王立球技場


2004年第二節観戦記


宰相雑感


9月20日(月)At宝が池

第2試合 京都大学vs龍谷大学

・見た目は接戦、内容は京大のお勉強。                 
・京大ディフェンスはビックリするぐらいリードディフェンスのカバー2に 
 固執。パスに対しても4メンラッシュにほぼ限定し、ほとんどプレッシャ 
 ーを与えなかった(4Qまでは手も挙げず)              
・結果的に3TD+1FGを奪われているが、17点までは京大は覚悟(と 
 いうか、リスク計上)していたように思われる。4Qのロングパス一発は 
 確かに余分だったが、龍谷が逆転出来る気配は無かった。        
・ただし京大のパスカバーについてはお世辞にも向上しているとは言いがた 
 いのでは。やはり京大パスディフェンスの基本はフロントでの強力なパス 
 ラッシュがキーになりそう。                     
・京大オフェンスの餌撒きは相変わらずえげつない(苦笑)        
・3Qのロングパスも嫌になるほど前半に餌を撒きつづけた結果だろう。  
・ランプレーについても、4Qに入るまでは京大らしからぬゾーンプレーを 
 多用、池上もほとんどブラスト系のプレーのみ。得意のドローは4Qに入 
 るまで封印。                            
・龍谷 QB#19佐藤の能力の高さは認めるが、やはりレシーバーがイン 
 サイドに入ってくるパターンでは腕が縮んでいる。           
・インターフェアをアピールするのは良いが、まずボールを取りに行くのが 
 先決。ボールに行こうとせずにアピールだけしても審判は認めてくれない。
・フィールド内には原則として選手以外は入れないルールのはず。たとえタ 
 イムアウトとはいえコーチ陣がづかづかフィールドに入るのはいかがか。 
・全体に龍谷はテンションは高いがモラルは低いか?。昔はもう少しマシだ 
 ったはずだが、残念。やはり朱に交わったか?それとも類友?      
・ところで、装具の不備によるバイオレーションタイムアウトの施行って、 
 従来2回目の警告で発効してたのが、今年はいきなり1回目で施行される 
 ようになっているみたいなんだが、ルール改訂あったっけ?       
・全体的にみて、予定調和的に流れた試合だった印象が残っている。    



9月20日(月)At宝が池

第1試合 立命館大学vs神戸大学

・立命館は神戸オフェンスの組立ミスに救われた感じ。          
・今朝の新聞に神大のHCの「これが地力の差か」といったコメントが載  
 っていたが、「地力の差」で済ましてしまうようでは、申し訳ないが今  
 後も神大が立命館に勝てる見込みは無いだろう。            
・神大ディフェンスはほぼ完璧な出来。フロントのパワーによるペネトレ  
 ート、DB陣のタイトなパスカバーとも見事だった。          
・逆に立命館OL陣のパワー不足は深刻。QBはほとんどのパスプレーで  
 神大フロントのにプレッシャーを受けていたし、ランプレーもほぼ完封  
 に近い状況に追い込まれていた。                   
 特に2度に渡るゴール前でのパワープレイ(トゥルーIからの展開)で、 
 共にランでエンドゾーンを割れなかったシーンが象徴的(結果的にパス  
 でTDを挙げたので目立ってはいないが)               
・神大ディフェンスの注目株はDB#21とLB#5(#25矢野川がオ  
 ール関西クラスなのは1年の時から知っているので除外)        
 #21は木下をタイトにマークできるだけの能力がある。#5はこれま  
 での神大LBのエースとはちょっと異質。これまでの神大LBのエース  
 は、大概縦の突破力でQBバックフィールドにプレッシャーをかけるタ  
 イプだったが、#5は左右への反応が素晴らしい。           
・立命館、Oラインの課題は解消されていない。確かに神大フロントの圧  
 力は素晴らしかったが、それにしてもあっさり止められすぎ。一昨年の  
 立命館はパワー、スピード共に別格、昨年はパワーは多少落ちたものの  
 スピードは出色だった。しかし今年はスピード、パワー共に”普通”で  
 しかない。神大戦のパスミスにしても、QB自身の問題よりもプロテク  
 ションしきれないラインにこそ問題があると思える。          
・神大。ディフェンスについてはほぼ完璧と書いたが、オフェンスについ  
 ては問題山積み。                          
・最大の問題は、いろんな意味でプレーが”雑”になっていること。    
 ここ数年、プレーの手数は増えたがそれに反比例するように一つ一つの  
 プレーの完成度が低くなっている。                  
・付け加えると、シリーズのプレーの組立にも意図が感じられないモノが  
 増えてきている。                          
 今の神大のオフェンススタイルは、”殴り合いの論理”に立脚している  
 ように見える。大量点を取れる攻撃力を持ったチームのものだ。残念な  
 がら、神大にそれだけの爆発力は無いのが我々の正直な見方である。   
・以前の(攻撃力が無いことを自覚していた)神大なら、TDを挙げる為  
 のドライブに明確な意図があり、プレーの組立を分解していくとどのプ  
 レーでゲインすることを狙っていたのか、非常に良く理解できた。    
 そのため、得点シーンこそ少ないものの、得点を挙げるドライブは本当  
 に美しく構成されていた。                      
 極端に言ってしまうと、以前は一回のファーストダウンを更新する為に  
 3回のダウンをフルに使う組立をしていたのだが、今の神大はその辺り  
 の繊細さが感じられない。                      
・また、時間消費に対する意識もかなり薄れているように見える。1st  
 Downにランで3〜4y獲得したとして、2ndDownのプレーで  
 それほど成功確率の高くないパスを選択し、失敗して3rdDownで  
 再びパスにでて失敗、攻撃権をあっさり手放さざるを得ないというシー  
 ンが今年は多い。立命戦でもこの点は解消されていなかった。      
 意外といっては失礼かもしれないが、この試合の神大OLは健闘してい  
 た。紀平をコントロールし、谷野をダブルチームで取り、短時間ではあ  
 るものの、ランニングホールを作り出すことに成功していたのだから、  
 むしろ3rdDownまでパスは封印して、スプリットラインを採用し、 
 FB#2のブロック能力(パワーではなく「自分が当るべき相手を正確  
 に見極められる能力)を有効に使ったインサイドプレーで、大きくゲイ  
 ンは出来なくてもゴリゴリ進んでいく方が、自分たちのオフェンスを封  
 じ込まれている立命館にとっては嫌だったに違いない。         
 得点出来る出来ないは相手のあることなので仕方ない部分もあるが、少  
 なくともロースコアゲームに持ち込む上でオフェンスで如何に時間を使  
 うかが非常に重要になることは間違いない。少なくとも以前の神大はそ  
 の辺りについてもっと緻密に考えていたように思うのだが。       
・更に2人いるQBのそれぞれの特性を無視したプレーコールをしていな  
 いだろうか。#4多和でQBキープ、#10江端でパスというのは外か  
 ら見ていて疑問が残る。                       
 特に江端は肩を負傷でもしたのか完全に腕が上がらなくなっている。そ  
 のため、昨年(春)に比べパスにスピードが無くなっており、パッシン  
 グオフェンスは苦しいだろう。                    
 逆に多和は体が華奢で当りに不安が残り、キーププレーは現時点では極  
 力避けた方が良いと思われるのだが、サイドラインがその辺りをどう考  
 えているのか、今ひとつはっきりしない。               
・立命館苦戦の原因の一つに長谷川の不調が挙げられる。個人の出来云々  
 で試合展開を評価するのは良くないのだろうが、彼の不調のおかげで神  
 大DB陣が木下のカバーにかなりの意識を向けることができたのは事実。 
 先制TDに繋がった矢野川のインターセプトは完全に木下へのパスに網  
 を張っていたように見えた。                     
・もう一つ神大について付け加えておくと、今年の神大はキッカーを矢野  
 川が兼任しているが、出来るなら専任キッカーを置いたほうがいいだろ  
 う。兼任の場合、どうしてもメインとなるポジションの練習が中心にな  
 ってしまいキッキングに労力を割けなくなる危険がある。        
 この試合でも、FGが決まっていればまた展開が変ることになっただろ  
 う点を考えると、キッカーの育成は急務だろう。            


9月19日(日)At王子

第2試合 KGvs同志社

ボ 印象が薄いなぁ。                         

ド 両方チームともね。                        

ボ 永富ねぇ。                            

ド 今年も欠席ですかぁ。                       

ボ ......                           

ド ......                           

ボ まず同志社だけど、「シンプルだがラン、パスを中央、オープンに対  
  し一通り攻めることが出来る攻撃をめざす」というのは去年と変わら  
  ずだな。                             

ド ただしこの試合に限ってはエース不在をTB#20、25がカバーし  
  きれずバランスを崩してますね。特に前半。             

ボ 爆発力が無かったねぇ。否、そもそもこの試合に限って言うと攻撃の  
  自滅だよなぁ。                          

ド KGの1年生Pのパントが飛ばずに敵陣45Yで攻撃開始。いきなり  
  ギャンブル成功に続いてさらにダウン更新。エンドゾーンまであと2  
  0ヤード地点でいきなり#8にインタセプトを喫しました。      

ボ 不用意だったんじゃないかなぁ。ラッシュうけて中途半端に投げ捨て  
  たから。パクラれなけりゃFG蹴って終われたのにね。        

ド 次のドライブではパントで終わったんですが......それ以降が  
  どうにもしんどかったですな。                   
  ・自陣23Yファンブルロスト (KGTD)            
  ・パント           (自陣25Yまで返される)     
  ・自陣39Yファンブルロスト (KGTD)            
  でもって後半も30Yドライブしておきながら            
  ・自陣38Yでファンブルロスト(KGTD)            
  ・パント           (KGパント)           
  ・敵陣49Yでインターセプト (KGTD)            
  これではちょっと厳しいですね。最初のインターセプトの後、6回の  
  ポゼッションのうち4回がターンオーバで他2回のパントのうち1回  
  はロングリターンを喫してますから。                

ボ これだけポゼッションがきついと我慢できないな。          

ド 攻撃はラインがしんどい分、QBが動くプレーを混ぜていくのは良い  
  のですが、ロールオプションは警戒されてピッチマンがゲインできず。 
  パスも#89に集中してしまう。                  

ボ そんな中で実はQBのキープは結構出てるんだよな。コンスタントに  
  5ヤードから8ヤードぐらいゲインしてる。なんせQBは永富よりも  
  俊足だし、迫力も負けてない。                   

ド この辺が満遍なくってとこですな。逆に言うとキーパーと#89への  
  パス以外は稼げるプレーが無いと。得点力としては今後も苦しむでし  
  ょうね。飛び道具が無いので、辛抱強くダウン更新を続けていくとい  
  う攻撃スタイルになるでしょうね。それだけにミスが出ると辛抱しき  
  れないでしょう。                         

ボ さすがに後半KG守備がフロントを交代させてからはリズムが出まし  
  たな。TDドライブは11プレーで84ヤード。5FD。うち14,  
  8,12,7ヤードと計41ヤードを走ったFB#33が光りました。 
  前半はFBのプレーって2回しかなくうち1回がファンブルロストで  
  あったのだが。                          

ド 結局、FBのプレーをもっと出せるようにならないと得点力が向上し  
  ないと言うことなんでしょうな。この相乗効果として後半はTBのプ  
  レーも出るようになってましたな。                 

ボ そそそ。これで計算できるキープと#89へのパスでドライブ力が出  
  てくる。そこへTBが走れるようになれば、守備にとって止めにくい  
  攻撃の組み合わせになる。永富の復帰でTBの脅威が増せば他のプレ  
  ーも出しやすくなるんだけどな。                  

ド やっぱラインって大事ですよねぇ。さて方やKG攻撃ですが。     

ボ ううむ、パス成功率はいいんだけど、ちょっとね。QBが走りすぎか  
  な。いや走れるのは大いに結構なんだけど、QBが走るプレーを織り  
  込みすぎなのが嫌なんだよな。確かに#14の走力は歴代のKGのQ  
  Bの中でも出色だし大きな武器なんだけど、負傷のリスクを考えると  
  あんまり走って欲しくない。                    

ド スクランブルはシビアに言うとプレーとして失敗してるとも言えます  
  から。ただし以前に比べて無茶投げが減ってるのは確かかと。その分  
  成功率が上がっていると判断します。目立ったのがインサイドレシー  
  バへのアウトパターン。キャッチして5Y。その後のランがうまく行  
  くと10Y取れる。この繰り返し。それとミドルは15Yまで。ロン  
  グはストリークで捕ってみやがれパスです。             

ボ 個人的にはパスのコールの時は投げて終わって欲しいんだけど。    

ド でもパクられたら怒るでしょう(笑)。               

ボ 当然です。でもなぁ、もう少しOLが押してほしいなぁ。RBも1年  
  生#22をはじめ駒が揃ってきたんだし。              

ド 三木高時代から注目してましたが#22はいいですね。重心も低いし、 
  密集で慌てないし。ただもう少しランプレーは出して欲しいですね。  
  QBのキープ以外は5Yも出て無いでしょ。             

ボ ううむ、と言うより。                       

ド ?                                

ボ あーーーーやっぱりSGは好きになれないな。プレーの組み立ての妙  
  が生きてこないように見えちゃう。能力が高いほうが強いという構図  
  に見えるんだよな。なんかねぇ最近の関西学生って強引なプレーが多  
  くないか?KGに限らず。                     

ド 昔ほどエサ撒いて、隠して、ひねくり回してゲインするという感じで  
  はなくなってきましたな。各チームともですが。           

ボ スピードや名人芸でゲインする攻撃ってあまり好きじゃないんだよな。 
  そりゃ芸術的なコンビネーションは重要だし美しいのだけれど、プレ  
  ーのシーケンスで出すという意識が薄くなってるかも。悪く言うと力  
  任せ。                              

ド うむ。それは又別の機会に。で、少しは明るい話を。この日の目当て  
  と言えば。                            

ボ QB#20三原♪(笑顔)。                    

ド 現金な人ですね。いやぁー「QB」ですな。彼は。          

ボ 何んーーーーーの違和感も無くプレーしてたな、この日。       

ド 動きがスムーズですわ。よく見えてるし、よく投げてる。走るのは病  
  み上がりなだけにちょっとドキドキですが。             

ボ そうそう、あとボチボチとターゲットが増えてきたかな。       

ド TEの1年生の韓。いいですね。三原からのサイドへのパスを受けて  
  DB蹴散らして走りきったでしょ。あんなに走れるとは思いませんで  
  した。あと、2年生の多々羅も快速。                

ボ ええ感じですな。                         

ド 守備はどうです?                         

ボ LBが不安だったけど、ボチボチ揃ってきたかな。#49井上がよく  
  絡んでたし、1年生の佐藤もよく詰めてた。柏木も含めた123年生  
  トリオで固定できると良いね。                   

ド OLBがもう一つ目立ちませんが。                 

ボ #16をSFに下げてるからね。#4が戻ればOLBに戻すのではな  
  いかな。DBの層が厚くなってきたのが頼もしいかな。おかげで#2  
  7高倉の出番が減ってる。WRで使ってください(笑)。       

ド 次節は神戸ですが。                        

ボ 攻撃が神戸守備相手にどれだけ取れるか。ポイントはこれだけ。ラン  
  がQBキープ以外脅威では無いのだからここを突かれると一気に得点  
  力は半減するよ。                         

ド 試金石になりそうな試合ですね。                  



以上

ボヨヨン王国
BOYOYON KINGDOM