来性が出てきた。これで良いのである。
さて甲子園はどのような試合になるのだろうか。今のチームでは金井、秋山、須永、佐藤など日大や社会人で大舞台を経験し、勝ちに拘った試合をした人達がコーチとして活躍している。彼らの指導のもとに思い切った勝負に出て、試合開始から仕掛けてくるとKGは苦戦するだろう。クラッシュの終盤にQB木村が左足を負傷している(固定して松葉杖で試合後に整列していた)。甲子園では木村がフル回転出来なければ破壊力は半減するだろう。控えの山城は走力は極めて高いが、パスは春を見る限り木村程の精度はないと見た(ただしスクランブルは木村よりえぐかった。ただし平本の方がパス込みでバランス良いかも。)しかし日大である。木村、山城のドラゴンフライで登場すると怖いかもしれない(笑)。木村を後方に下げ、金、山城がならぶゴールデンドラゴンフライもありか?(実際はありえないだろう。誰が誰なのかは古くからのファンに聞いてみましょう。)一方のKG守備はそろそろいい加減に何か仕掛けて欲しい。立命戦で唯一まともに仕掛けなかったのは守備だけである。立命のプラン遂行がややルーズだったおかげで勝てているだけで挑戦した攻撃、キッキングと比較すると、はるかに物足りない。それどころか理解できない。15分Qである。簡単には逃げ切れない。守備で仕掛けなければ勝機は無い。法政が日大に変わっただけである。昨甲子園で課題として残った、セカンダリ。特にパスカバーとマンストッピングパワーの向上を見せて欲しい。3−3−5なら日大守備の方がDLが強い分、上手く使いこなせそうだし、実際クラッシュで、上手く機能させている。良いところを見せていただきたいものである。
2007年12月2日 (日) リーグ最終戦について3
個々のプレーを見てみる。両チームとも見ごたえがある。
KG攻撃ではこの試合までに再三見せてきたC,GのプルによるプレーやG,Tによるミスディレクションは一切見られなかった。逆に効果的だったのは、SBからモーションした水原をブロッカにしたスイープである。水原とGの好ブロックで#99がオープンで好ゲインを見せたプレーだ。しかし、要所で繰り出された諸々のプレーを見れば、それでもKG攻撃の狙いはパスではスローバックであり、ランではカットバックプレーだったのがお分かり頂けると思う。2Qの#85へのTDパスはスローバックなのだが、実はここ一番で見せる(であろうと誰もが予想した)SGからの#21のカウンターをフェイクしてのスローバックになっている。セカンダリーのスタートを遅らせ秋山がエンドゾーン手前でSFを引き連れてキャッチする事に成功している。しかも秋山は右サイドから縦にスタートしキャッチしたのは左スミで実はミスディレクションになっているという小憎らしさである。また#9−#17−#9とわたるスペシャルプレーですら右スイープからのスローバックパスである。一方、ファンブルフォースで得た4Qの攻撃ではファーストプレーで河原の右オープンカットバックプレーでロングゲインを奪っている。昨年のこのカードでRB古谷がまったく同じプレーでロングゲインを見せている。それ以前の対戦ではQB河野が要所で見せていたあのプレーの焼き直しである。従来は2バックスによるカウンタープレーだったのが、より大仕掛けの罠をかける為にカットバックプレーに変化しているだけで構造的には10年近く前から変化が無いといえる。そして、個々のプレーでも少しずつ手が込んでいるのが恐ろしい。右サイドで#88−#99と渡ったスポット&ラトラルは実はセンタースクリーンのフローからのラトラルである。これにより一気にスクリーン警戒の動きを開始するディフェンダはオープンへの展開が一歩遅れ、結果ロングゲインに結びついている。また確実に守備を騙す為に一連のプレーをシークェンスにしている点も見逃せない。モーションするFLのスピードスイープ、そのフェイクのQBカウンター、QBロールOrピッチのオプション、それとと同じフローから(且つスローバックで)レシービングTE#86へのパスなど、1Qに見せた一連のプレーがそれである。一方、予想以上にライン戦で完敗した守備フロントであるが、頑として3−3−5ベースを崩さなかった。4ダウンラインメンかと思いきや9UPであったり、少なくとも、その守備の姿勢を変える事は無かった。構造的な問題でライン戦で圧迫されると後退を余儀なくされるのだが、特にIからの中央の早いプレーには殆ど打つ手が無かった。どうやって止めるつもりだったのか個人的には理解しきれない。ダウン&ディスタンスで微妙にポジショニングとカバーの志向も変えているのだが、これが決め手になるとは思えない。確かにフォーメーションを変更して前陣強調にしても突破されれば逆に一気にゲインを許すなどリスクは存在する。3−3−5はゲインは許すが時間は稼ぐのが目的なのだろうか(その割には快調にドライブを許しているのだが)。もう少し考えなければ私には理解しきれない。
一方の立命もこの試合に向けての対策が十分になされている。再三にわたって苦しめられたKGQBのスローバックパス対策としてOLBを一枚浮かせてLine of Fireに入らせたのだが、結果、1インターセプトを記録した。後半には#88へのスローバックのサイドスクリーンをロスにしとめるなど十分機能したと言える。フロントが要員不足になるリスクをラインズの力量差で埋める事に賭けたPLANであり、これはすばらしい。この準備が無ければ4Qのファンブルロスト後のKG攻撃をパントに追い込むことは難しかったと思われる。また、攻撃では要所で破壊力を見せたアンバランスドラインからのプレーは(想像するに)シークエンスも考慮されているようで、ダブルタイトへに対するKG守備のアジャストを待って繰り出す予定のものであったろう。
2007年12月2日 (日) リーグ最終戦について2
結果的には逆転ドライブの完結と同時にタイムアップになる展開に持ち込めたものの、これで立命が勝っても戦力差を考えると、私は納得がいかない。また、自らが目指したロースコア勝負を狙うには、当初目論んだよりもややハイスコアリングゲームになってしまったのかもしれないが、それであれば、なおさら(否、そうならないようにする為に是が非でも)先に仕掛けるべきではなかったか。アドバンテージを持つ自らの攻撃を用いて、より確実にロースコアゲームになるプランを実行すべく練り上げて仕掛けるべきではなかったか。それを考えると、前出のイージーなパス3連続失敗の背景が浮かんでこないだろうか。問題は個々のプレーの失敗ではなく、イージーに攻撃権を手放してしまった事。否、確実にダウン更新をするコールを入れられなかった事ではないか。さらに言えば、チーム自体が準備段階から徹底したロースコアに持ち込む意識が低かった=そういうモードではなかったという事ではないだろうか。ロースコアを狙うなら、あそこですべきは、まず確実にダウン更新を行う事だ。しかしその為のフォーメーション、コールではなかったように思えた。そして今季の攻撃システムが2システムでなければこの試合はどうなっていただろうか。SGだけなら、開き直ってSGだけで知恵を絞って得点力強化の仕掛けを練っただろう。セットバックだけであれば最初から最後まで力勝負で押し勝つ試合にすべく全てを賭けたろう。どちらで推し進めても立命が勝ったかもしれないと思うのは私だけであろうか。なまじ2システムであったが故に、妙な「受けて立つ余裕」「見極めてから選択しようとする姿勢」が生まれたのでなければよいのだが。こういう試合に「なる」とか「なってしまう」のではなく、こういう展開の試合に「する」、「させる」のが挑戦者として求められる姿勢ではなかろうか。真の敗因を挙げるとしたら、(試合におけるプレーで確認できるように)個々のプレーヤーの能力やプレーの精度の問題では無いように思うのだが、いかがだろうか。フィールドのプレーのレベルを見るに、立命のパフォーマンスは素晴らしく、そう感じるほどに、「実力がありながら負ける背景」にあるものに目を向けなければならないと思うのだが。
関京戦の時のこと。試合終了の後のサイドライン。エール交換、校歌斉唱の間、選手、スタッフは皆、胸を張って立つものである。この時、K大西は唯一人泣いていた。号泣していたといっていい。直接の理由は不明だが、蹴ると同時に試合終了となった最後のFGを外した事に起因していると想像がつく。派手なシューティングアウトがクローズアップされるせいであまり語られる事はないが、彼は昨甲子園では決められる距離のFGを外しそしてKGは2点差で破れている。関立戦での図ったようなオンサイドキックの成功を見て、どれだけ練習を積んでいるのかと驚愕した。新聞によると国方、磯野と何度も練習したそうな。しかもプレーそのものは昨年の甲子園から準備されていたとの事。関京戦で号泣する姿を思い出し、今季にかける彼らの想いの強さをことさら感じさせるプレーだと感じた。(ただし蹴るたびに足が痙攣するのは頂けない。本来なら以降FGを任せる事は考えられないゾ。
2007年12月2日 (日) リーグ最終戦について
ここ数年勝者が勝ちきった試合が存在しないこのカードだが、その意味では今年も同様の結果となった。見た目では確かに、守備で得たターンオーバから得点できず、攻撃はターンオーバで得点機を逸した立命と守備のターンオーバで窮地を救われ、ターンオーバからの得点差で勝ったKGでしかない。しかし実は根深い問題が存在しているように思えた。
「KGのゲームプランについて」守備の劣勢は折込済み。従って得点は取れるだけ取りたい。所謂、ビッグイニングならぬビッグクォーターを作りたい。ただし選手の疲労や負傷に起因する失敗を回避する為に後半に実施するのは避けたい。また相手に対するプレッシャーをかける意味でも前半にしかけておきたい。ただし相手守備の情報を得てから仕掛けたい。スペシャルも含めて一気に刈り取ろうとする大博打である。(結果、仕掛けは2Qに行われている。)後半、攻撃はある程度失速するだろうが、得点よりは時間消費を目的として耐えて逃げ切る。ロースコアには付き合わない方針だ。
「立命のゲームプランについて」攻守とも準備は見せたが、それを用いて積極的に最初から仕掛けていこうという意思は感じられなかった事からまず、受けて立つ方針だったのではないか。前半で仕掛けられても逆転可能な圏内に踏みとどまる事ができるだろう。そして相手の手の内を全て見切った上で守備がアジャストする。並行して攻撃は時間消費を図りつつ全てのポゼッションを得点に結びつける。しかし、これを狂わせたのが�〜鞍召離ぁ璽検爾淵僖好潺垢函↓�後半の2度のターンオーバだろう。 試合前にも書いたのだが、個人的にSGとセットバックのMIXについて、逆効果になりはしないかと危惧していた。たとえば一試合を通じてSG主体でこなせば、3〜4TDは奪えるはず。これにセットバックを混ぜることで得点を上積みできる、時間を消費できるというメリットがあるかどうかについて試合前は自分の中で明確な答えが出なかった。どの程度のバランスで混ぜるのが良いのだろうかと。その意味で最初のポゼッションで立命攻撃がライン戦で圧倒的優位にある事をスタジアムに居た全員が認識できた。同時にレシーバ陣の妙な浮つき加減から結論を無理やり出すとすると「SGは下手をすると攻撃の足を引っ張りかねない。ライン戦で終止圧倒撃滅。」という答えがでたはずである。シーズンこれまでの試合で見せたバランスを大きく崩しセットバックが圧倒的に多くなる状態で「良し」である。問題になったのは本来良いところ取りのできるMIXオフェンスなのだが、SGからのパスが手につかない時間帯が少し続いた点である。特に1Qに同点になってからのポゼッション。プロテクションも持って、QBもストライクボールを投げて、レシーバも捕球できる状態であったのだが3連続パス失敗であっさり攻撃件を手放している。結果論だが、これならセットバックからパワーなりカウンター、カウンターロールをした方がマシである。しかし....一番の問題はこれら、レシーバのイージーな捕球ミスや、後半2度喫した痛恨のターンオーバではなく試合に対するモードであると思うのだがいかがだろうか。嫌な事を書くが、立命は「勝てたはず」だし「実力は上」であると思う。攻撃はライン戦で完勝。QBのパスも及第点、レシーバも好調。バックスも万全。KG守備とはかなりの力量差が存在している。一方の守備は確かに前半は先手をうたれて失点を重ねはした。ただパス守備はKGパスユニットを前に不安は残るもののライン戦は優勢で、ラン守備は致命的なゲインは許していない。また脅威となるランプレーも存在しない。事実後半は攻守とも完全に立命のペースで試合が進んでいる。これで勝てないのは疑問である。否、それを通り越して、これで勝てないのは「問題」なのではないかと思う。立命は先制パンチまではよかった。しかし以降の前半の展開はかなりの力量差を誇る攻撃のポテンシャルを出し惜しみするかの展開に見えた。立命には攻撃が持つ優位性がある。しかもフットボールの原点であるラインの力量差というその他の要素では埋めきれない優位性を持っているのだ。確かにKGのパスアタックは脅威ではある。何を仕掛けてくるか分からない攻守蹴のここ一番の準備も恐ろしいだろう。しかし本当に脅威であると思うのであれば、まず仕掛けるべきは立命ではなかったのか。王座奪回をめざす「挑戦者、立命」ではなかったのか。
2007年11月22日 (木) 最終節にむけて2
遂に揃った大型レシーバ陣、豊富なTE、それぞれが多彩な能力を持つRB陣など、必要なものは概ね揃ったといえる今年のKGである。そしてシーズンが深まるに連れ、加速度的に三原のチームになってきている。おそらく三原を攻撃の軸に据え、徹底した準備をしているはずだ。ノーハドルもプレーバイプレーの選手交代も今となっては驚かない。トンでもない仕掛けを準備して長居に現れるはずである。
さて、今年ここまで良かった事が2つある。その1。怪我人が少ない。エースRB石田以外のバックスは概ね揃ったと言って良いのではないか。浅谷が右足の負傷をおして出場しているが、頑張って欲しい。そして、怪我をしていないのだろうに出場を控えた横山、徳井、その他、やけに出番の少ない奴らが攻守ともに山ほど居る。どうも怪しい。怪しいぞこれは!その2。宰相君の持論である好QBの条件に「QBは(良い意味で)傲慢であれ」というのがある。そして三原は間違いなく「ふてぶてしくなった」。宰相君曰く「断固たる決意を持ったQB」だとか。読売TVのアナウンサーの質問に対して「今年は俺のオフェンスなんだ」と語ったとか。ハドルでの態度、モーションを促すアクション、エンドゾーンでよろこぶラインズ、バックスを尻目にさっさとサイドラインへ向かってくる姿。頼もしいじゃないですか。河野、出原、三原と続いた第二次KGショットガンであるが、昨年まではQBは走らなければならないので走ってきた。走らなければプレーが出ないからである。しかし今年は違う。
最終節では立命がIからのプレーの比率を高める(であろう)事がプラスとでるかマイナスとでるかが重要だ。1試合を通じてSGで通せば有る程度の得点力は出るだろうが、あえてIを混ぜる事によりどういう結果になるのか。Iを混ぜることでチーム史上(ようやく)初のマルチプルオフェンスになったと言えるのだが、どう組みあわせてくるのか。選手の能力ではなくコールそのものが問題になってくるように思う。ちなみに京大戦ではIからのカウンターロールでパスを投じるなど懐かしい光景が見られた。この立命攻撃に対してKG守備は遂に4−3の登場となるのか。Iからのパスにラッシュが届くかだろうか。すくなくともKGフロントは(パワーはともかく)スピードだけは史上最高と言っても良いだろう。一列、二列、三列の区別無く動き回って止める守備になるのではないか。一方KG攻撃はフロントで圧倒されると苦しいか。立命守備はDBに課題が残る分、フロント勝負に出る可能性が高い。KG攻撃はこれにまともに付き合うのか、それとも京大戦の様にまともなライン戦を回避しバックス勝負にでる「相手とせず作戦」に出るのか。いずれにしても週末にはケリがつく。めずらしくKGに好材料が多いが、こんな時ほど苦戦するのも事実。ナイスゲームを期待します。
2007年11月22日 (木) 最終節にむけて
さて6節を終了し、最終節を迎えるに際して、どうも気になる事がある。�〜�手の起用�▲侫�ーメーション・アライメント。この2点である。これは「本当にKGは強いのか?」「どの程度強いのか?」という疑問につながっている。優秀な選手がいないのか?いや、いる。十分に存在している。数が足りないのか?いや、十分なデプスを形成している。試合経験が無いのか?いや、実力は確認できている。にも関わらず、攻撃、守備ともに力強さ・安定感を感じない。何故か。ひとえに、採用システムの問題でなないか。しかも、考えるに、どうもこれは故意にやっている気配があるのだ。例えば守備は昨年来の3−3−5である。後ろから見てみよう。DBは昨年と比較して層、レベルとも向上している。はっきり言って、試合にスターターレベルで出場した選手の名前をあげるだけでも、3ユニット近く存在する。今季のDB陣では何と言ってもWRからの転向組である徳井、藤本の3年生SFコンビの存在が大きい。リアクション、スピード、タックルともにレベルが高く、ボール勘も良い。SFではこれに加えて1年生の善元、3年生の畑中、さらにハードヒッターの吉川(きっかわ)が随時出場している。CBは山本が固定されているが、大型俊足1年生の吉井(駿)、リアクションの良い内藤、福田が登場している。
個々に得手、不得手の課題はあるが充実している。また昨年主戦で活躍した深川、磯野、笠原、泊は出場機会が減っているが健在。STでの出場や後半、終盤に交代で出場する様子を見るに、課題だったヒットが改善されており、総じてレベルアップしているといえる。5DBを機能させる上では十分すぎる陣容であろう。またレベルも決して低くない。ヒットの良さも含めて昨年よりも質、量とも大きく向上している。そしてどうも怪しい(ここでは何らかの企てを感じさせるの意)のは守備フロントである。DLは川嶋、早川、黒澤に加えて下級生で大型・俊足の矢ノ川、1年生の村上が随時出場し遜色なく活躍している。また2列目と兼務できるメンバーとして副将・國方に加えて、1年生の平澤、2年生の吉川(よしかわ)。これに加えて実績組の佐藤、古下、坂戸のLB陣がいる。つまり守備については「試合で使えるメンバーが想像以上に多い」のである。充実しているのである。にもかかわらず、この安定感の無さは何なのか。ひとえにこれは守備フォーメーションの問題だと思う。ズルズルいかれても失点は許さない、流れを変える一発も許さない。今はそんな守備である。「ゲインされても失点しなければ良い」という考え方は試合を計算できるものにする上では確かに重要である。では、最終節を迎えるに際して、その守備でよいのか。去年に続いて今年もその守備でよいのだろうか。昨年来3−3−5に加えて9UPを見せることもあり、ライン戦を挑むのではなくラインもLBもDBも攻撃を見極めつつ対応する守備をKGは準備してきている。もちろん対SG守備としては最も無難でバランスのとれた守備なのだろう。しかし、今季はSGに加えてセットバックを併用する立命攻撃との対戦となる。ダブルTE、プロセットのIフォーメーションからのパワーランを軸に据え、高い能力のレシーバにパスをヒットする攻撃だ。ここまでの試合で見せたラインの破壊力をみるに、よくSG攻撃と兼務できるなと感心する。セットするまでフォーメーションは分からない攻撃なのだが、今季ここまで見せていないプレーを準備して望んでくることから、KG守備も新機軸を準備する必要がある。そもそも春季からSG、セットバックの積極的な併用を標榜する相手に対して何も準備しないわけが無い。最終節では思い切った守備フォーメーションの変更が必ず発生すると断言する。4−3の採用や3−3のLBにDL投入、8メンにちかいアライメントも準備するだろう。動けるDL、当たれるDBなど、それらを実現するのに十分なメンバーが揃っているからだ。今季程、守備コーディネータが腕を振るえる年はなかなか無い。一方の攻撃についても同様の事が言える。前回でも記述したが、攻守ラインのコンバートや選手起用がどうもあやしい。春季にパワーランを志向しておきながら、秋は試合を重ねるごとにパス志向が強くなり、三原のパス成功率に注目が集まった。最終節でもこれまで同様に軽業のようなバックス主体の攻撃をみせるのだろうか。関京戦においてヒットを受ける事を徹底して避けた三原の動き、セーフィティーリードを得て以降プレーを隠したとしたとしか思えない攻撃プレーのかたより。そもそも昨秋終盤に頻繁に見せていたQBのランやフランカーモーションからのバリエーションは今年の秋はここまで殆どコールされていないのだ。
2007年11月22日 (木) 関京戦その2
キャリアも浅谷だけでなく、河原でも同様のプレーで好ゲインしているし、右でも左でも出たので個人の出来に依存するものではないだろう。近大戦、同志社戦などこのOLがブロックにキレ上がるタイミングが全く悪く、RBがサイドランまで流れるとか、LBが漏れてくるなどあったのだが、それを考えると格段の進化である。オフタックルオープンはこのプレーが印象的だったのだが中央付近は川上をWBセットからモーションさせエキストラブロッカとして中央を突かせるプレーを見せた。当たり外れが大きいが、短い距離なら使えそうだ。また、地味にトラッププレーも混ぜている事を付記しておく。この試合でのKGの最後のTDはゴール前からSGのミスディレクションプレーで加納が左オフタックルに体をねじ込んだものだった。この時はCを中心に左のG,Tが右へ、右のG、Tが左にダブルプル。こ2枚の後ろに、RBをつけた加納が続き、ブロックで勝利してTDである(OLは左から寥、岡田、福田、亀井(2)上村)。IからSGになっただけでブロッキングはIの頃のブロッキングと同じものを採用している。ちなみメンバー固定と言いながら、�〆犬�ら寥、岡田、中山、福田、上村�∈犬�ら寥、新谷(2)、中山、福田、上村のパタンもあり。新谷、亀井は完全に1本目扱いである。亀井はGもTもこなせる。病み上がりの岡田をはじめ負担の大きいGの層が上がるのは喜ばしい。
さて残念な結果となった京大だが攻撃で解せなかったのは、KG守備相手に通用したFB又賀の中央を含むインサイドプレーの比率を後半落としている点だ。くどい程に#17,#82へのスラント投じる一方で、それ以外の手段を自ら封印するかのように見えた。何か理由があるのかもしれないが、こちらからは分からなかった。又、昨年からの課題であったコールが遅くディレイを喫する攻撃ハドルであるがこの試合でも序盤から問題を露呈している(特にややこしいプレーをする前にディレイしそうになる傾向がある)。途中からナンバー掲示によるノーハドルを実施し、一応の解決をみせている。選手の理解度とプレーの複雑さとコールの伝達方法としては今の京大にはこの手法が最もマッチしているだろう。今年の京大の試合を見るに昨年、一昨年と比較すると、より全力を尽くしたかに思えた。では負けてもよいのか?という話とは別であるが、これは又後日。
2007年11月22日 (木) 関京戦その1
さて、今季の関京戦は点差としては大差となったが、「KGが点差程の圧倒的に勝利した印象はもてなかった」のは事実だ。攻撃は際どくダウン更新をする。得点は一発だったり、ラッキーなファンブルリカバーだったり。何よりライン戦を(今年も)徹底して回避した攻撃だった。この辺りから安定感、確実性を感じられずひいては「強さ」も感じられない状態である。KG攻撃は序盤はモタモタしたものの、中盤から後半にかけてようやく、FLのモーション、WBセットしたTEをエキストラブロッカにしたランプレーを混ぜ始めた。今季はじめて見る複雑なブロッキングに加えてRBの好走が光り、ラン・パス交えた好ドライブを展開できた。しかし、この加点の後、攻撃の方針が一転する。徹底してパスをコールしはじめランの比率を一気に引き下げた。セーフティーリードを得たこともあるが、とにかくパスで打開する方針となったように見えた。後ろで網を張る京大守備に対してターゲットを絞れず三原がラッシュを回避してはスプリント、ルックアップを繰り返す展開になり。これで3Qを終了。なお4Qは交代選手を交えたKG守備相手に京大攻撃が意地を見せ時間消費を開始。加納にスイッチしたKG攻撃は限定されたプレーコールとユニットとしての完成度から加点はしたもののドライブを継続できず試合終了となった。
さて試合の映像をつぶさに見たが2点程気になったポイントがあった。いずれも戦前に気にしていた部分だったのだが...。
その1。4DLセットであればパスラッシュにおいては京大OLを突破できている。スピードで勝利している。
その2。OLのブロッキング力は向上しつつある。ど真ん中はともかく、オフタックルオープンへの展開ではコンビネーションで京大守備に勝利している。
まず1について。3−3−5セットの際は京大FBの中央の早いプレーを出され続けている。構造的な問題である為、解決そのものは難しい。この試合ではDL3枚のうち中央の一人(矢ノ川)のすぐ後ろに左右いずれかにややズレてLBがセットしていた。これはKGH出身の平澤だ。元々DLだがLBとして投入。左右どちらのGAPのプレーなのかを見極め、キャリアが単騎でくれば詰める。ブロッカーの後ろについてキャリアがくればブロッカが通過するのを待って(いなして)キャリアの斜め前からヒット。という止め方だった。このGAPに2枚以上のブロッカが入ると(プルGGとFBの後ろにTBとかね)、タイミングが遅い分、見極めは可能だが、LB陣はキャリアにコンタクトに行けない状態になった。同様にDL3枚のうち、ホールの左右一人でも押し込まれるとLBが良いポイントに詰める事が出来ずズルズルとランを出された。京大が1Qにオープンを捨てて徹底してBOXの中での勝負を挑んできたので結構進まれてしまった。しかし試合中盤から後半にかけて、この有効だった中央の早いプレーの比率が下がり、パスが増えた。結果、KGは4DLでセットしフロントはパスラッシュ開始。川嶋、矢ノ川のスピードが秀逸で外を回りきってQBに数回手をかける事に成功している。特に2年生の矢ノ川の速さは驚異的だ。一方パスシチュエーションにおいて3−3−5をひくこともあったが1.5列としてLBが位置し、DLがヒットして出来た隙間に飛び込み一気にQBに詰めている。4Qにはこの役を平澤と吉川(LB:よしかわ と読む。きっかわと読むと1年生DBになる。)が勤め、QBを捕らえる事に成功している。2について。解説の西村径展氏いわく「KGのOLは試合開始から終了までほぼ、同じメンバーで組んでいる。持ち味であるコンビネーションを高めていこうという考えだろう」との事。彼は「OLがよくやっている」とは、言ったものの「素晴らしいコンビネーションです」とは言わなかった。これは言外に「未完の部分が存在する」と述べているのである。とは言うものの、OLのブロッキングは試合を重ねるにつれて向上しているのは間違いないだろう。徐々に複雑なブロッキングを行ないだしている事もあるのだが総じて動きがスムーズになってきたように思う。OLユニットとしてのコンビネーションやOLとバックスのタイミングがマッチしはじめている感を強くしている。関大戦では、OLが一斉にサイドにながれ、G、Tが走路に飛び込みRBがそれに続くプレーで数回好ゲインを見せた。実体は、飛び込むラインズが綺麗にディフェンダーにヒットできずダウンンフィールドはグジャグジャの状態で、敵や味方が転がるグネグネの汚い走路を浅谷が結果的に上手く走ってしまったという、RBの上手さが光ったランであった。しかし京大戦では(素晴らしく綺麗ではないが)OLがこれまでより一つ奥でヒットできている。
2007年11月7日 (水) 終盤にむけて2
さて「結局2ユニット必要になってしまう」とかつて某誌で語ったのは武田先生。中央の早いプレーを展開できないSGの欠点をカバーすべくIからのオプションを狙う別のユニットを用意したのが84年(この時は本人は大学には関与していない)。さらに遡ると、武田先生自身がシングルウイングとTの併用時代のQBでおられた。「できれば2ユニット確保したい。でも実現は難しい。」というジレンマを感じておられたのかもしれない。特にヘッドコーチの立場なら、相互に補完し合うユニットを保持できる状況は最高だろう。リーグ内で競争が高まり、且つトレンドの過渡期にぶつかる時期には複数ユニットを保持する事に挑戦したくなるのも理解できる。そしてそれには一定の周期があるのかも知れない。そこで今年のKGである。主将の負傷により急遽2年生を複数投入し、上級生DLもOL参加させている。ただし、個々のプレーを見ると上級生DLは(当然)パスプロは下手だし、SGからのランブロックのタイミングも未完である。逆に経験不足とは言いながら若手のOLは(辛うじてではあるが)試合で使えるレベルになってきている。新谷、亀井あたりは十分活躍できる。にもかかわらず、DLを(ある種の「歯抜け」にしてまで)OLにコンバートさせるのか。しかもフロントのエース級を複数である。そして肝心のOLとしてのプレー参加は実は思いの外、少ないのだ。何の企みだろうか。勝負どころで岡田、荒牧、上村は攻守両面参加か。岡田はルーキー時はDL。荒牧は高校時代両面、上村はOL出身だ。又、TEからOLに移れる面子として川上がいる。この辺りのメンバーを総動員して、強力なラインプレーを展開するOLユニットと同時に、強力な守備フロントを確保するのが今回のコンバートの真意かもしれない。OL専門チームとDL専門チームに彼らプラス若手(一年生の村上は既に活躍、平沢はLB投入もありだろう)をちりばめて、一試合を通じて強力な攻守フロントが機能するべく工夫し、結果として攻守とも2ユニットの保持を実現する....。さてさて結果はどうなのだろうか。私がここまでラインにこだわるのは、ここまで強化しなければならない程、京大、立命とのラインの力量差を個人的に感じているからである。一年生、二年生に有望な攻守ラインが多い点は期待できるのだが来年ではなく「今年に」結果を出して欲しいのだ。さあ、まずは京大戦である。攻守ラインとも苦戦は免れまい。それでも昨年はこの対戦を機会に攻撃ラインは大きく成長した。今季、これから最後のワンランクアップを狙う上で試金石となる試合だ。逆に苦戦するようでは最終戦は大敗を覚悟する必要があろう。週末の関京戦に注目である。攻守ライン戦(と、個人的にはKG守備の穴だと思っているLBの調整)を中心に観戦したい。
2007年11月7日 (水) 終盤にむけて
予想以上に点差の開いた立命と京大の試合であった。攻守とも気負う事無く、淡々とプレーした立命の集中力が印象に残る。はしゃぎ過ぎず、気負いすぎずで、過去を遡っても強豪相手の試合の中ではベストゲームだったのではないだろうか。当然スタイルは大きく異なるのだが、攻守ラインの強さとIからのパワーの迫力もあいまって98年のチームに近い印象がある。当時もシーズン中盤まで意外な苦戦いていたのだが、続く京大戦での冷静な試合運びと勝ちっぷりまで似通っており面白い。あの年はウエストコーストするぞ宣言をしたものの、春季からうまく機能せず。得点はといえば独走と一発ロングパスが中心で、ウエストコーストの対極にある「アル・デービス好みのレイダーズの攻撃」のようであった。すくなくとも京大戦を迎えるまでは。
当時、宰相君と話していた話題に「ややこしいウエストコースト等の精度重視のシステムではなく、大型ラインを生かした力勝負のノースサウスアタックに専念すれば立命は少なくとも3年に1回は必ず日本一になれる」というのがある。「なんでやらんのかね」「さー。やらんでおったほうが他所は助かるが(笑)」などと言っていたのだが、ここにきて本当に取り組みだした。こうなると対戦相手としてはかなり苦労するハメになる。そして最初の結果が前節の京大戦である。
京大が「9人セットとセット後に3イン、1アウトしスタートするノーハドル」という奇襲に出たが立命守備が動じる事は無かった。要所でスラントからのミドルゲインを何度も許しながら守備システムを修正する事をしなかった。カバレッジの変更による守備の穴の発生を嫌い、現状で耐えつづけた守備の胆力と冷静さは素晴らしかった。確かに今季の核といえるバーサタイルバック高松を欠く京大攻撃ではあったが、RBのランを止まる様をみれば、バックスのタレントの問題では無いことは明確である。一方の攻撃もフラット5を相手に冷静に穴を見つけ突破した。早い段階で京大フロントのヒットをQBが受けていれば又別の展開もあったかもしれないが、それでも勝敗には全くの影響は無かったろう。懸念された京大守備フロントとの対戦だがフランカー及びプロIからのランは試合が進むに連れゲインするようになり、OLはパスにおいては概ねQBを守りきったといえる。攻守ラインの勝利である。
今季の立命攻撃の方針転換を見るにSGでの強力なアドバンテージ「だけ」では、勝ちきれないという背景があると思う。SGだけではなくライン戦の強さも持たなければ、「対戦相手全て」に勝つことができないということである。京大、神戸などスピード勝負で圧倒できる相手にはSGで攻撃する。SG攻撃を擁しSG守備が可能な相手、もしくはスピード勝負で圧倒できない相手にはSGではなくライン戦に持ち込み時間とゲームを支配する。近年ではSG合戦になっても結局2〜3本程度の取り合いでありSG同士の撃ちあいでは、もはや確実に勝てる程のアドバンテージは存在しない。SG守備しかできない相手をライン戦で圧倒しQ毎に1本奪う事を目標とする。TDを奪えなくても時間消費から相手のポゼッションは大幅に減少し得点機会を減らすことが出来る。 こちらは少ないポゼッションを確実に得点に結びつけるのだ。(ちなみに京大などと、このライン戦を展開すると逆に京大の得意な分野に「あわせてしまう」事になり、得策ではない。)ジャンケンではないが、一種類だけでは勝ちきれない。でも三種類はもてない。二種類持ってみるか。という発想だ。
2007年10月27日 (土) 立命VS京大戦を控えて その2
3ディープに対してワイドへの早いタイミングでのスラントからのゲインに、ディープへの一か八かのパスは必須だろう。DBにルートを遮断される可能性の高いルートとタイミングは厳禁だ。ランでは勝負どころでのカウンター系(クリスクロスにシザース、QBカウンターにQBスプリントからのカットバック等)。昨年はダブルタイトを多用したが、バックスを回しきれずに終わっている。スピード負けを嫌がりBOXの中に守備を集めてブロックしてしまう方針だったのかもしれないが、とり切れずに終わってしまった。厳密にはOLは完敗している訳ではなかったのだが、とにかくBOXの中に人が多すぎて、バックのスピードを生かせなかった。かといって逆にSGからのランを仕掛け、個々のスピード勝負を仕掛けるのは、極端すぎる。ツインIやスプレッドからのモーション多用がバリエーションの拡大が狙えて面白いと思う。ワイドサイドに3人並べたスーパーから、狭いサイドへのランなど、人数比とブロックのしやすさを考えると良いように思えるのだが....。
ダイジェストがストリーム放送されるている2001年の対戦を改めて見て、フラット5で相手を苦しめながら点差をつけられる様子を歯噛みして観戦した事、そして「京大の自滅」と西スタのバックネットで呟いた宰相君を思い出す。
京大よ、無謀と勇猛は似て非なるものだが、この際どちらでも良いではないか。京大の積極的な姿を是非、見せていただきたいものです。
2007年10月27日 (土) 立命VS京大戦を控えて
勝敗のポイントは下記に集約されるだろう。
1:QB木下率いるSGは京大フラット5を突破できるのか。
2:リーグ最強の京大ランディフェスを立命はプロIもしくはフランカーIで突破できるのか。
3:京大の攻撃は何点とれるのか。そもそもどこまで積極的になれるのか。
前半は飛車落ちとなる立命攻撃はSGと Iのいずれに重きをおくのだろうか。中核選手の出場停止を考えなければ、まず愚直にIでくる可能性が高かったと思う。自らのストロングポイントぶつけてみるのはごく一般的なアプローチだし、彼我の戦力さを見れば、じっくり様子を見ながら戦えるのは立命のほうだ。ただし、昨年のこのカードも前半を京大に「合わせてしまい」もたつきを見せているのだが、この時のようになんとなく相手をしてしまう時間が長いと、今年ももつれる可能性がある。エースを欠く前半は複数のバックスを投入できるSGをまずは用いるのが普通の発想だろう。そこで京大守備がかならず仕掛けてくるフラット5との勝負になる。(ちなみに王国が言いだしっぺであるのよ、この呼称。)この構図での初めての対戦となったのは2001年。木下、冷水を擁し高田が指揮したSGだが(守備が京大から4度のターンオーバーを奪いながら)得点はわずか13点に終わった。当時の京大守備は「左CBに塚原、右CBに#21井上、SFは左から#20山本、#14金氏、#2高本の並びで、10ヤードほどの深さで、5人がほぼ一直線に並んでセットする」(ルパぞう君の当時の観戦記)というこの守備で対抗している。当時立命は横ストレッチからのRAC、QBのランを交えて辛抱強く打開したのだが、これには、より緻密なコールと確実なプレー遂行、集中力の持続、また何よりQBの判断が求められると思われる。現在はこの守備に対する打開策が確立していたとして、(少なくとも前半は)飛車落ちの状態でQB木下が指揮する今年のSGは、フラットファイブを突破できるのであろうか。ここが大きな鍵になる。ちなみに神戸SGは大園の能力で加点した一方、大園がダブルカバーされた以降は沈黙。近大SGは強引にディープの突破を試みたが結果SFに2度のインターセプトを喫し無得点である。
さて、京大の勝利への条件として攻撃おける積極性を挙げて、もう3年になる。今年は、選手の起用、コール・フォーメーション、選手のプレーそのものについて積極性を感じているのだが、どこまで「バカ」になれるだろうか。「前半は種まきに徹してひたすらロースコアを狙う。僅差で折り返して後半勝負。」これは前半から後半まで勝負し続ける程のプレーの数を保持できない、(保持すると質の面で問題がある)のが大きな理由と思われる。しかし近年はこの展開を狙っては「それでも前半で大差をつけられてしまい、後半の仕掛けも通用せず逆に引き離される」「前半良い線で終わっているのだが、後半なぜかロクに仕掛けずに、結局ダラダラと引き離されて終わり」のいずれかで終わっているように思える。立命は点差をつけると「少々失点しても大丈夫」と守備側の思い切りが良くなり、京大攻撃に対して前がかりで潰しに行ってしまうのが大きい。これを打開するには京大は後半勝負を捨てて前半から勝負に出る以外に無い。均衡状態を長時間維持できれば、何が起こるかわからない。立命も原則ステディなモードになるだろうし、ミスをしてしまう可能性が出てくる。もちろん京大もミスをするかもしれないが、完全に飲まれてしまえば、そもそも相手はミスもしてくれないのだ。この試合では、DLのエースの攻守両面出場、攻撃バックスの守備バックでの投入、QB併用及び同時投入、等、「駒をすり潰す」覚悟で望んで欲しい。
2007年9月28日 (金) 遅い開幕 その2
近大守備はDL#97が終止フロントで活躍したが、要所でミドルゲインを許してしまった。特に4WRSGの時に良くゲインされており、連携が未完のように感じた。しかしショートのシチュエーションでは持ち前の能力の高さを発揮した。KGは3rdショートにおいてフランカーIによる突破を試みること3回。いずれも不成功に終わっている。オフタックルをふさがれる、オープンでLBの餌食、プレーアクションでロスタックルと良いところが無かった。KG攻撃のセットバックからの完成度の低さもあるが、この手のプレーには強そうだ。RBで好調だったのはKG平田。世が世ならランナータイプのFBとして活躍しただろう選手だ。LOSを抜けるスピード、走路を見つける能力、密集で細かいステップを踏める技術、などかつて神戸大で活躍したFB仁科を思い出す。エース石田の復帰が待たれるが、現時点で中央のプレーで最も期待できるのは平田だろう。一方の近大攻撃は後半のオプション主体の方がリズムがあった。パスについて両QBとも迫力不足なのが残念だ。
最後に京大について少しふれたい。残念ながら試合を観戦できていないのだが、どうも今年は化けそうな気がする。そう言って昨年はKG戦で信じられない敗戦を喫したのだが、少なくとも今年は去年よりも良い試合をしてくれそうだ。もう二〜三年前から述べている「京大の問題は攻撃にある」「選手もコーチも挑戦していない」「そもそも大胆さが無い」この辺りの問題が解消されつつあるようなのだ。今年の春の試合を見て、攻撃における挑戦を垣間見たのだが以後、これを続けているようである。フォーメーション・プレーコールにおける挑戦、選手起用における挑戦、選手自身のプレー実践における挑戦、この3種の挑戦が徐々に進みつつある。例えばSGの採用、フライモーションからのドローにロングストリーク。例えば高松のRB&FL投入に若手WRの起用。おまけに攻守の兼任も見られる。「全てに対してベストを」「挑戦してみないと分からない」という姿勢が去年以上に感じられるのだ。後半が楽しみである。
2007年9月28日 (金) 遅い開幕 その1
近大戦で早くも露呈したKG攻守ラインの層の薄さであるが残念ながら今更バタバタしてもどうにもならない。気がつけばバックスばかりが増加しラインの人数が随分減ったような気がする。随分チームの色も変わるものである。
ルパぞう君とも話したのだが、いくら「SGはパスプロ中心。ランブロックといってもブチあたるのではなく、邪魔をするのが仕事。従って負傷の可能性は低い」と言える昨今のOL事情でも、この層の薄さは危機的な状況だなのではないか。これではライン戦を前面に出す作戦を採用しようにも、負傷の可能性の高いゾーン系の採用は怖くて出来ないだろう。(この辺「結局2ユニット必要になってしまう」と某誌で語った武田先生の言う通りなのだ。ちなみにこの辺に付随してKGの勝利の条件について述べたい事があるが又後日。)優勝は、シーズンのどの時期にベストメンバーが組めるかに全てがかかっている。勝負どころではSG守備に慣れはじめた上位チームに対して例年通りのSGからのプレーを主体に挑戦する事になる。どの程度の得点力が発揮できるか気になる。大丈夫なのだろうか。もはや手遅れ感も漂うのだが、それでも守備が磐石なら、少々得点力が落ちてもなんとかなるのだろうが.....こちらも攻撃同様「やはり」フロント勢が心もとない。
DBはWR同様に複数ユニットを組めるほど「人数は」準備が出来ているし徳井のSFへのコンバートの成功と大型新人CB吉井の登場で全体的に落ち着きつつある。しかし一方のフロントは、こちらはDLの層の薄さと、これに伴うランニングプレーへの対応の不味さが大きな問題となっている。近大戦では「中央で死んでくれる者が一人もおらず、一斉に押される一列目、巻き込まれる二列目。ラインごと大きく進むRB。SFやLBが当たる頃には5Y以上ゲインされている。」こんな光景が後半から終了まで続いた。2回のロングドライブの間、パスは殆どコールされず、ランもオープンは殆ど無し。ボックスの中での勝負を挑まれ、連敗し続けた。されにオプション対策もpoorで、見極められた上でキープを許し、ピッチマンには誰もついて行けない有様。見方を変えれば「前半は近大がパスをコールしてくれたおかげでドライブを止めることが出来ていただけ。」といえる。対SG守備構築の為の昨今のスピード重視フロントなのだろうが、完全に当たられてしまい、取られてしまっている。また投入されたDLも機動力重視のメンバーが主体で所謂「高速道路の真ん中の巨大な漬物石」のようなタイプでは無かった。(それゆえ、逆にパスラッシュをさせると、まずまず威力がありサック2回にディフレクトも1回を記録。ただし所謂ブルラッシュといえるものではない。)決して強力とは言えない近大OLのドライブブロックをまともに受け続けてズルズル後退し、2度もロングドライブを許すようでは、京大や立命のOL相手に太刀打ちできるとは思えない。これらフロントには徐々に修正を加えるしか無いのだが、時間切れにならないことを祈るしかない。もちろん、負傷者の発生による戦力ダウンも考慮に入れなければならない。DLの4人は近大戦一試合を通じて「概ね各学年から1人づつ参加している状況」だったと思っていただければよい。國方(4)、川嶋、黒澤(3)、矢ノ川、吉川(雅)(2)、村上、平澤(1)。荒牧はOL投入されDL参加なし。早川は登場せず、上村もOLのまま。(なお守備では終盤は徳井に代えて善本、LBは吉井とそれぞれ一年生を起用した。)ちなみにOLも岡田他の負傷により新谷、福間など2年生を投入している。これらのコンバートと 若手の投入から考えても、攻守ラインとも、選手層、技術面とも、どれだけ危機的な状況か理解できるだろう。ランブロック強化の為DLをOL投入すれば、パスプロに問題をかかえるだろうし、若手をDL投入すればラッシュはかかるが、ランブロックの処理やコンビネーションに苦労する。当面、そういった試合が続くのではないだろうか。そう思わせる試合でした。
2007年6月23日 (土) ここまでの試合を見て その2
さて、京大について少し述べたい。この試合では攻守とも特に何もせずに終わった京大だが、今年の攻撃については「少しの期待」をしてみたいと思う。
今年はTとスプレッド(京大で言うところのバックワン)からのバランスの取れた攻撃による時間消費という狙い(のよう)だ。やや広めのスプリットから繰り出す#2の中央突破が要所で好ゲインを見せたのが印象に残る。またスプレッドではエースRB高松をレシーバ投入したが、キャッチアンドランを数回見せるなど早くも十分機能するところを見せている。これに昨年から実績のあるTE藪崎にWR#17、#82あたりが機能するようになると層は厚くは無いもののラン、パスのバランスのとれた面白い攻撃が出来そうだ。そして鍵を握るのは一にも二にも宮下のパスの成長である。Tとスプレッドの併用の意図については、Tではクイックヒットとカウンターという速いプレーを重ね、ロングゲインは無いが確実に距離を稼ぎたいというもの。そしてスプレッドではエース高松までもターゲットとして使う以上、なんとかしてパスで勝負できる局面を作りたいという意図だろう。ただし、スプレッドのこの並びでは深くドロップバックしてのパスは難しく、タイミングの速いショートパスと、左右にスプリントしてのパスが出来なければ難しい。しかしこれが両方とも良くない。宮下は最終学年を迎えた訳だが、残念ながらパッサーとしては足踏み状態だと言える。特にタイミングの速いパスはもっと精度を上げていかなければ何の脅威にもならない。だが、活路はある。レシーバの成長である。俊敏な#17へのスローバックのスラントはドンピシャでヒットできたし、#82へのロングストリークはインターフェアを誘う結果となっている。特に#82は現時点でこそ捕る事の出来るルートが限定されているようだが、長身と俊足を生かせばQBにとっ「投げやすいターゲット」になってくれるだろう。そして高松をレシーバで使うのだから当然フライモーションからのバリエーションもあるだろう。Tでは3バックからのダイブオプションでリードブロッカをつけたピッチマンになる。これは裏のQBカウンターが威力を増す。そしてスプレッドからはシザースもある。なかなか面白い形になりそうなのだがいかがだろうか。それと(これは余談だが)「国立大だからこういうアプローチしかとれない」「人材が居ないからこういう攻撃しか出来ない」、という発想は徐々に改めたほうが良いような気がする。たとえばSGからのスプレッド攻撃が盛んな昨今である。これは攻撃が守備に対して一対一の勝負を強要し且つ勝利する事が重視される攻撃ではあるのだが、これをアスリート能力の高い選手の少ない国立大で採用しても意味が無いかというと、決してそうでは無いと思う。事実、これまでに複数の国立大学のチームで採用されているし、結果を出しつつある。昨年一年かけて精度を高めた神戸大は今年からは本格稼動にこぎつけている。QB大原の率いる攻撃は神戸大でも史上最高の得点能力を身につける可能性を秘めている。金沢大がパッサーとして卓越した存在だったQB川端率いる攻撃の活躍で近大と互角以上の勝負を演じたのは2年以上も前だし、北海道大も昨年のシトロンボウルで明治と堂々と渡り合っている。どのチームのQBも確かに決して強肩ではなくパスの球速も速くない。投げるターゲットも独走能力は無い。動きはアスリート揃いのチームと同じでも全体的なスピードは皆、確かに遅いのである。しかし、形は同じである。そして同じメカニズムでゲインしているのである。本来はこの手の「新しい取り組み」は京大が率先してもおかしくない事である。事実、古くはYからのトリプルオプションを本格採用し躍進したし、近年では全国的にフレックスボーンを流行らせたのも京大なのである。単純な戦績やプレーぶりではなく、こんなところにも、京大の挑戦者としての姿が垣間見られたものなのであるが、昨今はいかがだろうか。私は昨年も一昨年も勝負どころの試合での敗因は「攻撃」にあると思っている。大きな工夫も挑戦もなく、時間消費も得点もできずに終わる姿は寂しいものがある。その意味で、今年は少しは期待できる要素を感じるのであるが....いかがだろうか。
2007年6月23日 (土) ここまでの試合を見て その1
思いもよらぬアクシデントでトンと試合間隔が空いてしまったが、ここで日大戦、日本代表戦、京大戦と3試合観た段階での感想を述べてみたい。。
KG攻撃は緒戦の日体大戦とは、様相が変わってきている。プレーの傾向としては昨年のスタイルに戻しつつあるのだが、「攻撃の状態」そのものは悪くないようだ。対戦スコアとしては一勝一負一分で決して良くは無いのだが、例によってサイドスクリーンやら、ショベルやらRBスイングなどでズルズルとゲインしている事実や、QBが殆ど走らない、バックスのモーションを殆ど使用しない等、そもそもプレーバリエーションを極めて絞った状態で戦った結果である点を考慮すると、「春としては普通の結果」と言った所だろうか。
さて確かにラインプレーの比率は「下げる」傾向にあるようなのだが、一方でライン戦重視の気配もうかがえる。例えばTE投入の多さ。しかもブロックに回す機会が多い点。一方で2バックSGを用いる事が殆ど無い点も気になる(今季はRBの人材も恵まれているのだが、徹底してRBは1枚で通している)。
フォーメーションとしてはSGスプレッド(所謂「エース」でQBが下がった状態)を多用。そして加えて京大戦で見せたRBがQBの後方に深くセットするマイナーチェンジは、今季のランへの傾斜を伺わせるものではないかと推測している。この並びだと2バックSGのようにダイブ、カウンター、QBブラストといったタイミングの早いプレーが無いので、スピードとタイミングでRBがLOSを突破するランプレーはコールできない。裏を返せばラインズがブロックで、「力」で勝利しなければランが出ない形である。
またこれは同時に相手のILBに対して強力なプレッシャーをかける準備があるという事でもあるだろう。ILBの居ないエリアでワイドスプレッドを用いて勝負するのではなく、ILBの持ち場に仕掛けて行こうという意思だ。RBへのライドの時間が大変長いのでILBは嫌でもフリーズする。気がつけばブロッカに好位置に入り込まれたり、ポストを走るTEへのカバーが遅れたりするだろう。さらに(今年はここまで見せていないが)FLやSBがモーションからRBの前にブロッカで飛び込めばリードドローとそのフェイクのパスになるし、同じくピッチマンとして参加するとなると、たちまちフリーズオプションになる。京大戦で多く見られたオプションプレーを見るに、そんな事を考えてしまう。少なくともこの試みはランにおける強化策であるのは間違いないだろう。
さて、そのオプションと言えば京大戦で主将Gがプルしてブロッカーとして踊り出る光景が印象に残った。浅谷、平田が好走を繰り返しこの試合でのキーゲインとなったのだが、観ていてなかなか迫力があった。かつてのC奥田バリの機動力を発揮し余裕を持って正面から守備に当たりに行けていたように見える。
京大が殆ど何も対抗策をうって来なかったので、額面通りの評価は出来ないが概ねブロッカが良い場所で当たれて(邪魔ができて)いるように見えた。私は今のこのチームにおいては、今季の主将のような熱い奴が必要だと思っている。ともすればカン違いしそうな今年のチームである。チームに対して厳しく接し、自らプレーでグイグイ引っ張っていって欲しいと思う。今年は昨年の春のような「買っても負けても表情一つ変わらない」状態よりもずっと好感が持てる。以前にも書いたが、勝ちつづけている間において「(対戦相手とは力量において)そんなに差は無い」と平然と言うよりも「圧倒的な差が存在する」と目をギラつかせて叫んで欲しいものなのです。気になる点もある。4試合(厳密には3試合半だが)を通じて見てきたが、京大戦において遂に今年初のホールディング(攻撃)の反則が出てしまった。しかも3ヶ所で。ただし全てバックス(レシーバ)の反則であり攻撃ラインズではない。またこの春非常に目立つのが守備(セカンダリの)スピアリングの反則である。いずれもブロック、タックルのミスである。ブロックを掻い潜ろうとする守備に対して正しく体を使えていないバックスと、当たるのが下手なDBの責任と言えるのだが、しかしこれは昨季と比較してチームが強くなる為の鍵となっている部分なのだ。曰く、ランブロックの破壊力向上の為にOLとともに強化すべき部分と、「甲子園でロングゲインを許し続けた守備」を強化する上で最も重視される部分だ。それが現時点でこのデキでは不安が残る。これらが今後どこまで修正できるのか注目したい。しかし劇的な向上を見せるとすれば(特にDBについては)新戦力の登場により一箇所ずつ穴が埋まっていくという形でしか実現しないのではないだろうかとも思える。
2007年4月24日 (火) VS日体大戦にみる’07年度攻撃スタイルへの考察 その2
さてさて個々の注目選手。守備では古下、佐藤のLB実績組が堅い。早川、黒澤、荒巻、これに川上を加えた3年生DLカルテットに上村、國方の4年生が加わるフロント勢はまずまずだろう。特に佐藤、古下、國方は一列目、二列目関係無く投入できそうだ。この守備フロントにおいては各自の適性、組み合わせを見極める作業に終始しそうだ。そしてやはり3列目が課題なのだがWRからコンバートした徳井は面白そうだ。サイズ、スピードを備えた大型SFを狙える逸材だ(それだけDBは人材が払底している証でもあるのだが)。セカンダリはこの試合に出たメンバーに新人を加えたデプスの中で最後まで試行錯誤が続きそうだ。今のところDBには絶対的な存在はなく、SFについてはこの試合では評価も難しい。
RBでは3年石田が昨年の古谷を髣髴させるパワーバックに成長。ラインを無視して走らざるを得ないスプレッド攻撃では単騎で相手守備フロントに飛び込まざるを得ないので、この存在は貴重だ。また河原、浅谷、横山らの実績組の出番はこの日は無かったが2年生の平田、高野が好調。これらの快速ランナーも「守備が戻ってこないうちに距離を稼ぐ」という意味でスプレッド攻撃には必要な存在だ。さらに今年は力づくの中央突破も増えるであろうから「しっかりブロッカを使って走ることの出来るタイプのランナー」が、必要になってくるはずだ。この出現に期待したい。
2007年4月24日 (火) VS日体大戦にみる’07年度攻撃スタイルへの考察 その1
強く感じたのは、今年は攻撃スタイルの変更を目指しているのであろうという事だ。「長いの全然投げないね」「QB走らんなぁ」「FLモーションせんな」「TEよく使うぞ」「QB動かさないなぁ」これらは宰相君との会話の一部である。そう、昨年までとかなり違うのである。そして印象に残ったのはランプレーの力強さである。ランパスの回数比では実はパスがしっかり多いし、相変わらず味方攻撃ラインを無視するRBヒッチ、スイングはするのだが、一方でRB陣のランプレーの迫力は明らかに増してきているのだ。単純な中央プレー、2バックからのカウンター、一旦インサイドに踏んでオープンをまくるカットバックプレーでグイグイ進む。どうやらライン戦を中心とした攻撃を大幅に取り込もうとしていると見た。もちろん「相手はKGスプレッド攻撃を予想した日体ニッケル守備である点」、「一発ロングパスを警戒した方針で手薄になりがちな守備フロントに対して強力なランを展開している点」これらは割り引かなくてはならない。だが同時にKGは多彩なパスツリーの封印を始め、「いくらなんでも絞り過ぎでは?」と思わせるほどラン、パスともプレーを限定していた点も考慮しなければならない。まずFLは全くモーションしない。QBはロールしないし、そもそも持って走らない。スクランブルも無い。RBへのスイング、ヒッチを多投し(多投しすぎで何度もディフレクトされているのだが)前パスは短いパス、しかも単純なルートに限定している。昨シーズンに見慣れた、榊原がLOSと並行にモーションしスナップを受けた三原がハンドオフフェイク、中央に飛び込むRB古谷、そのフェイクのパス、そしてQBカウンターという06年の一連の光景は欠片も見られなかったのだ。つまりQBを含めたバックスを縦横無尽に動き回らせて進めるといった昨年までのバックス主体の攻撃の比率を極端に落としているのだ。
そんな中で、ラインズのブロッキングの反則は皆無。QBのランはロールの1回のみという中で1回平均4ヤード以上のラン記録。ラン、パスともに一発は無いが時間をしっかり使いながら確実にダウン更新を続けて敵陣ににじり寄る攻撃を見ていて、苛立ちを感じることは無かった。やろうとしている事が、徐々に出来つつある手ごたえを(道のりはまだ長いが)見ていて感じた。もちろんマズイ点も多々あった。ライン戦で有利に立つにも関わらず3rdショートでパスに出て失敗。後ろにボールを回して失敗。ロクにバーチカルルートに投げもしないのにスイングを投げすぎる。そしてフロントで勝利しているにも関わらず敵エンドゾーン前で足踏みしてしまう攻撃は相変わらずだったりする。その意味ではコール自体が勝つコールではなく鍛えるためのコールであるという事が過去に無い程、明確に伝わってきた試合でもある。
ただし3ファンブル2ロストに加えて3度のFG失敗。これはいただけない。特にFGの失敗はいかな控えキッカーといえども、これは許されない事である。あくまで印象だけなのだが、TEを投入してのランプレーにおいては攻撃ラインが生き生きと動いているように見えた。一方の4WRからのプレーにおいてはプロテクションもさることながら、QBを含めたバックスとラインズの呼吸が未完のようだ。逆にバックス、特にWRは4WRの方が本来の動きができているように感じた。メンバー損失の多いOLにおいては得手、不得手が明確。そして得手なのは強化しているランの方で、実はそれにはバックスがまだ不慣れ。といった感じだろうか。
課題はもちろん存在する。だが、昨年よりも一段とステップアップする事を義務づけらているこの攻撃チームにおいて、ラインプレーを強化していく新バージョンへの挑戦は大変意義深い。それに今日見た限りでは攻撃のパワーアップ、安定度向上という目的に対しては大いに期待できるし、十分計算できそうな取り組みだと感じた。昨年までの「バックス主体の軽業のような」スプレッド攻撃の持つ得点力と、有無を言わさぬ「ラインが主役のフットボール」の融合への挑戦は大いにアリだと感じているのだ。昨年は春からスプレッド攻撃全開を目指した取り組みだったようだが今年は違う。春季はこの新スタイルの完成度と昨年までのスプレッド攻撃との融合をどこまで実現できるかに注目したい。選手にとっては理解度だろうしコーチにとってはコールの適切さだろうか。(ちなみにこの新バージョン攻撃への取り組みについては、我々で勝手に決めつけているのだが、実は結構自信がある。本当にそうなのかどうかはこの後2試合程度見ていけば分かる。
個人的には「よくぞ選んでくれたこのスタイル」と大歓迎なのだ。同時に半ば願望でもあるのだが。)
2007年1月7日 (日) ライスボウル雑感 その3
3:なんとなく「ミスマッチ」なゲーム
試合を通じての双方の「やりとり」を感じる事が少なかったゲームだった。本調子ではない丸田を(それでも)有効活用したいという意図からデコイでの投入が見られたのは面白かった(それだけに勝負どころでの丸田投入には疑問なのであるが)。丸田へのピッチの動きからフランカーのリバースプレーなどがそうだが、残念ながらOSはまったくひっかからなかった。見破ったというより反応しなかったように見えた。またOSは後半3−3から4−3に変えて対応し始めているが、それで何か変わったかというと多少プレッシャーがかかるようになった程度だろうか?だがこの手の攻撃を相手にするのが不慣れなのかもしれないが、QBにラッシュする数が多すぎるケースには閉口した。勝負は拮抗している状態だが一応先行しているのだがら、慌てなくても良いし、そもそもそんなに沢山同じ方向から詰めたら菅原に走られて終わりである。最後はスタミナ切れからスピード勝負ができなくなった法政守備を相手に力勝負で逃げ切ったOSだが、最後にリードしてて良かったねという試合内容でしかない。(OSに関してはこれ以上は特にコメントしない。ろくにシーズン中の試合を見ていないので、何とも言いようがないからだ。一ついえる事は、ライスにもう少し準備して欲しいなという程度だ。それ以上は求められない。)
法政攻撃が2ユニットで消耗を防ぎつつOS守備をストレッチする事に成功していれば、法政リードで終盤を迎えられたはずである。リードしてからは本格的なボールコントロールに出ればよい。消耗が予想される守備もギリギリ持つのではないか。終始双方のゲームプランを読み取れない点が最ももどかしく、違和感を感じた所以だと思う。力量の差を意味するものでは無いが、この試合にはミスマッチの感を強くした。まるで突然対戦することになった同志が繰り広げた、かみ合わないゲームのように見えたのが残念であった。
2007年1月7日 (日) ライスボウル雑感 その2
2:スタミナと選手起用
これは単純なデプスの形成では回避できない。質の高さを要求するとデプスには限界が生じるし、デプスを深めると質を維持できなくなるからだ。特に複雑なプレーが要求される昨今はこの傾向は強い。しかしこれをコールやフォーメーションの工夫で最小化しておけなかったか。折角優秀なQBのデプスが形成されているのである。なんでもオプションQBとしての能力も高く、リーグ前半の菅原不在時には大活躍したとの事。15分Qである。ドームである。シーズン10試合目である。菅原はリーグ前半を休んでいるが逆に病み上がりでもある。スターターの負傷と消耗を回避し、且つ相手守備に脅威を与える為に、控えをもっと投入しても良かったのではないか。QBに限らず、他のポジションもである。全く違うフォーメーションから全く違うメンバーによる全く違う攻撃パッケージが展開されるという恐さが相手守備に与えるプレッシャーは大きいのではないか。彼らのプレーでダウンを更新でもできれば、この恐ろしさは倍増する。まさに一石二鳥だと思うのだが。いかがだろうか。というのも悔やんでも悔やみきれないシーンがあるからだ。
一つは後半、OSゴール前でFGに終わったシーン。3ダウンで丸田への左スイングがショートして失敗。私はTVに向って罵声を浴びせた。なぜ治療を終えたばかりの丸田なのか。しかも見れば間違いなくスピードが乗っていない状態。丸田を計算せずに4回の攻撃でエンドゾーンを割るコールができなかったのか。優秀な走れるQBがいるならRB投入したら駄目なのか。これではRB吉村にFGを蹴らせて甲子園初優勝を逃した明治大と同じである。全くもって納得できない。
二つ目は4Qの最後の攻撃の時である。パントを選択した段階で「終わった」と確信した。あそこは是が非でも攻撃続行。それこそスペシャルしてでもダウン更新である。法政守備は終始健闘したが残念ながらOSのラン攻撃に対応できるスタミナはこの時点では残っていなかった。守備を軽視したとは言わないし攻撃もディレイドオフェンスをするなど時間消費も考慮してきた。しかしプレーの間の守備フロントが両手を膝におく姿をみれば、とても攻撃権を奪い返せる力は残っていなかったと思うのだがいかがか。
甲子園ボウルでもそうだが、法政は攻守とも選手の交代が極めて少ないようだ。このチームは、もしかして選手が壊れるまで交代しないのではないだろうか?。また、これは関東のチームに多い(大昔からなのだが)のだが、今でもまずい兼任が見られる。意味のある兼任は大いにやるべしである。ホルダーと控えQB、パンターとQB、パンターとキッカーなどは有意義だ。しかし主戦バックスとキッカーの兼任はそろそろやめた方が良い(理由は自分で考えてください)。それぞれ「スターターはベストメンバー。ベストメンバーで出来るだけ長く戦う」「一番上手な奴がやれば良い。それがベストパフォーマンスに繋がる」と考えれば一つの哲学としては分からないではないが、勝利を優先すべく再考を願いたいところである。法政は、少なくとも「自分達より強い相手と戦う時」の細かい工夫を身につけて行っていただきたい。ロクなライバルの存在しないリーグ戦では主力はすぐに温存できるが強敵相手になる甲子園以降では最後までベストメンバーで対応せざるを得ない。リーグ戦よりも長い試合時間や、シーズンの疲労の蓄積や負傷をおしての出場などを考慮した、細かい工夫だ。フィールドでプレーする選手のエキストラなエフォートに頼るのではなく、チーム全体として工夫のできる事が沢山あるはずである。それが総合力に繋がるのである。
(クラッシュボウルをTVで見た。法政は気の毒なチームである。はやくリーグに良いライバルが現れて欲しいものであるがとても期待できそうに無い。それまでは甲子園での関西勢との対戦を糧に成長するしかない。)
2007年1月7日 (日) ライスボウル雑感 その1
期待して見たライスボウルだが若干違和感を憶える試合展開となった。接戦だろうと踏んだのでスコアだけを見れば納得ではあるのだが、試合そのものを見ると納得のいかない部分がいくつかある。一つは法政の良い面だけでなく、悪い面がかなり浮き彫りになった点である。表現を変えると「この部分は実はあまり変わっていなかったのだなぁ」という残念な気持ちになったと言えばよいだろうか。それは「相手を見ないフットボール」をしてしまう悪い点である。もう一つは両チームの攻守の「やり取り」が、別の意味で「ミスマッチだなぁ」と感じた点である。

1:スペシャルプレーの功罪
以前スポーツ大陸という番組で立命のライスボウルにおける事前準備を取材して「勝利の為の戦術」と紹介した事があったが、(立命には非は無いが)実にトンでもない内容であった。テレビ番組としては分かりやすく紹介する必要があるのであえて的を絞った構成にしたのだろうが、間違ってもこの番組の内容を鵜呑みにしてはいけない。あえてもう一度言う。スペシャルプレーの準備イコール戦術の充実ではない。法政のこの日スペシャル連発について手放しで褒め称える向きがある。確かに得点としてはよく食い下がり結果も残したのだが、よく考えて欲しい。もっと上手くやれば法政は快勝できたのではないだろうか。それが出来なかったのは何故だろうか。私は前半の展開を見て「法政必ず勝てる」と踏んでいたのだが.....。
そもそも攻撃は相手守備をストレッチする必要がある。その為に様々なプレーを繰り出し相手守備の情報を集める必要がある。それを元にプレーの組み立てで相手守備をストレッチさせ安定したドライブを展開するのだ。そして相手守備がアジャストすれば更にそれに対応する。また相手守備に特定の対応を強要させる事によりアジャストを遅らせることもする。結果としてOSの守備を法政は打ち破れたと言えるだろうか。ストレッチしきれたと言えるだろうか。うまく攻めきれなかったのは情報の不足に伴い攻撃が解答を導ききれなかった点。否(意地悪く言うと)最初からその行為を半分棄ててかかったかに見られる点であろう。至極簡単に言えば、スペシャルの比率を増やすという事は、ロングゲインを得られる代わりに入手できる相手守備の情報を失う事になるという事である。このチームがそれ=スペシャルを選択したという事は何を示すか。「相手守備を切り崩すプレーの組み立てを準備して望むという行為と、スペシャルプレーを準備して望むという行為は根底に流れる思考が全く違う」という事に注目して欲しい。前者はそこから相手守備を切り崩す情報をドンドン入手でき、最終的に相手守備を崩壊させるところまで攻撃を発展させるベースになる。だが後者は単にゲインするだけである。言い換えれば、前者は相手を真っ向から見据えて分析し確実に解答を導く論理的アプローチであり、後者は相手が何であろうと関係なく挑戦する博打であると言える。もちろんスペシャルをパッケージング化しそこから発展させたスペシャルシリーズならロジカルでアリなのだが、法政の見せたプレーはそれではなかった。ちなみに、それをするなら後述の別メンバーによる別ユニットの準備をすれば良いのである。色んな面でメリットが多い。準備をするなら間違いなくコレをすべきであったし実現可能であったと断言する。投機的な挑戦ではなく理屈で勝利するアプローチを選択すれば勝利できたと思えるチームだっただけに残念だ。
どうしても理解できない向きにはお尋ねしたい。そもそも法政のゲームプランはどんなモノだったと推測されますか?。その中でのスペシャルプレーの位置付けはどんなものだったのでしょうか?残念ながら私にはわかりませんでした。さらに、こうもお尋ねしたい。どのチームも、なぜスペシャルプレーをもっと日頃から連発しないのでしょうか?そうすれば全てのゲームで圧勝できるのではないでしょうか。
2006年12月26日 (火) 甲子園を終えて その4
一方、不安視された守備は課題のDB陣がやはり苦戦した。#11とのマッチアップではCBは殆ど完敗しており、全く手におえなかった。タックルも例によってリーグ戦同様、否、春の試合同様に甘いままだった。一方で、フロントはこの試合になってようやく詰め始めたと言えるだろう。SGに対してスクランブル警戒からほとんど積極的な動きを見せなかったリーグ戦とはうって変わって、要所でLBが仕掛け、要所で止め始めた。特に後半開始以降はRB丸田が負傷で退いた事もあり、良い時間帯を作り出せたと思う。最終的にQBのカバーが甘くなってしまう事や、丸田らの爆発的走力との差は止むを得ないのだが、それでも試合を通じてタックルの甘いシーンが散見されたのが残念だ。堅いのは柏木、佐藤、ランストッパー時の岡本、仕掛けたときの笠原程度か。スピード差を意識するがあまりのミスが多く、大きな課題を来季にもち越すことになったと思う。

私は「感動を有難う。勇気を有難う」という言葉は好きではない。仮に感謝をしていても口に出して言う必要の無いことである。そもそも言われたほうが困ってしまう言葉でもある。しかし、一つの目的の為に(この場合当然「勝利」であるが)ベストを尽くし、又、より高い目標へ向かって努力し続けた彼らが、その結晶を披露する場である大試合で見せるそのパフォーマンスは、それを見る人に対して嫌でが上でも大きなメッセージを与えるのも事実である。勝利する事が如何に困難であるか、いかに過酷なプロセスの末に成り立つものなのかを知れば知るほど、その「言葉」は深く見る者の心に刻み込まれるのだ。OLDファンも多いこのチーム。理由は確かに「昔から強いから」なのだが、同時に「昔から変わらないから」でもある。年長者や、長くこのチームを見ている人にとってKGファイターズとは、無意識にその姿を「或るもの」と重ねあわせて見る事ができる稀有な存在なのではないか。その「或るもの」とは自分の知る自分自身・親族・友人の「人生における様々な局面におけるその姿」である。逆境を跳ね返し持てる全てをぶつけて目標へと突き進むこのチームの様は、実は大昔から変わりが無い。決して非常識な程、強い訳ではない。時には大失敗もする。だが奇跡も度々おこす。このチームは昔から極めて人間臭く、そして適度にスーパーマンなのだ。いわく「KGは弱い年程魅力がある」と。言うなればこのチームは、ファンにとっては、あるときは憧れであり、あるときは頼もしい友人であり、あるときは愛すべき子供達なのである。皆から愛されない訳が無いのだ。
雷による中断とそのタイミングには閉口したが、そりゃ#5も甲子園は久々なんだから、ちょっとは慌てもするだろう。無理も無い。選手の中には甲子園を知る者がいない。コーチの中でも5回生コーチはやはり知らない。そもそも監督以下コーチ陣自身が久々の甲子園登場だったのだから上手く行かない事は色々ある。だけど改めて言える。勝つことは本当に本当に重要だ。
強い相手に対して万全の準備をして臨むという経験がいかに重要な事なのか。甲子園にむけての、この3週間の積み重ねがいかにチームを強くしていくのか。そしてこれを毎年重ねる事が全ての対戦相手に対してどれだけ多くのアドバンテージを生み出す事になるのか。勝利がチームにもたらすものの大きさを改めて噛み締めなければならない試合結果だと個人的に強く感じた。強くなるためには、勝たなければならないし、強くあり続けるには、どうしても勝ち続けなければならないのだ。勝ち続けてこそはじめて得られる強さが今のこのチームに必要なのではないか。
晴天の中、冬の日差しを浴び、豪雨や雷に見舞われ、強風と寒さ震えたこの試合での活躍を見て、決してきれいな色にはならなかったのかもしれないが、06年のこのチームにも間違いなくKGブルーの血が流れていた事を確認できた。そして私はその事が、本当に、本当に、心の底から嬉しく思えるのである。

なお試合のデータはAK's American Football InformationのAK-CHART記載のものを使用させていただきました。
2006年12月26日 (火) 甲子園を終えて その3
攻撃ではキャリアが走っている限り他の全ての選手が最後まで機能しようと心がけている。逆サイドのレシーバが全力疾走でバックスの前にドンドン入ってくる様子は素晴らしい。守備では少しでもボールセキュリティが甘いとドンドンしかける。デッド後でも笛が鳴るまで最後までボールに向かっていた。ちなみにタックルの確実さについては完全に法政守備の勝ちである。
終盤インバウンズデッドを心がける局面でもそれは徹底されていたし、とにかく個々の選手が状況をよく理解していたと思う。終了間際に逆転をめざすドライブの中で余裕でインバウンズで転ぶレシーバがいた97年のチームとは雲泥の差である。4QのFGに繋がるロングドライブは70Yを実に5分29秒費やして前進しているのだが、両チームにとってこの時間消費が大きかった。要所でKGの反則に救われるラッキーと審判の明確なミス(ボールデッド後20秒以上時計を止めない)もあったが、法政はこのドライブでギリギリまでスナップしないディレイドオフェンスを展開して成功している。要所で負傷明けの丸田を投入し、菅原のセカンドエフォートでダウン更新するなど最も執念を感じた攻撃シリーズとなった。この試合のキードライブをあげるとしたらこれだろう。
試合そのものは名勝負と言えるかどうかはともかく、質として高いとは言いにくかった。最後まで法政の速さに翻弄されつづけたKG守備には間違いなく課題が残ったし、前半終盤からKG攻撃に押されつづけた法政守備も問題だ。KG守備の脆さはリーグ戦で明確だったので読みどおりの出来で驚きは無かったのだが、法政の特にパス守備について、ここまでルーズなの対応を見せたのは意外だった。爆発的な攻撃力の印象が強い法政だが、この守備の脆さは戴けない。なにせ喪失距離がKG守備のそれと20〜30Y程度しか変わらないのだから。その意味で本来は(個人的には高く)評価したくないシューティングアウトの大味な試合になってしまった感じは否めない。だが法政は決してKGを侮っては居なかった。またKGもリーグ戦で燃え尽きてもいなかった。そこは評価すべき点である。それこそ腐っても甲子園BOWLだったという事だろう。すくなくとも法政にとっての甲子園の位置付けは数年前から明確に変化してきていると言えるしそれが法政の二度目の発展期を支える原動力になっていると言える。そして法政はあくまで上手く勝利したのであって、完勝とは口が裂けても言えないだろう。又完敗を覚悟したKGは大善戦はしたが、実際は点差以上の実力差があった事は否定できないだろう。
さて個々に見ていくと、まずKG攻撃は今季の課題となった「立ち上がりの悪さ」が改善されなかった。相手が相手なので止むを得ない部分はあるが、そろそろこれは何とかしたい。前半にスペシャルが多かったのはご愛嬌だ。スイープパスはともかく、キングからのQBダイブフェイクのTEアップなど誰が考えるのだろうか。
これだけスペシャルプレーを繰り出した試合は記憶に無い。宰相君など最初の2TDに関して全く喜べず、ひたすら「頼むから正攻法で行ってくれ」と泣いていた。「その方が実は早道」だからなのだが、攻撃がペースを掴んでからは、実に正攻法が中心となり私も一安心した(生田へのタックルスクリーンを除いて)。あれだけQBカウンターが出続けると攻撃は楽である。1試合の攻撃バリエーションの数から言うと、一昨年あたりの立命戦の方が実はずっと多い。その意味では切り札の無限バリエーション地獄に引き込まないまでも、ドライブできるようになった点で攻撃は正解を導けたといえる。アジャストそのものの精度は合格だし、プレーの実践度も問題無いものだった。QB三原は完全にエースになった。以前はランプレーで脆さを感じたが、果敢なキープと冷静なパスで立派に主戦QBの役割を果した。そしてこの試合でのセンターのロングスナップは終始安定していた。QBの胸元に毎回毎回、判でついたようにボールが飛びつづけたのは素晴らしい。またこの試合でフル回転した#81。リターナとして、レシーバとして要所で活躍した。おまけにTDパスまで決めるとは思わなかった。しかしランナーとして又、パントリターナとしては痛恨のミスを犯してしまった。それだけ攻撃の核として機能し、期待されていることの証左なのだが、残念な結果となった。
2006年12月26日 (火) 甲子園を終えて その2
KGのプランとしては「殴り合わざるを得ない」というところに落ち着いたようだ。ハイスコアリングゲームを覚悟したと言う事だろう。春の対戦と同様に守備がスピード慣れしないうちに前半で何本か差をつけられるだろうが、出来るだけ抑えたい。その為には相手にロングドライブを強いたい。よってキッキングで大きくリターンされる事は回避したい。一方の攻撃は、一旦ぶつかって見て、とりあえずアジャストし切るまでは2シリーズは無駄にする可能性がある。その間、守備が突破され失点する可能性が大だが、攻撃としては正解を見つけるまでは万能解となる可能性のあるスペシャルプレーでしぶとく食い下がり、突き放されないようにする。もちろんリターンゲームもフル活用したい。これはチームのモチベーションを維持する上で必須だ。出来るだけ情報を集めて攻撃・守備とも対策を試して、手ごたえを得た上で前半を終わりたい。そして攻撃が正解を得られるであろう後半から、改めて殴り合いを仕掛けたい。リードを奪うまではひたすら殴る。守備は徐々に仕掛ける。キープレーを壊しドライブをなんとか中断させる。失点はするだろうが、失点のペースを抑えられれば、うまく行けば試合終盤にギリギリ追いつける。
つまり序盤は攻撃・守備にとっての情報収集と、法政のスピードに対する慣れに費やさざるをえない。この序盤での失点は覚悟だがスペシャルで点差的には対抗しておく。勝負はあくまで後半。守備が仕掛け始め、攻撃が猛追開始する。大差で勝ち進んだチームとして当然の準備なのだが、相手は隠しプレーを大量に持って甲子園に現れるようになった「進化した法政」である。スカウティングに無いプレー・アライメントの準備は十分予想される。それは試合の中で対応していくしかない。その為にKGの反攻には時間を要するのだ。
ところが、これだけの殴り合いになると、想定の範囲内の事と、範囲外の事が競うように発生しつづけ、もう判断も何もあったものではなくなる。
開始1プレーでTDとなり(予想外)続くシリーズもしっかりドライブされ失点(予想範囲内)攻撃は期待通り好リターンで得た位置からスペシャルプレーで食い下がるも(予想範囲内)直後に警戒していたはずのキッキングで失点(予想外)守備は落ち着かない時間が予想以上に続く(予想外)キッキングのカバーは確かに1本行かれたが、一方のリターンゲームは好調で徐々にフィールドポジションを得ていく(予想以上)攻撃のミスでファンブルし一発で失点(予想外)後半、最初の攻撃は順調にドライブし反撃開始(予想範囲内)。守備も結果を出し始める(予想範囲内)ただし守備の奮戦というより丸田の負傷が根底にあり、その要因が大きい(予想外)得点機における雷雨による試合中断(予想外)キッキングでの信じられないミスとその後一気に失点(予想外)攻撃は順調に対応できるようになる(予想範囲内)丸田復帰で守備苦戦(予想範囲内)時間を消費される(予想範囲外)。
こう書くと、攻撃は概ね予定通りの動き・結果を出せたと思うが、守備の対応の限界と、攻守蹴における要所のミスが時間内で追跡し切れない差になって最後まで残ったように思える。
特に悔やまれるのは好調だったキッキングゲームを得点に生かしきれなかった点である。この部分は春の対戦とは打って変わった結果となった。KG攻撃の開始地点を振り返ると、前半8回のポゼッションのうちの敵陣開始が実に半分の4回。残りも自陣39Y,35Y,38Y,37Yと合格点。対する法政は8回中敵陣開始はわずか1回。しかもファンブルリカバで得たものだ。また自陣20Yより内側の開始が3回もある。後半は法政は6回中2回が敵陣開始(1回はKGのミス、もう1回は最後のオンサイドリカバー)あとの4回は自陣30Yの内側になる。対するKGは5回全て自陣だが1回20Yがあったのみで他は4回は自陣35Yやより高い位置から開始している(40Y,36Y,43Y,39Y)。さらに攻守ともに奮起ししたため、後半は獲得距離で100Y近い差が発生しているはずである。実は後半は攻守蹴ともKGが勝っているのだ。それだけにパントの処理ミスが悔やまれる。殴り合いの鉄則で、一度の攻撃シリーズも無駄に出来ない勝負で、KGには無駄が複数回発生し、逆にミスから相手にやらずもがなの好位置を与えてしまったという事だろう。裏を返せばKGのミスを確実に点に結びつけた法政攻撃の集中力を評価せざるを得ないのだ。法政は本当に変わった(関東のファンの間で法政を評価する声が聞こえないのは何故でしょうか。凄さが分からないのでしょうか。)。とにかく基本が徹底されているし、個々の選手が最後まで「フィニッシュ」している。
2006年12月26日 (火) 甲子園を終えて その1
KGは攻撃も守備もキッキングもベンチもベストに近いパフォーマンスを発揮したが、結果として要所で少しずつ判断を誤ったように思える。事前のヨミが外れるのは当然あることで、それに対する修正を試合中に行う事を前提として試合に臨んでいるのだが、その過程で幾つかの問題を生じた。それが2点差という結果で現れた試合なのだろう。そしてこの大試合にむけて攻守蹴そしてベンチいずれもベストを目指して取り組んだのだが、それでもベストには至らなかったという点が課題として残った。その原因は、残念ながら生じてしまった甲子園における「かくも長き不在」なのだと思う。なぜならフィールドでの個々のパフォーマンス云々以外の部分、つまり「判断」の部分での問題が大きいように思えるからだ。
たとえば、攻撃においては1Qに最初に迎えた得点機。TVの解説にもあったが、これはアンバランスドラインでセットし、ウイークサイドヘのトスプレーだった。ミエミエのストロングサイドへのプレーだとアピールする事を、スナップ前のシフトでさらに強調。だがプレーは逆サイド。攻撃11人全員の芝居に守備を引っ掛けるのだ。狭いサイドなのでスピード勝負なのだが、これは快速バック投入で解決する。TDには至らなくともダウン更新は狙える、そんなプレーだ。(しかも後半勝負が大前提のプランにおいて、このフォーメーションからのプレーを前半のどこかで混ぜておきたいという意向も攻撃コーディネータには間違いなくあったに違いない。)プレーの選択自体は有意義なのだが、疑問がある。本当にTDでなければならなかったのだろうか。
またキッキングでは1Qのキックオフであっさり丸田に蹴ってしまったのは何故だろうか。試合開始のキックオフはエンドゾーンに蹴り込みタッチバックとした。ヨコハマの反省から「返されるぐらいなら確実に20Yからスタートさせたい」という方針が見て取られたプレーだった。明快な指針だ。しかし、1TD差とした直後のKGのキックオフはなぜか、真っ直ぐ丸田に飛んだ。これはサイドリターンとなり、一気にエンドゾーンまで走られた。このときKGのエンドはまだ風上だったはずである。
守備では1Qの2本目のTDを奪われたシーン。KGエンドゾーンを目前とした3rdダウンでの法政攻撃の反則に対してKG守備はディクラインを選択した。SG攻撃である。ゴール前である。ここまで攻撃をスローダウンさせる手立ての無いまま相手に得点機を与えてしまっている。少々罰退させたところで特に守備側にアドバンテージを得ることは無かったと思う。それよりFGを蹴らせて3点に抑え、攻撃権を得るほうが良かったのではないか。
そして勝負を決めた終了間際の3rdダウンからの法政QB菅原のキーププレー。大雨の中、法政としてはファンブルを警戒したい状況下。パスは投機的すぎる。しかも大黒柱の丸田はフィールドに戻ったとはいえ、万全ではない。そもそもRBへのハンドオフすら避けたい。よってここまでコンスタントに出ているQBのランである可能性はかなり高い。ロングシチュエーションなので獲得すべき距離を考えればオープンに回すはず。マンカバーのKGに対して、この試合では常時5Yは出ているプレーだ。残しても数ヤードだろう。(4thダウンはパントを蹴らずにプレーしてダウン更新を狙うか、ディレーして罰退の上、パント。)このプレーは読み切れなかったろうか。少なくとも勝負に出られなかったろうか。
「慌てるな。まだ1Qやないか、FG蹴っとけ。今はとにかく辛抱してついて行くんや。勝負は後半。」
「ええか。くどいようやが、絶対に丸田には蹴んな。」
「蹴らせとけ。どうせSGやし少々罰退させても意味無い。抑えてもFG蹴られるなら同じ。」
「間違いなくQBや。ここでイカレたら終わり。エンドゾーンまで行かれてもダウン更新されても結果は同じや。」
かつてのKGであれば、ベンチからこういう指示が出ていたのではないかと勝手に(甚だ勝手だが)思ってしまう。過去のビッグゲーム後のコーチ陣のコメントを思い出すと、試合の要所で的確な判断をしてきた事が伺えるものが多い。それを思うと幾つか挙げたこれらのポイントでの判断に疑問符がついてしまうのだ。
2006年12月14日 (木) 春の対戦で大敗した相手と甲子園で再戦するKG その2
そうなると視点を変えてKG攻撃がどこまで時間を消費できるかという点が全てになる。SGからのボールコントロール攻撃@甲子園となると思い出すのが日大ゴールデンドラゴンフライであるが、KGはあの攻撃に匹敵するものを準備する必要があるのではないか。法政の攻撃と法政の守備を天秤にかけると、どちらがより攻略しやすいだろうか。
意外と法政守備には穴がありそうな気もする。そして今季のKGはスペシャルな準備を攻撃においては実は殆どしていない。見せていない。それは、そもそもの理解度云々の話で、したくても出来なかったのかもしれないが、甲子園に向けて、全プレーノーハドル、QB併用、スペシャルシリーズなど幾らでも準備ができるはず。QBは三原、加納の併用どころかポケットパッサーとしての幸田の投入もありえる。豊富なレシーバ、バックスを全てすり潰す覚悟で臨んで欲しい。プレーでは特に攻撃ラインの仕上がりとバックスのモーション・シフトからの展開に注目したい。OLはある程度勝負できそうな気がするが、真っ向勝負なのか、守備フロントをいなす方針なのか注目だ。やはりランではカウンター系。パスではスローバックか。丸田対策の延長で大型WRをRB投入して、ディレイでダウンフィールドに送り込むなど当然予想されるプレーだ。
さて、今季KGが強引に採用している観のある3−3−ニッケルに、強引に意味を見出すとしたら何になるのだろうか。最後に考えてみたい。
過去に同様の体型にフラット5を用意したかつての京大守備が存在する。5DBを奥にならべる。奥のゾーンについては実質シームが無くなり完全にロングパスを封じ、ショートパスを投げさせる形になる。攻撃はショートパスを中心にドライブするとプレー数が増えて、時間消費が進む。同時に攻撃のミスの増加、レシーバの消耗が期待できる。これで得点力を削ぎ、ハイスコアリングゲームを回避する目論見である。しかしこの作戦は当初は効果を発揮したが、京大守備陣と立命攻撃陣のアスリート能力の差、選手層の差、で徐々に機能しなくなっていく。短いパスを投げさせ、即タックルを狙いたい守備だが図面では止められても、能力差から追いつけなかったり、ミスタックルに終わる。そして守備に疲労が蓄積する後半には一気に崩壊してしまう。それに攻撃が、パスキャッチ後に効果的なゲインが奪えるようなプレーを混ぜ始めると、最終的には失点は増加してしまうのだった。そして何よりもそれに追い討ちをかけるような問題が京大には存在していた。このフラット5採用時の京大の最大の問題は守備そのものではなく攻撃にあったのだ。まったく時間消費をできない攻撃では、自ずと守備機会が増え、守備陣は疲弊する。これにフィールドポジションの悪化も加わると加速度的に点差が開く。結果的に試合終盤まで均衡状況を維持できなかったのである。これが仮に「ある程度のボールコントロール力を持つ攻撃陣」と、せめて「相手と五分に渡り合えるキッキングチーム」を保持していたらどうだろうか。さらに、守備陣の特にセカンダリーの能力が向上し、同時に選手層が増したとしたらどうだろうか?。それを試みたのがKGの3−3−ニッケルの採用ではないだろうか。アライメントの工夫で5枚を横一線に並べずに4枚とし1枚を前目に置く。フロントが6プラスアルファなので明らかに力負けをするのは確か。特にOTからオープンのランには力負けをする。またアンダーニースのパスは否でも通ってしまう。しかし一方でロングパスそのものは極端に減る。試投数そのものがまず減少する。投げてもムダなので当然だ。一方で「故意に」といっても良いほど手前に大穴を開けておく守備に対して、そこにショートパスを投げ込み続けるのは普通。プレー毎に同じような所にパスが飛び、また、ランナーも飛び込んでくる。これを確実に仕留めるのが大事なのだが大穴が空いている分、ディフェンダは一気に距離を詰めてヒットする必要があるので、どうしてもミスタックルが増える。今季タックルミスが散見されるのは、引いて構えるこの守備が原因のように思えるのだが、いかがか。キャリアが飛び込んでくるポイントがランにつけパスにつけ同じような部分である所が守備にとって唯一の救いではあるが見ていて気持ちの良いものではない。要所で長いパスを許してしまった過去の経験から選択したのがこの守備なのだろうが、攻める守備ではなくひたすら耐えて耐えて耐えつづける守備である点が精神衛生上良くない点だ。でも耐えて耐えて耐えても、最後に勝利してくれれば何も言う事は無いのは事実なのだ。
2006年12月14日 (木) 春の対戦で大敗した相手と甲子園で再戦するKG
こう書くとなんとなくニヤけてしまうKGファンもいるだろう。対日大戦(1984年)、対明治戦(1985年)、対法政戦(1997年)いずれも劇的な引き分けもしくは勝利という試合であった。今季はどうだろうか。いやいや、残念ながら期待は薄いでしょう。
昨年も少し書いたのだが、法政は明らかに変化してきている。もっと(特に関西の連中は)法政を高く評価すべきだろう。従来の「オプション大好き、下手でも大好き」「攻撃一番、スタンドプレー二番、三、四が無くて九番が守備、十番がキッキング」「好きな事を好きな時に好きなだけやるのが最高」「俺が気持ちよかったらそれでOK」という法政ではなくなったようだ。法政の基準では俊足でも、強肩でもない菅原をエースに据えた段階で法政のハラは据わったと言える。そしてオプションを棄ててSGに取り組んだ段階で新しいフェーズに進んだのだ。今年はラン、パス自在のショットガンに加え、控えのQBの層も厚くIからオプションまでこなせると言う。豊富なバックスを揃え、まさに攻撃は変幻自在。手のつけようが無い。守備も破壊力が高く(そもそも慶應の攻撃はどうなのかという議論はあるが)ターンオーバーも多く奪っているという。相変わらず適当なリーグ編成はどうなんだとか、関東はそもそも守備のレベルがという問題もあるがKGが直接対決で大完敗している以上、力量に差が存在するのは否定しようが無い。
さて、強引に、いつも以上に強引に、勝利の条件を導いてみようか。
春の対戦の大量失点の原因は、試合開始劈頭から試合終盤まで一試合を通じて大完敗したキッキングゲームである。1Q開始から4回続けて自陣20Yで攻撃を開始したのを皮切りに、KG攻撃はドライブできずひたすら自陣深くにくぎ付けにされつづけた。法政のキックオフは軒並みタッチバックになる。KGは自陣深くでパスは奪取されるはパントはチップされるはで、法政攻撃は常時好フィールドポジションから攻撃を開始していた。KGがまともにパントを蹴れたと思ったら、ミドルパスを決められ一気にTDを奪われる始末。後半、法政は今度はキックオフリターンでロングゲインを連発。おまけに終盤はパントブロックリターンとパントリターンでそれぞれTDを奪取。おかげで後半は更に点差が広がったにもかかわらず、法政の獲得距離は実はKGの1/3程度に留まっている。もう、ただただ数字を見るだけでも完璧なキッキングゲームの出来だ。試合序盤にはKGにリターンさせないキックオフ。そしてリターンされても20Yまでで確実に抑えるカバーチーム。またパンターにプレスし、一方で受ければ確実に返すリターンチーム。そしてエンドゾーン手前6Y、4Yで抑えるナイスパント。この試合でのKGの攻撃シリーズは全部で14回(前後半とも7回)。自陣20Yより深い位置での開始が実に12回。残りの2回は前半の敵陣でのファンブルリカバー(結果FG失敗)、後半最初のシリーズのみである。これではとてもでは無いがまともに闘えない。しかし甲子園での再戦では、これは少し割り引かなくてはならないと思うが、どうだろうか。
KGはカバーは酷いがリターンは悪くない(書いていて情けないが)。それを見越しての法政のタッチバック狙いなのかもしれないが、少なくともKGは何とかしてもう少し好位置で攻撃を開始したい。KGのリターンゲームでの工夫が鍵を握りそうだ。その意味でどちらが先にキッキングでペースを掴めるかが一つのポイントになる という至極まともなフットボールゲームになるのではないか。今度はKGキッキングチームはもう少しまともにやってくれるだろう(と信じている)が、それで試合の様相が春とは見違えるようなモノになるかと言うと....そうとも言い切れない程の迫力と集中力が今の法政に備わっているのは否定できない。おそらく15分Qも考慮してKGは3TDは取れると思うが4本目が微妙だ。スペシャルシリーズで4本目を取って終了間際に僅差で勝利というのが限界か。現実的には2本差で法政勝利だが、勝利の為には法政を3TDプラスアルファに抑える必要がある。そして法政攻撃を抑える上で対策を考えなくてはならないのがエースRB丸田である。ラン、パスいずれもこなす法政攻撃の大黒柱である。裏を返せば丸田を完封すれば得点力は半減する。ただしそれが出来ればの話だ。関東の他チームもそれは分かっているはずだが、抑えきれないのが現実だろう。少なくともランナー丸田は完封するというのが現実的な回答だろうか。それでも最終節で松森に走られた程度のゲインは許すことになるのだろうが。KGらしいアプローチとしては、もっとも走力の落ちる菅原に走らせるという考えもあるが、マンカバー前提を考えると、これも得策ではない。
2006年12月14日 (木) 監督に決めたトラッププレー その3
悩みは全く好対照ではあるが、長く苦しいリーグ戦を最初から最後までしっかりと戦い、そして勝利する上で、精神面で如何なる取り組みをすべきか?という意味では全く同種の悩みと言えるのではないだろうか。おそらくこの問題には答えは無いのだと思う。KGが弊害や失敗が存在するにも関わらず、このスタイルを続けているのは、これが100点の回答ではないが、最も正解に近いと結論づけているからだ。正解は存在しないのは気がついているのかもしれない。そして立命は連覇を終えた今、かつてのKGもそうだったように、あらためて何かの回答を見つけられるような気がする。そしてこれは、どちらが良いとか、どちらが進歩的かとか、何が正解なのかという低次元の問題では決してないものなのだ。
さて、そんな「大一番を前に自らを追い詰めて、何か別のものが入り込む隙間を全て埋めて無くしてしまうしまうような取り組みをしていたチーム」が、自ら進んで、良い意味で「ゆとり」を持つようになって行くのだろうか?。その一方で、必要以上に精神的に追い詰める事なく、必要以上に闘志をかきたてる事なく、淡々とプレーする事を目指したチーム」はどの方向に舵をきるのだろうか?。
綺麗にきまった「トラッププレー」を見て未来に向けての「新しい回答」のヒントを得たような気がするのだが、これは過去から連綿と続くフィロソフィーを知る者にとっては、寂しくもあり、嬉しくもあり、又頼もしくもある光景に映り、実に実に複雑な心境なのだ。だが、連覇がとまった、そして連覇を止めた「この瞬間」に、この両チームは、又何かを得るきっかけを掴んだ事は間違いないだろう。



悪い話もしなければならない。まずはKGの優勝に対する諸手を上げての賞賛はもう十分だろう。これ以上は正直気持ちが悪い。勝因は?と聞かれて何と答えられるだろうか。何か決定的なものはあるだろうか。どう考えても相手の自滅でしかない。転んでくれたら良いなぁ、と思ったら転んでくれたという話でしかない。これを勝利への執念だの、執着心の違いだのに置き換える行為に対して言語道断と言うのは言いすぎだろうか。
そんな安っぽい話をするなら、別の話をして欲しい。個人的には運が良かっただけというレベルですら無っている。辛うじて言えるのは立命サイドの若干の集中力の問題であって、安直に取得したタイムアウトと要所で犯した重い反則がミスを誘発して、失点したり、相手のドライブを続行させてしまったという事だけである。それ以上のものは存在しない。
そもそも両チームとも決して誉められる試合をしたとは言えない。相変わらずザルなKG守備と要所で反則を繰り返した立命守備。そしてファンブルを繰り返す両チーム。KG攻撃は、ランにおいては「それでもやっぱりカウンター命」であり、一昨年QB河野がこのスタジアムで何度も好ゲインを見せたQBカットバックを繰り出した。パスにおいても「やっぱりスローバック命」であった。(片側に3枚反対側に1枚の4WR時において必ずと言って良いほど、1枚のサイドにパスが飛んでいる。これはTVでも解説をされていたのだが、別に珍しい事ではない。2003年からずっとやっている事で、長居で河野がWR中島や多田に決めたパスは殆どがそうだった。)その意味でこの投機的な攻撃においても、どこかで石橋を叩いてしまう部分が見られて面白い。立命は予定通り松森のランが出て、パスも予想通り通っていた。QBが多少、度胸一発でプレーできた分は想定外だったが概ね普通にプレーできた。
ラッシュは逆に命取りとばかりに、ひたすら浮きつづけたKGの守備フロントだが、結局普通に投げられてしまい後ろで網を張る意味が薄れてしまった。後半頻発した立命守備の反則も、一昔を思わせるその発生タイミングと内容で頂けない。どちらかのチームが素晴らしい準備をしたとか、素晴らしいパフォーマンスであったというシーンは見られなかった。リーグ優勝を決める試合というには、期待外れの展開であったし、失望も憶えた。逆に言うと、それだけ双方の差が少なくなっているという事の証左なのかもしれないが。KGは最大であと2試合できる可能性があるのだが、甲子園では今年のベストパフォーマンスを見せていただきたいものである。現時点では多少バランスは良くはなったものの、それでも斑模様のKGブルーの域は脱していないのだから。
2006年12月14日 (木) 監督に決めたトラッププレー その2
近年の戦い振りから常々思っていたその問題と、なかなか精神面での充実を感じさせない今季のプレーぶりを気にしながら、ここまで試合を見ていた。そして最後の試合が終わった時、文頭の光景を目にした。最初に見た時は、試合前にそんな事よく思いついたな。そんな事考えて打ち合わせするぐらいなら、プレーの一つでも練ったらどうだ?誰の発案か知らないが、皆、よく反対しなかったな。まさか合宿で歌の練習などしていまいな?とも思ったが、冷静に考えると「よくそんな心の余裕があったな」と非常に感心した。そもそも、勝って泣き負けて泣くはずのあの連中が、だ。全勝優勝、しかも5年ぶりの優勝を賭けた試合、それも最強の敵を前にして、そこまで「精神的な余裕」を持つ気になれたのだなぁ、と。これは歴代の先輩方すらなしえなかった前代未聞の事なのではないだろうか。
さて試合のテレビ中継の中で立命:古橋監督のコメントが紹介されていた件。なんでもご本人はペップトークが上手なそうで、ついつい選手の魂に火をつけてしまうらしく、曰く「一昨年は気合を入れすぎて選手が固くなった。今年はそれを考慮した。」との事。ベンチのレポートも「試合前からリラックスムード」という内容だったと思う。事実主将は試合前の新聞で「関学戦だからといって特別なことはしない」と述べている。あくまでリーグ戦の1試合として取り組むという意向はチーム内に十分伝わっていたようだ。しかし残念ながら結果だけ取り上げると「一昨年は気合を入れすぎで敗れ、今年は気合が足りずに自滅した」という表現になってしまう。そして試合翌日の新聞ではエースランナーの「相手を舐めていた」旨のコメントが紹介された。非難されるべきコメントではない。連覇しているのだから舐めるなという方が無理があるのだ。少なくとも今年のKGを見ていれば油断してもある種当然。さらに言えば、油断してても勝つなら、誰かが「油断するな」と注意する必要すら無いのだ。しかし実際は、残念ながら「精神的な余裕」と「平常心」と「油断」とは、紙一重だ、と結論づけざるを得ない。
古橋監督自身がそもそも「過剰なライバルリーを排除し、スポーツには、あくまでスポーツとして取り組むべき」という主張をお持ちである。よって必要以上に精神的に追い込む事は良しとされない。その行為が「フィールドでの緊張につながりベストパフォーマンスを出せない可能性がある」という極めて科学的な発想からだと推察するが、ではこの難解なハートの問題に今後はどう対応されるのかが気になる。来年のこのカードでは「気合を入れる」のだろうか、それとも適度に抜かれるのだろうか。そして何より、来年のこのカードを如何なる場所に位置付け、どのような精神状態にして選手をフィールドに送り出すのだろうか。準備段階から「あくまで1/Nの試合」であるというスタンスは崩さないのだろうか。元々、特定の試合に全てを賭けてぶつけるというチームではない。この試合だけは、見違えるような出来の良さや、膨大な準備を感じさせる という事が非常に少ないチームだ(何も準備しないという意味ではない)。裏を返せば「何時も同じように闘って、同じように勝つ。相手が何処であっても」つまり「全ての試合があくまで1/Nの試合だ」という世界を目指している訳だ。事実シーズン中にピークを敢えて作らない分、底もなければピークも無い安定した試合運びを見せている。一方で劣勢予想されること自体がそもそも少ないのであるが、その予想を覆しての勝利は殆ど無い。これはある種の王道を目指すスタイルであり、一方のKGは挑戦者に相当すると言えると思う。これは1強時代から2強時代を経たチームが大一番を定めやすかったKGと、下位から力をつけて強くなっていく過程で気がつけば特別に思える試合を無くしてしまう事が出来た立命の違いなのだろうか。現在KGはリーグ戦が大一番だらけになるという問題を抱え、立命は逆に大一番への対応を検討せざるを得なくなっているという状況に見える。
2006年12月14日 (木) 監督に決めたトラッププレー その1
試合が終わりエールの交換も済んだ後、メインスタンド側では前代未聞のトラッププレーが見られた。なんとも微笑ましい光景だった。そして深夜、TV中継で立命監督のあるコメントが紹介された際に、ふとその光景を思い出しながら感慨深くそれを聞いた。
連勝が止まったとき、連覇がとまったとき、そして連覇を止めたとき。チームが転換期を迎える度に思考錯誤を繰り返し、徐々に身につけていった事がある。それは
「油断していた訳では無いが舐めていたのかもしれない。万全を期したつもりだが不十分だったのかもしれない。では今後どうしたら良いのか。」という問題に対する回答だ。
このKGファイターズというチームが連勝と連敗を繰り返すことによってのみ、身につける事が出来た、その「回答=フィロソフィー」は、「ここ一番の大勝負向けて徹底的に準備し、強烈な闘争心をもって試合に臨む」という事だった。おそらく関西で敵無しの時代には、そのようなモノはまだ今のような形にはなっていなかったのではないろうかと思う。失礼な言い方だが、京大に初めて負けた時であっても、それでもまだ「本気」になっていなかったのではないだろうかと思えるのだ(それは止むを得ない事だと思う。)決してサイズに恵まれた訳でもなく、アスリート揃いではないこのチーム。強敵に伍するには高い理解度と最新の戦術をもって対抗するしかない。その為にチームは膨大な準備を重ねる必要がある。そしてこの終わりの無い絶望的な事前作業繰り返し、且つ練り上げたプランを本番で確実に実践する為にはチーム全体が狂気とも言えるゾーンに踏み込まざるを得ない。この「恐怖を克服するには自らが云々」とも言うべき思考で、自らを追い込む事の過酷さは、試合の前から号泣し、又、勝利した直後に立ち上がれない程号泣するあの光景から窺い知れる。
天国を知り且つ地獄を知った者だけしか知りえない世界で見つけたこの回答は、このチームが長年にわたって栄光と挫折を繰り返す事によって加速度的に強化されていった。否、エスカレートしていったと言ってもいい。そしてその結果は、このチームの「大一番での無類の強さ」となって現れる。特に不利を予想された勝負にける劇的な勝利や奇跡的な同点劇の数は特筆すべきである。また敗れたとしても予想を大いに裏切る大健闘に
終わった試合が多々ある。劇的な試合、感動的な試合を国内で最も多く演じたのは間違いなくこのチームであろう。(それが多くのファンを引き付けてやまない最大の魅力なのだと思う。)
しかし、この「異常なまでの準備と闘志」は時としてマイナスにも作用する事があるのも事実だ。自信が過信となり硬直性を強めた結果、試合中での柔軟性を欠く事がある。その為、予想外の苦戦を強いられる事や、予想だにしない敗戦を喫する事もあった。また、時として「やりすぎ」とも言える膨大で且つ緻密な準備を遂行する上で、チームにとって明らかなオーバーワークとなる事もあったはずだ。そしてこれは近年は、別の問題も誘発させているように思う。以前のように大一番が年に2回程度であればともかくだが、最近はリーグのレベルアップが著しく、大一番とその他の試合のGAPが少なくなってきている。昔ほど、大一番に没頭できない状況は裏を返せば複数の試合が大一番化しているとも言える。ゆえに現在のチームにかかる負荷そのものは過去と比較してかなり大きくなっているはずだ。この負荷を軽減させるべくスタッフの増員、分担を進めているのであるがワークロード配分はこれである程度は解消はされるのだろう(これはこれで別の課題があるのだがそれは別途)。しかし一方の精神的な負荷には、どう対応すれば良いのだろうか?。大試合の都度追い込んで精神的に疲弊しないのだろうか。精神的に切れてしまわないのだろうか。大一番の狭間の試合では反動から集中力を欠く結果にならないか...。
2006年11月23日 (木) 関立戦 その2
その意味で攻撃がどのような準備をするかに注目だ。今年はTE投入のプレーが多く、ランプレーの安定感は出はじめている。SGからのゾーンパワーやブラストなど2バックSGからバリエーションに期待したい。それこそかつて前島が見せたカウンタートレイ、加藤のパワーオフタックルである。
試合開始から、両チームとも点を取り合うか、両チームとも攻撃が沈黙するか、片方のチームが一方的に得点を重ねるか のいずれかである。ハイスコアの殴り合いか、ロースコアの我慢合戦かはともかく「競り合って僅差で勝つ」。もしくは「一方的なタコ殴りで勝つ」この2パターンしかない。前半完敗、後半巻き返しの奇跡的な大逆転勝利はどちらのチームにとっても100%無い。その意味で前半終了時点で2本近く差がついている場合は、もう結果が見えたと言って良いだろう。個人的には(辟易するのだが)タマには派手なシューティングアウトも良いだろう。合計80点を越える殴り合いも久々に見てみたい。
この両チームの対戦以外、そんな試合の存在は許されないだろうしね。
2006年11月23日 (木) 関立戦 その1
フットボールの攻撃にオプションというものがある。ひところフットボール界を席捲した攻撃システムで、現在もこれを軸とした攻撃を構成しているチームが国内の大学には多々ある。攻撃の核には据えずとも要所で織り交ぜてくるチームもあり、強力な攻撃を作り上げる上で、この攻撃のエッセンを取得する事を避けて通れないシステムである。このオプションが登場した当初、対戦チームの守備陣は大変な目に遭わされたという。どのようにしたら止められるか全く分からなかったからである。何せ守備の反応に応じて攻撃が変化するのだから、仕掛けても効き目が無い。その仕掛けの思い切りが良くなればなる程傷口が広がる悪循環になり手の負えない結果となる。オプション攻撃を目の当たりにした対戦チームは、ストップ・ザ・オプションを最重要課題として取り組んだ。攻撃は徹底して盗み、守備はその攻撃を相手に必死で対策を考えた。近年でこそオプション守備が確立されており、攻守蹴のトータルで勝とうとする関西学生リーグ(及び関東の一部のチーム)ではオプションはチェンジペースとして、もしくはバリエーションの一種でコールされる程度になっている。しかし中にはいまだにオプションを止める方法を確立できていないチームが存在している。そんなチームがオプション攻撃に直面したら大変である。ズルズルとゲインを許し、最後には縦横無尽に走られ大量失点する。一頃、(最近でもそうなのかもしれないが)法政のフリーズオプションを相手に関東の殆どのチームが大量失点を繰り返していたが、あの状態である。そんな法政も甲子園ではオプションを押さえ込まれる展開となり早々に試合の趨勢が決まる事があった。止めるノウハウの有無によって試合の展開が大きく異なる。この事を(誰が言ったか知らないが)「オプションに逆転なし」という言葉で示す事が出来る。「オプションチームが逆転勝利することは無い」という事だ。つまり、最初に止められたら最後まで止められるし、最初にドライブできれば最後までドライブできる。従って勝ちパターンは最初から最後まで圧倒して終わるか、最初から最後まで競り合って結果的に勝つか、のいずれかしか存在しないのだ。
さて現在のショットガンチームとの対戦もこの図式が当てはまる。この最終戦はどちらもアスリートを揃えており、どちらも似たような攻撃をする両チームだ。止めるノウハウが確立されていない現在、双方とも攻撃は進みつづけるだろう。ただし点の取り合いにはなるが、双方とも自チームの攻撃を相手に守備が練習できる分、失点そのものは減る。よって取り合いにはなるが2〜3本の取り合いという、ここ数年のスコアと同程度の結果になるのではないか。展開上、両チームの攻撃陣は1シリーズも無駄に出来ないが、より無駄にしてはいけないのはKG攻撃だ。KG守備のセカンダリ陣は最後にどのレベルまでたどり着いているのか不明だが、ここ数年ではかなり状態が悪い。初手からロングゲインを続けて許すようでは全く勝機は無い。KGは守備の不安からある程度のドライブを許すだろう。仮に失点を回避できても悪いフィールドポジションを終始強いられる可能性は高い。キッキングゲームでどの程度挽回できるかが大きいが、ここは両チームとも大差は無いと思う。
やはり7:3から6:4でKGの分が悪いと考えるのが普通だろう。それを考えるとKGが勝つとしたら4本〜5本の取り合いで僅差で勝つパターンだけでしょう。
試合の終わった後、あのシリーズで3点でも得点しておけば。という「そんな試合」になるに違いない。キッキングの良し悪しと攻守のミス、反則が大きく試合の行方を左右するというピリピリした展開になるだろう。さてKGにとってポイントは立命地上戦の核、RB松森をLOS付近で捉えられるかどうかにかかっているが、現時点では決め手が無い。かつてKGは爆走RB樫野を徹底マークして勝利した事があったが、立命攻撃のレベルは当時と現在ではまるで違う。QB木下がラッシュに弱い一面を残すが、出場を控えている渋井の登場を考えるとたいした問題では無い。それと、両チームの「この試合用に準備したプレー、控えたバリエーション・選手の投入」を考えると、安定度の劣るKG守備陣のアジャスト能力がより問題になる。回答の無い攻撃を前にKGは全シリーズで失点する可能性があるのだから、攻撃は全シリーズ得点するぐらいでなければKGの勝機は無いと考えているが、いかがだろう。
2006年10月13日 (金) 関京戦を終えて4
(続き)打倒SGを期待した守備が結果的に焦点のぼけた、しかし最も効果的なものを採用せざるを得ない現在、最強の守備といえるボールコントロール攻撃に期待するところが大なのではあるが、次節以降の対SGチームの対戦でどのような展開をみせるのだろうか。まだまだやれる事が、特に攻撃では、あるように思える。

さてさて、結果として大差がついた試合だが、それでも流れを変えられるのではないかと思われたポイントはいくつかあった。例えば後半開始のKG守備。メンバーが一人足りない事に気づき慌ててTOを取る主将。KGはその4分後にTDを許し3点差に迫られた。左のロングストリークに絡みつきファンブルフォース。大ピンチを防ぎ攻撃権を奪取したシーンもあった。しかし流れは変わらなかった。
これは過去と比較して絶対的なものではなく相対的なものなのだとは思うが、辛抱強く耐え続ける力。好機に一気に逆襲に出る反発力。京大においては、それらの力がいずれも少しずつ落ちてきているように思う。他のチームでもそうなのだろうが京大はその力があることが勝利への大前提になるチームである。今年も昨年も、攻撃は攻撃で「え?これでもうカードは無いのか?」と感じた。大事な勝負どころが訪れた時にはカードを使い切っていたように見えた。守備も(理解しているつもりだが)「無難に終わらせた」と感じてしまった。全般的に攻守蹴ともリスクを回避しすぎのような気がしたのだが、いかがか。
ストロングポイントを前面に押し出さず、アベレージプラスで終わった守備。果たしてそれが正解なのだろうか。キッキングはリスクを回避するあまり無策に見えたのだが、それは「見えた」だけなのだろうか。劣勢を予想される部分においては、やはり挑戦するしか無いのではないか。すでに十分なリスクを負っているのかもしれないが、攻撃、守備、キッキング、いずれも挑戦「しきった」姿には見えなかった。攻守蹴を駆使し苦手な時間帯を最小限にし、僅差で勝利をモノにする巧みな試合運びをもう一度見せてもらいたい。もう、京大に失うものは無い。「本当に」失なうものは無いのだから。(終わり)
2006年10月13日 (金) 関京戦を終えて3
(続き)これを完璧に止めるには「プレー開始と同時にDBはWRをひっくり返し、RBに密着し、でもブロックで取られる事は無く、且つ逃がしてパスを決められることも無く、守備フロントは終始OLに完全に勝利しつづけ、OLを押しながらOLごとQBを捕らえ、又キャリーになったRBを潰す。」という形になる。フロントは圧迫しながら必要以上に入り込まない、でもブロックは受けないのだ。これらを実現するには、どう考えても守備の人数が足りない。そして事実上はこんな完璧な守備を実現する事は不可能だ。諸々存在する攻撃のプレーを検討し最もゲインされにくい、失点しにくい守備を考えて被害を最小限にするしか無い。そして、京大がそんな守備をする上では、強力なフロントは必ずしも必須ではなかったという事だろうか。もちろん最も危惧されたオープンへのランについては良く鍛えられていた。誰もが想像したKG#81のスイープに対しては「待ってました」の反応でゲインを抑えている。スクリーンに対する反応についてもこれ以上は責められない。少なくとも図面上では止まる形になっていた。タックルミスで即、ロングゲインになったのが悔やまれる。(それだけ守備では1対1の勝負が続いているという事の証でもある)。タックルミスが発生しているのは残念であったがその一方で、それでも随所で見られたハードヒットは出色であった。
肝心の勝敗を分けたキッキングゲームだが、この「完敗」はかなり問題だ。本来は京大が実現し、この部分では圧倒すべき事なのだがキッキングゲームでは見事にKGにしてやられた。自陣深くからのドライブを終始強いられ、得点を上げた以外はFGのチャンスも無かったといえる。高速リターナーを要するKGに対して勝負を回避するのは常套手段ではあるが、結果的に大きく陣地を挽回できずに終わっている。一方でKGの好パント、好カバーでドンドン押し込まれる。リターンにしても控えQB#10等はスピードは無いが終盤、好リターンを見せるなどしており、タレントとして問題があったようには思えない。3rdパントやダイレクトスナップが何時飛び出すか期待したのだが残念だ。カバーについてもリターンについても、もう一工夫無かったろうか。
期待した攻撃陣は高松、金、宮下のランによるゲインは予想を下回る結果となった。相手守備に最も警戒されるプレーなので狙われて当然なのではあるが問題はその後である。次善の策を取る事により攻撃陣のドライブ力を維持する工夫はどうだったろうか。前半終了間際、重爆TE#34へのロングポストが立て続けにSFの間に決まり、ゴール前へ。後半開始のドライブでも同様の展開で「わずか」4分でTDを奪った。戦前に期待した「KGはパス守備が弱い分京大はパス攻撃にも期待できる」という部分では見事に結果をだしている。逆に京都の得点が殆どパス主体のドライブになったのは予想できなかった事である。問題はここからである。それでもランをだしていかなければならない京大だったが、その京大がとったのが両TEローンバックである。京大流に言うとバックワン・ボースTE。ランブロックに秀で、パスターゲットとしても脅威のあるTEを揃え、且つ快速バックと昨リーディングラッシャーであるQBを据えた攻撃としては両TEは理想的ではある。しかしローンバック体型を生かしきったようには見えなかった。7人が並ぶフロントを生かしQBに確実にプレーをさせる。バックスを確実にオープンに回し、そのフェイクのパスを投じる狙いだったようだが、少なくともランにおいては迫力は低下したように思えた。スピードのあるRBのスピードを生かせずに終わったように思う。広いスペースでブロックに向かうとスピードでいなされ有効打を撃てないと見て、ボックスに守備を集めさせ当たり易くしたうえでの勝負に持ち込みたかったのでは?と思うが、守備フロントを割り切れなかった。これならツインIからQBがグルグル回るプレーやTBへのトスからのバリエーションの方が有効だったかもしれないと思えた。少なくとも機動力は十分でスプリントからのパスも昨年より向上したQBがいる。TB,FBとも一枚看板ながら優秀な人材が揃っている。フォーメーションを含めプレーバリエーションを拡大する事で、もう少しドライブできなかっただろうか。(続く)
2006年10月13日 (金) 関京戦を終えて2
(続き)そして後半開始わずか4分でTDを奪われる結果となった。この失点後のKG攻撃は非常に重要であったが、「見事に」3アウドアウトで終了している。そしてここでの3連続パス失敗は全てレシーバの責任である。ラインは仕事をしQBは捕球できる位置に投げ込む事に成功している。いずれか1本でも通ればダウン更新が狙えたパターンだった。幸い好パントで窮地を脱したが、この場面、一つ間違うと一気に京大に流れが傾く局面だったと言える。以後レシーバ陣は好プレーと不味いプレーが混在していく。好捕、好走も見られたが、ロングパスをキャッチしながらハードヒットを浴びファンブルロスト。重要な局面でのブロッキングの反則なども見られ、とても手放しで高い評価を与えられないと思う。このような事は無いと思うが、層の厚いポジションではムラがあり、層の薄いポジションでは集中力が上がっているように感じるのは辛すぎる評価だろうか。「こいつが居るから大丈夫」「この4人組ならどどのチームと比較しても負けはしない」と思わせる存在が。これらのポジションでは揃いにくいように思えるのだがいかがだろうか。約束された試合の数はあと4試合しかない。KGは残された時間でどこまで伸びる事ができるのだろうか。今回は短期間ながら合宿を行い集中して準備した結果である。大きく向上した部分を試合を通じて確認できた。これは評価すべき点である。その一方で、それでも一向に改善しきれずに試合を迎えた部分もあった。完璧を目指しても、これだけ穴があった。これだけ手間をかけても、まだ完璧にはならなかった。集中して臨んでいる筈なのに信じられないミスが出てきた。この事実を彼ら自身、どう受け取るのであろう。たまたまミスが重なっただけだと思うのか、痛恨の極みと恥じ入るのか。KGの4年生は今年勝ってようやく対京大戦の勝敗を五分に出来たのである。この試合の点差だけを見て快勝、圧倒とはよもや思うまいが、、、どうだろうか。
「今日、京大・立命に勝った奴、手を上げろ」「お前らの命は関学戦までだと思え」とは関京の指導者がかつて選手に向かって放った言葉である。「常に対戦相手を意識して日々取り組むことができるだろうか?」という問いかけである。KGが本当に一歩前に進んだかどうかの答えは次節の仕上がりを見れば確認できることだろう。まだらがより濃く、より均質にKGブルーに近づくのを期待している。

さて京大である。試合後、まずは昨年の京立戦後に得た感想に近いものを感じたのだが、昨年ほどの苛立ちは感じなかったのは、なぜだろうか。注目の京大守備は結果として予想を大きく下回るパフォーマンスに終わった。試合開始直後は様子を見ながらという姿勢かと感じたが、どうも違ったようだ。期待のフロント陣のプレッシャーはかからず。逆にKGOLに圧迫されるシーンが散見。予想通りだったのはレシーバをフリーにさせてしまうセカンダリーだろうか。別の表現をすると対SG守備としてベストと考えられるシステム、アライメントを採用する事を優先したが故に今年の京大守備の持ち味を殺してしまい、結果的に凡庸な守備に終わってしまったように見えた。昨年の立命戦においては、持ち味のフロントの圧力を生かさず、後ろで網を張る守備を用意した京大ベンチに疑問を呈したのだが、昨年より力強さを身につけた守備のもたらした今年のこの結果には「対SG守備としての決定的な対策が無い為、現時点で最もマシな方法を取らざるを得なかったのだろう」という理解をせざるを得ない。現時点では「残念ながら止むを得ない事かもしれない」という気持ちになった分、苛立ちが減ったと言うことだろうと自分で自分を分析している。パスに対しては4メンラッシュで圧迫できると予想したが、KGのプロテクションは概ね安定していた。大外からのラッシュは間に合わず、インサイドのチャージはQBのステップワークとピックアップで処理された。こうなるとセカンダリが弱い分、京大は厳しい結果となる。本来1対1で勝てなくても11人対11人で勝てばいいというスポーツなのだが、このSGは相手守備に「個々の勝負を強要する」攻撃である。4レシーバを出す以上マンツーで対応せざるを得ない。この段階で残りは7人対7人になる。そう考えると全ポジションで1対1で勝つしかないという話になる。逆にOLの合格ラインは明確で「5人で4人に打ち勝てば良い」となる。守備が5人以上で詰めれば奥に穴が開くので狙えばよい。同時にロスのリスクが増すが、サイド・中央のスクリーンプレーやトスプレー。オープンへのランなどで入り込ませない工夫をちりばめる。(続く)
2006年10月13日 (金) 関京戦を終えて
予想に反してスコア的には大差がつきKGの勝利に終わった関京戦であった。試合そのものの勝敗のポイントは至極明確で、KGサイドとしては1:攻守ラインが予想より機能した事。2:QBがベストパフォーマンスを発揮した事。そして何よりも3:キッキングゲームで優位に立てたこと。一方の京大のポイントとしては1:強力ラインズが持ち味を発揮できなかった事。2:結果的に淡白な攻撃に終わった事。3:キッキングゲームで敗北した事。につきる。期待された京大の攻守は爆発するに至らず、KGの攻撃の落ち着きとキッキングの奇跡的な出来が試合を方向付ける結果となった。まずKGである。一昨年であろうか、監督は当時の主将に対して「お前はまだ青色になってない。まだ水色や。」と言ったそうである。「チームとしてまだ不足している事がある」という点を指しての発言なのだろうが、たとえて言うなら今のKGは「水色のまだら模様」といったところであろうか。この試合を見た印象として「伸びつつある部分と明らかに出遅れている部分が混在している状態である」と感じたのだ。予想以上に出来の良かった部分。例えばQBである。三原に関しては過去のプレーと比較してもベストパフォーマンスであった事に異論は無い。パスの成功率は十分で、失敗したパスにしてもレシーバの問題と言い切れるものが複数存在した。前節の負傷から心配された自らのランについても終始積極性を感じたし、終盤ではかなり消耗している状況にもかかわらず果敢にキーパーに出るなど頼もしい。また雨でスナップが安定しない状況下でも辛抱強くプレーを続けた集中力は評価できる。何よりも自らの位置付けを十分認識していると感じたのはキーププレーの際である。無理はせず、ボールは両手で、且つ足元のタックルを回避する倒れこみである。終了間際の京大DBへのストライクボールを除けば終始冷静にプレーできたといえるだろう。次はそのQBの活躍を支えたOLのプロテクションだろう。前節で関大OLを4枚、場合によっては3枚でコントロールした京大守備フロントを相手に健闘し、プレーを遂行する上で十分機能したといえる。何よりランプレーをある程度出しつづける事ができたのは素晴らしい。今年は春季からTEを投入するケースが多く、リーグ戦開始後もTEを投入するSG(SGスプレッドでも言えばいいのか)の場合はインサイドのランプレー自体がまずまずのゲインをするようになっている。この試合ではSGを採用している事を差し引いてもラン、パスともに合格の出来で、少なくとも試合前に危惧した完敗の構図には全く至らなかった。なおプレーそのものも徐々に工夫されており、ラインの後ろについたモーションバックとRBがUB、TBのごとく並ぶ状態から開始するランプレーで試合前半効果的なゲインを奪うなど見せている。そしてこの試合で何よりも秀逸だったのはキッキングである。特にパンター、カバーチームは出色。ここ数年では最高の出来だろう。またリターンゲームでも本来の狙い程の効果は無かったろうが、リターナを中央とサイドラインに配置する特殊なフォーメーションを見せるなどして入念な準備も見せ付けるなど評価できる。これらは全て戦前予想したよりも遥かに上手く行ったし、能力的にも向上したといえる部分である。
さて一方でKGについて予想通り、もしくは予想以上にマズかったのは守備バックとレシーバである。ロングパスに対して下がりきれず、ランサポートにおいては上がりきれないセカンダリは依然として重症だろう。SF陣の中でランサポート能力の高い#13なのだが、パスに関しては下がり切れない場面が散見。TE#34へのパスは過去2試合で十分予想できた事である。1度ならず2度までも「完璧」に通されている。2度目など、SF2枚を含めたDB3枚が完璧に抜かれた所で決められている。残り時間とTOの有無を考えれば一気にエンドゾーンを狙ってくる可能性があるのは明確だ。さらに直後のスパイク後のプレーで京大の1年生レシーバのフェードに誰もついて行けていない。TDはパスで狙ってくるのはほぼ間違いない。フィールドポジションからマンカバーなのも当然。なぜフリーになるのか。結果は3点の失点に終わったが、プレーヤーは7失点と判断すべきだ。さらに、後半開始直後の守備が話にならない。京大レシーブで始まる後半である。幸運にも3失点で終わった前半を終えて、KG守備は気持ちを入れ替えて止めにいくのではないのか。それが京大攻撃のファーストプレーの開始直前にLBの交代メンバーが間に合わず全く無駄なTOの取得。以後はしばらくドタバタである。イージーなサイドラインへのパスをキャッチしたWRに対してタックルミスを連発し、一気にゲインを許すDB。そして全く同じパスをまたしても京大TEに通される。(続く)
2006年9月24日 (日) 関京戦その3
(続き)さて京大である。事故と事件は異なる。今回は明らかに事件。大いに反省し贖罪すべし。真相は詳細には把握できないが問題は問題として落とし前をつけなければならない。問題は、「試合に出る事も落とし前の一つである事」をどこまでチームが理解できているかである。私はおそらくかなり「出来ている」と考える。そう思える戦い振りだと思う。禊は済んではいないのである。色んな意味で皆が見ている。今年は仮に優勝してもかつてのように100%の賞賛は受けられないだろう。逆に惨敗を繰り返せば加速度的に悪評が増すだろう。前代未聞の事件の後、チームに残った者が考えた事とは何だろうか。そしてそれでも京大でフットボールをすると決めた1年生は何を考えたろうか。勝利をしても、努力をしても、何も得られない可能性がある中で彼らは何を考えたろうか。揶揄する訳では無いが練習試合のみで秋季開幕まで一切ベールの中と言うのはある種、究極の「死んだふり」である。(ちなみに調整不足は自業自得。相手にロクにスカウティングをさせなかったメリットと相殺である。処分としては重いとは思えない。)その「死んだふり」をしている間(否、彼らにとっては事実上の死であったと願いたいが)彼らにはじっくり考える時間があったはずである。フットボールのことを。自分達のことを。自分達を支えている人々の事を。自分達は何の為に此処にいるのかという事を。
皮肉な話だが、京大がもう一度、新しい一歩を踏み出すきっかけとなるのかもしれない。そしてこれも皮肉だが、フットボールの事を考えていない連中を今年の京大には是非粉砕してもらい、新しい時代にして欲しい。今、その意味で説得力を持つのが京都大学ギャングスターズだけだからである。優勝なんかどうでもいい。自分達が何者なのかを最後まで叫びつづけて欲しい。それを今年の京大の唯一の目標にして欲しいぐらいである。
2006年9月24日 (日) 関京戦その2
(続き)確かに(大産大と神戸の守備フロントを同じにしてはいけないのだが)多少ブロッキングの向上してきたKG攻撃だが、それでもエンドゾーンの手前まで進むとTDを取りきれずにFGになるケースがある。これを打開するのがQBのランである。特に第1節では両方TEウイングIから残り1ヤードを取りきれずギャンブルを失敗しており、続くシリーズでは同様のフィールドポジションからは、やむをえず三原が連続キャリーして乗り切らざるを得ない始末。KGのQBの調子次第ではドライブされてもTDを取られないで済むケースが出てくる。これは京大にとって好材料だ。もちろんKGのバックス陣のボールセキュリティの甘さも狙い目である。
また注目は京大の準備する対SG守備のメカニズムである。非常識なSGに対して常識的な守備では通用しないのでは?と考えていたが、ここは京大としては久々に非常識な程、強力にになった守備フロントに期待したい。5人のプロテクションには4DLでコントロール可能になるかどうかが鍵だ。スクリーンパスが頭越しに飛ぶので決して割って入るのではない。パスにおいては押してコントロールしOLごとCUPを一気に縮めたい。QBに時間を与えるとWRがフリーになるからスピードが重要だ。CUPからキャリアが漏れればLOSで叩く。QBのロール、スクランブルに対抗するLBを控えさせ、QBが流れれば同様に流れフラットゾーンのパスコースを切り、上がればLOSで抑える。要所でブリッツに入ってもいい。計算上まだ一枚残せる。ランにおいてはLOSで攻守ラインが互いに巻き込まれた状態になるのは回避したい。取られていなくてもキャリアに向かえなければ守備は負けだ。インサイドのランプレーではDLは少人数で壁に穴をあけた状態でLOSで死ぬ事が出来るかが鍵。特にDTやNT。おそらくパスにおいてはクイックパスとプレーアクション、特にブロッキングの動きからパスコースに出るパターン(TEやRB)で対抗するだろう。ランにおいてはトスやヒッチパスなどで本来の位置から左右にスライドした位置でOLが壁を形成するプレーで応じるはず。その対応さえ間違えなければ計算できる。OLの始動を見てTとTの間のプレーかアウトサイドの壁プレーか判断できるが、その為にはDLをアップライトさせる必要がある。スピード負け、当たり負けしなければ面白いが当然OLがカウンターステップで開始する事もあるので注意だ。色々書いたが、チョロチョロ動くOLをブチ倒して乗っかるか、早いタイミングで一気にキャリアを囲んでしまいプレーを崩してしまうという事だ。マンカバーは辛いがこれは止むを得ない事。もしかしたら旧セオリーの守備が、このSG時代に終止符を打つ事になるかもしれない。

京大有利とする理由をツラツラ挙げたが、単に能力的に噛みあうという事だけが理由ではない。もう一つ絶対的に違う部分を感じるからだ。
最近の選手はフットボールの事を考える時間が短くなっているのではないだろうかと思わせるシーンが少なくない。KGに限った事では無いかもしれないが、どう、そう思えるフシがある。能力が高いく割に何度も同じようにリターナーにタックルを外されるカバーチーム。PATの際にスナップが乱れ、やむを得ずサイドに流れたホルダーを見ても誰もパスキャッチをすべく同じサイドに流れて行こうとしない。金網持参でもそれを使って練習しないキッカー。密集に飛び込む際に元気良く腕を振ってファンブルするバックス。総じて甘いタックル。甘いタックルなのに「ボールに行け!」というサイドラインの檄。パックが先じゃないんですか?。こんなファンダメンタルの欠如したようなプレーをしていて、それでも「対戦相手との差はそんなに無い」と平然と言い切る選手がいるらしい。彼のメンタリティーを想像したときに「勝ちきる為の最後の努力の重さ」「それを実践する事の難しさ」を認識した上での発言とは残念ながら思えない。「あなた方が口では「目指す」といっている「優勝への道のり」は、想像を絶する程遠いのだよ。」と、年寄り連中はこぼさざるを得ないのです。「そんなに差は無い」と余裕顔で平然と言うよりも「圧倒的な差が存在する」と目をギラつかせて叫んで欲しいものです。意識が低いのだろうか。教えられていないのだろうか。(続く)
2006年9月24日 (日) 関京戦その1
今年の関京戦の戦前予想はズバリ6:4で京大である。とにかく今年は京大にとってプラスに「噛みあう」要素が多いからである。
今年も京大の課題とプランは明確で相変わらずだ。課題は(やっぱり)守備主導の得点力不足。攻撃ではパスが守備でもパスが課題。プランとしては「攻撃は時間消費を目的とするドライブを続ける。キッキングで相手を押し込め、自らは好フィールドポジションを維持。守備はドライブされても時間を使わせFGは蹴られてもエンドゾーンは死守。随所のハードヒットでチャンスを呼ぶ。」というここ6〜7年間、対KG、対立命戦では不変のものだ。近年は守備が力負け、否スピード負けするケースが散見されたが今年は違う。少なくとも関京戦では違うだろう。それは「攻守ラインの充実」という極めて「フットボールフットボール」した要素が充実しているからである。
「軽量でスピード重視のDLとメンバーを固定できないLBによる不安定な守備フロントと人数だけいるがベストメンバーが分からないDB」から構成されるKG守備に対しては、宰相君をして「まさに先祖がえり」と言わしめた超大型OLで京大は対抗する。第2節では大産大攻撃のブロッカを集めた果敢なランプレーに何度もダウン更新を許したこのKG守備はランストップの能力が高いとはまず思えない。大産大よりはるかにタテ押しの迫力のある京大OLのブロックをいなす事は難しいだろう。関大の守備ラインを圧倒しTBがOLに追いつく頃には既に5Y前に出ている様子を見れば納得だろう。ライン、バックスとも最後まで良く走っている。さらに京大にとってはKGのパス守備は決して堅くないという好材料もある。第1節の神戸戦でルーキーWR大園に翻弄されたのは例外的と言ってもいいが、その他のレシーバにも結構通されている。もっと問題なのはDBのラン守備への参加が決してスムーズでは無い点である。つまり京大は「フロントで勝利できるのでランでコンスタントにゲイン。やむを得ずDBが上がったところでラクにパスを通せる」となる。京大のドライブは、この力関係、この勝敗の構造であるかぎり簡単には止められないのだ。
次に鍵を握るのはキッキングである。京大にとってキック、パントのリターンで試合のどこかでチャンスを作りたい。ここも噛みあう。KGのカバーチームは依然として未整備のままである。第2節では何度も大産大のリターンナーに大きく返されており、フィールド中央付近からの攻撃開始を複数回許している。特に最初にリターナーに飛び込む者が殆ど機能しておらず、気がつけば皆、犬追いになっている。(終盤こそビシビシ止めたが交代要員の乏しかった大産大とフレッシュなメンバーが随時現れたKGで比較してはいけない。)またFGやPATのキックにおいても不安が残る。ロングスナップが安定しない。ホルダーももう一つ。キッカーもとんでもない大外しをする事がありベストではない。酷いのはプロテクションで大外から常時入り込まれている。もちろんKGにはリターナーでは#81,#91,#85という飛び道具トリオが居るのでリターンゲームは互角かもしれないが、京大にとってKGのPATキックやFGを失敗に終わらせる可能性が高い分は期待が出来る。
最後は注目のKG攻撃対京大守備である。残念ながらQBに投げさせると京大守備は厳しい。しかしここにも光明がある。QBの状態である。第2節ではロールからGOした際に足を負傷した三原は大事をとって2Qから交代。登場したのはサードQBの幸田。セカンドQBはスタイルせず。おそらく京大戦は三原がスタートと推察されるが、セカンドQBの加納が準備できないとなると忽ち状況が一変する。強力なDLで圧迫する京大は序盤からQBに徹底してラッシュする可能性が高い。4メンラッシュでQBを圧迫できる力が今年の京大DLにはあるのだから対スクランブル要員を準備できる。昨年決め撃ちQBドローを読みながら何度もスピード負けしたLBもハードヒットでQBを襲うだろう。三原がサイドラインに下がれば、たちまち試合経験の乏しいサードQBを出さざるを得ない。裏を返せば三原を壊したくないKGは第2節同様QBの走るプレーは減らしたくなる。これは実は致命的である。(続く)
2006年9月1日 (金) 開幕
この週末から開幕です。

猫も杓子もショットガンを採用する時代は80年代初頭以来でしょうか。それもこれも、この攻撃を止める手法が確立していないからでしょう。
先日ルパぞうくんと会話した際にも、何とか止められないものかと考えたのですがトテモトテモ思いつきません。これまでの常識にのっとって考えていては止まらない攻撃なのですから、非常識な発想の守備で対応するしか無いのでしょうね。
例えば
「一列目で勝利する事が第一」これが厳密には当てはまらない段階で非常識です。「OLを割れたら、我先にQBにラッシュし追いまわせ」こんな事をしていては、たちまちスクリーンパス状態で一気にゲインを許します。かと言ってディフェンダが浮いていては一斉にブロックを浴びます。一列目は勝利する事。でもむやみにラッシュしない。ただしOLに押されて他所へ退かされる事は厳禁。踏みとどまってOLともども瓦礫の山になり走路を潰してしまうのが目的。これを少人数で実現する必要があるのでDLは本当に大変です。かといってQBにプレッシャーは与えつづけなければならず、でもラッシュが振り切られると一転スクランブルで大ピンチ。これについての対策も必要でしょう。

「一人で駄目なら二人がかり」「角度とコンビネーションで同数でも優位に」などというフットボールならではの要素が通用せず、個人対個人の対決だけを強調し、このポイントで勝利すれば確実に勝てるというフットボールに正直興味は薄いのですが、これも一応フットボールです。

今年は上位も中位もなくグシャグシャな展開になるのではないでしょうか。
大ショットガン対戦大会の中で何かしら答えが出てきそうな気がします。
無敵の攻撃など存在しないのですから。
そして肝心のKGは昨年以上に厳しい試合を強いられるでしょう。

第一節を終えてから、少し文章を書いてみようと思っています。
正直、KGの本格的な復活にはかなりの量の課題をこなさなければならないと感じています。
優勝するのには過去に無い程、困難な状況だという事だけは残念ながら事実です。
2006年8月5日 (土) 追悼 篠竹幹夫さん
篠竹幹夫さんが亡くなられた。

最後に姿を見たのは西球で行われたKGとの定期戦だったろうか。前半をKGサイドで見た我々だが、宰相君の「後半は日大サイドで見よう」という意見に即、同意したのを記憶している。試合直後に選手に飛ばした「死んだっていいじゃねぇか男だったら」という檄。関係者に「こんな日大じゃなかったんだ」と力説する姿。
そして、ふらりと現れた武田先生を相手に、たちまち相好を崩す様を見て生シャンソンを聞いた夜の事を思い出した。(生シャンソン@赤坂については鎧球バカ一代を参照)

どうも日本人には(というと大上段すぎるが)極端から極端に走る奴がおおい。熟考せずに一般的に支持を多く得られる意見に流されやすい。たとえば「古いものは良くない。時代遅れ。老害。晩節を汚す云々」。同時に一方からこれを評価、擁護する向きが現れれば、これまたロクに見向きもせず「懐古主義、ノスタル爺には付き合えない云々」と嫌悪する。本当におめでたい。

 今日日の日本人は何でも早ければ良いと思っている。熟慮=遅い=臆病=バカ。考えずに断行=早
 い=勇敢=聡明。前者は多様性を生みますが、後者は単純化を進めます。私は二元論は、こんな時
 代だからこそ嫌っています。AかBか?。フン、バカバカしい。その間は無いのか。CやDは無い
 のか。なぜ無いと言える?極めて表層的で何も生み出さない世界観だ。そして無責任だ。そんなモ
 ノは通りすがりのいっちょかみに任せておけばいい。物事に対して深くかかわらない、関わりたく
 ない腰抜けなど放置しておけばいいのです。

そんな奴らにとっては絶好の標的である氏であるが.....
そんな氏の事をもう一度評価する事は出来ないだろうか。

さて、もう20年以上も前に武田先生が著書の中で篠竹氏は「古い日本の代表かもしれない」と書かれていた。
氏の諸々話を聞けば聞くほど、確かに「古い」し「近代的ではない」事が明確に分かる。しかし同時に、そのひと言で済ませられない存在の重みが伝わってくるのである。確かに指導方法を始めとしてチーム運営から何から諸々問題はあったであろう。当然、人によっては今でも許しがたい事実も存在しているだろう。中には昔は問題にならなかった事もあった訳だが、それでも問題になった段階で問題として認めるべきなのは当然である。しかし、それを無理矢理別の問題だとしてでも、どうしても彼を評価せざるを得ない部分というのは存在するのである。

殆ど何も無いところからフットボールを始める事ができますか?。

あの時代、あの環境では、ああゆう形で進めるしかなかったのではないだろうか。ああいう組織にせざるを得なかったのではないだろうか。
確かに他に選択肢は存在した。事実全く違う組織、文化を持つ強豪チームは存在した。でも氏の選択は本当に許されないものだったのだろうか。あの時代だから許されたという論もあるだろう。しかし話半分だとしても、又、仮にその裏に極めて悪意に満ちた確信があったとしても、あそこまでマイナースポーツに人生を賭ける事ができるだろうか。全人格をかけてフットボールに向き合えるものだろうか。そして結果を出しつづけられるものだろうか。

氏が現場を離れてからもう何年もたっている。チームも生まれ変わった。いまや若いファンの中には篠竹・日大を知らない人が圧倒的に多いだろう。甲子園から遠ざかってから見始めた人にとっては、文章でしか知らないチーム。場合によっては、残念ながら氏をただのお笑いキャラクター、ただの風変わりな監督として認識している人もいる。時代の流れなのでやむを得ない部分はあるのだが、今一度、踏みとどまって氏の事を見直して欲しいものです。

甲子園での最後の対KG戦となった1989年の試合後のコメント。
「2軍、3軍相手に大勝しても意味が無い」
「相手のショットガンはさび付いていたようだ」
「東高西低(東高最低)だな」
今日日、こんなコメントする監督はいませんよ。これが「鬼の篠竹」の篠竹節。憎さも相まってシナチクと呼ぶ者も多数いました。当時は本当に憎かったのです。日大が。篠竹が。

そして数年後、自分がフットボールバカになった瞬間、氏のバカさが良くわかりました。

そして私はバカが大好きだという事も発見したのです。

フットボール黎明期に夜汽車に乗って遠く滋賀県まで無償でフットボールを教えに行った氏も、人を人とも思わぬ鬼監督も、赤坂で常連客を大いに楽しませるサービス精神旺盛な先生も、皆、篠竹幹夫だったのです。

こんな一億総小賢い気持ち悪い時代だからこそ、こういう人を再評価すべきではないでしょうか。

寂しくなります。
2006年6月26日 (月) EXPO FLASH FIELD
久々の観戦は新しい専用球技場所となりました。

西スタ、西球を一度に失った際に散々恨みつらみを吐いた貴方。
王子はスタンドが古いだの見にくいだの文句を言った貴方。これでもうチャラにしてくださいな。
これだけ短期間に新たに2つのスタジアムをナイター設備も含めて整備したのは驚異的ですよ。こりゃ簡単にできる事ではないですぜ。
(そういやぁ本件は某新聞のスポーツ面にデカデカと載りましたよね。)

「なんか、懐かしい雰囲気だよなぁ〜」と宰相君もご満悦です。
何が懐かしいって、西球そっくりなんですよ。
ゲートの位置、売店の場所。スタンドの段数は少し少ないかな。

この「春の終わりの試合」は本来は勝敗が重要なのですが、この試合は対象外。今年のKGの出来を考えると勝敗は結構どうでも良くて、単純に良いところを探す行為に没頭せざるを得ません。まあ素直に試合を楽しもうという事です。それに日中は暑くても日が傾くと大変涼しくなる。ついつい寝そべる人も出てきます。
風に吹かれながら本部棟とともに西日に染まるメインスタンドの様子を見ていると、「そういうセリフ」も出てきます。

大王「後はサクラの木を植えるだけだな。」
DD「すみっこに申し訳程度に雑草植えなきゃイケマセン」
宰相「当番校が水まかなきゃ」
DD「西球はシャワーが綺麗でよかったですよね」
大王「しかしここのトイレ綺麗なんだけど便器多過ぎだよ(笑)」

試合の方はフィーバー状態の77対7。
KGの評価はスタジアムオープンのご祝儀も含めてDD55点、宰相70点、大王60点。まだまだ時間がかかりそうです。

....しかしEXPO FLASH FIELDは何と略すんだろう。
万博?フラフィー?エキスポ?
2006年4月30日 (日) KG VS 日体大戦
1Q KG 加納−徳井 49Y TD PASS
      右→左アクロスからWR好ブロックあり独走。
1Q KG 萬代 RTD
2Q KG 加納−太田 50Y TD PASS
      右ロングポスト独走。SFの裏へ。
2Q 日体 38Y FG
      パントフェイク含めて3連続ダウン更新の後。
2Q KG 三原 30Y TD RUN
      右スクランブルに出ると独走。ブロックを生かして。
3Q KG 加納−藤本 30Y TD PASS
      ロングポストから独走。岸へ30Yポストで自陣深くを乗り切った後。
3Q KG 石田12Y TD RUN
      インターセプトで敵陣30Yから。加納、川村とランでつないだ後。
3Q KG 三原−徳井 10Y TD PASS
      右スラントをジャンピングキャッチ。今日多用の両TEのSGから。
4Q KG 三原−榊原 25Y TD PASS
      右ロングポストでSFの裏へ。エンドゾーンで前方宙返りキャッチ。
4Q KG 三原−榊原 45Y TD PASS
      ダウン更新狙いの左アウトが独走に。
4Q KG FG TRY
      QB幸田自陣1Yから美田へのポスト、榊原へのコーナー、美田へのポストとつないでFGへ。

ひとこと:日体守備がまずく手放しで喜べない。RB陣は整備されてきつつある。両TEローンバックアンドツインのSGを多用。ここからランではRBとの2WAYオプション、RBカウンター。パスプロが持つのでパスは楽。スクランブルも出やすい。攻撃はラインを強化していかないと攻撃バランスの悪さから勝負どころで得点力が半減するのは間違いない。今日はTEをつけたプレーが目立ったが、この辺りのマイナーチェンジの成否がかなり重要だと考える。なお一発TDが多く課題のゴール前攻撃は確認できず。ちなみに日体QB#16は機動力あり、ロールからのパス、スローバックパスも上手くオプションもこなすがゲインは散発。それでもIからのブラストとロールのパス、ロールキープなどでFGに繋がるドライブを見せた。ただし途中で負傷。日体の守備は上がりすぎなのかSFが裏を取られすぎ。
2006年4月18日 (火) 春
先日KGの新フィールドを見てきました(新グラウンドと呼ぶとややこしいので呼ばない)。
片側しかないですが土手の角度が良くて観戦にも向きそうです。反対側は、すぐ壁なので怖くないかなぁなどと心配したりして。
土のグラウンドでも日本一になれるんだから良いフィールドなら世界一にならにゃいかんよ。

ついでに啓明とKGHの合同練習も見学。啓明はサイズのある選手もいるのですが技術面ではこれからのチーム。来年以降は面白くなりそうです。
土のグラウンドで大学公式野球部、大学アメリカン、高校アメリカン、高校硬式野球部が同時に練習するという凄い光景を久々に見ました。

もうすぐ5月ですなぁ。
2005年11月9日 (水) 立命VS京大観戦記掲載しました
秋季観戦記を掲載しました。

関関戦は割愛しますが、思いのほか磐石でないKGのQB3人衆と関大攻撃にもう一枚駒があれば...といったところでしょうか。

次節は関京戦ですが出原がフル回転できればKG勝利。できなければ接戦の可能性が出てきます。今後のキーの一つはKGのセカンドQBですが、「現時点では#9三原が上」とは宰相君の談。確かに春季よりも格段に良い。特にパスが安定してきた。フォームをいじったかな?。試合経験を積めば十分活躍可能。#3加納は大いに悩んでいただきたい。リリースを三原並にスピードアップできれば問題無いのだが。一方の守備ではセカンダリのエースの後退がどうでるか。若手CBを投入せざるを得ないが、どこまで辛抱できるかですな。

気がつけば大一番。あわただしい一年です。
最近、観戦記を記載するHPが減っていますが、王国はマイペースでいきます。

今後ともよろしくお願い致します。
2005年10月2日 (日) 今季の観戦
すっかり更新がご無沙汰ですが、私事が重なって極端に観戦数がへりそうです
(ここまでKGの試合を2試合見た程度)。
記録についてはどこかのタイミングでまとめて掲載する予定です。
2005年6月1日 (水) NationalFoundingDay
98年建国の王国もダラダラと21世紀を迎えダラダラと続いています。
建国のあの日から幾年月。スタッフも(みんな)年をとったり、(一部を除いて)体が弱くなったり、(みんな)エラくなったり、(みんな)社会人として駄目になったり、(仕事はめちゃめちゃ)忙しくなったり、実は大きく変化しています。
あー、あの時、宰相をさそってファミレスに行くんじゃなかったなぁとか、西球でルパぞう君と会ったのが輪をかけてマズかったとか、Y姐さんはこんな人じゃなかったのにとか、色んな事を思い出しますが、初心は思い出せません(笑)。

まーボチボチ行きますので、今後ともよろしくご支援の程、お願い申し上げます。
2005年5月7日 (土) 新しい人たちへのエール
まー暖かい目で見守りましょう。正直言って、期待しているのです。
王宮=>その他 から入れますです。
2005年5月1日 (日) 近々UPしますが
まー、簡単に言うとリーグの発展は「孤高の存在が引っ張る」だけでは息切れをしかねない。なもんで、これを支えるのには別の要素が必要。それがライバルリーだっちゅう事。追われるほうは気を抜けなくなり、追う方は諦めずに追いかける事ができる。この状態が続くと最終的に複数の強豪が競争してリーグを牽引する形になる。それが成功モデルの一つである関西の状況だ。DIV.1に這い上がりたい金沢や関東に一杯食わせたい東北は強豪に愚直に挑む挑戦者魂が原動力。最初の一歩はこれなのだろう。そして次のフェーズではこれがライバルリーに昇格する。勝って泣き負けて泣く関西学生リーグが失速しないのは、このライバルリーが原動力として追加されるからだ。
で、この事例を関東に当てはめられないか?この発展のしかたが出来るように環境を整えられないか?丸々真似は難しいだろうが、なんとか出来るんじゃねーの?俺は出来ると思うが、肝心の関東にはこういう議論や考察ができる奴が存在しない。そうこうするうちに、この辺に気がついてやり出してる当事者が出てきてるみたいだ。となると、言い訳ばっかりしてこの辺のギロンがまともに出来なかった奴らの存在意義って何よ?ネット上やマスコミでエラそうに言いながら、全く踏み込めなかった外野連中は不要なんじゃねーの?考え方を改めようぜ。

という話なんですわ。
2005年5月1日 (日) 春の観戦記を掲載しました
球技場にUPしました。関西大VS法政、KGVS日大戦です。
宰相君のリハビリが開始されました。長い目で見守ってください。
2005年4月21日 (木) 再起動中
今週末から開幕です。宰相君は開幕して2週たってますが。

近々、文章をUPの予定です。
観戦記云々では無いので、期待しないで下さい。
最近、頭に来る事があったので、チーとばかし吼えてやろうかと(にやり)。
2004年11月13日 (土) 第五節観戦記掲載
立命VSKG戦の観戦記を掲載しました。
申し訳ございませんが他の試合まで手が回りません。いわんや関京戦予想おや。


今年の関京戦って何気にナイスゲームになりそうな気がする。
昨年の立命戦においてKGが見せた意地のようなものを京都が見せられるのか非常に興味がある。
京大は昨年の関立戦を見た後、どういう感想をもっただろうか?
勝っても負けても優勝とは関係の無い試合で、どこまで取り組む事ができるのか?

KGは、今の京大と同じ条件のもと、昨年の立命戦で立派に「見せてくれた」。
京大はそれに負けない何かを今年、見せてくれるのだろうか?
2004年10月29日 (金) そうそう迎賓館も稼動させます
安直なゲストブックですが稼動しました。
だれか運用全般を請け負ってもらえないものでしょうか?
2004年10月29日 (金) 第五節 立命VSKG戦 展開予想掲載しました
ううむ、よくわからないままに掲載しました。
去年は名勝負でしたが、今年は去年ほど美しいゲームになるかどうか不明です。
だんだんフットボールらしい試合ではなくなってくるような気がするなぁ。
2004年10月11日 (月) 第三節観戦記掲載しました
第三節の観戦記を掲載しました。
URLが変更になりますのでご注意ください。
しかし、まーgeoの案内は不親切このうえないです。