鎧球バカ一代:塹壕消耗戦編
さて、91年秋が始まる。仕事は忙しい。新聞には関西学生リーグの結果は載らないので辛抱強く待ってTD誌を買う。ページをめくる。最初のページでいきなり
「嵐のスタート」
?なんじゃこりゃ。同志社DBに追いタックルを浴びせる#42の写真。見慣れないヘルメットだなぁ.....は?KGって書いてあるやないか!しかも試合は負けとる!おかしい!これはきっと誤植や!なんせ間違い多いからな、この本。
と思っていろいろページをめくるが、KGが負けた事に変わりは無いらしい。貴様らぁああ!気合が足りんぞぉお!気合がぁあ!!だいたいジャージが気に入らんぞ、なんじゃこの3色刷りは!前のジャージの方が格好良かったやないか!あああああ、もおおおおおお!
何がリボーンじゃ!
で、関京戦である。西宮スタジアムでやるのだそうだ。
実はこの日は大王は休暇をとっていました、ハイ。
富山には居ませんでした、ハイ。
でも西スタにも居ませんでした、ハイ。
倉敷にいました、ハイ。
で、さんざん遊んで大阪駅経由でスーパー雷鳥で富山へ。雷鳥に乗ったとたん、心配になってきた。
どないなったんやろ。
心配やったら見に行かんかいな。雨のそぼ降る中、午後10時頃に帰宅。王妃に電話。
ボ「今日ね、関京戦だったんだよ。知ってたか」
妃「知ってたよ。そういえばねぇ、さっき電話があってAちゃんが見に行ったってさ。そんでね」
ボ「で、どうなった、どうなった、どうなった?」
妃「ごめん、聞いてない。」
ボ「頼む、聞いてくれえぇ」
数分後
妃「スゴイよ,勝ったんだって!」
ボ「エ!マジで?」
妃「なんかねぇ、よく分からないけど逆転で大変だったらしいよ。」
ボ「は〜ほんまかいな」
妃「見に行ったら良かったねえ。誰かさんは勝てっこ無いと言っていましたが(笑)。」
そうか!信じられん!奇跡か!よし、TVを見よう!。っと言っても中継はしないからTBS系のスポーツ番組だぞ。数秒しかやらないから見逃せない!そうだ、ビデオに録画だ。ビデオ、ビデオ...空いてるテープは...
ガサ ガサ ガチャ
おおおっと、今のはアレンピンケットだったんですねぇ。そうですねえ、ランアンドシュート始めてから出番が
ガチャ
これは去年のNFLだ。消すか....。いやいや消せないぞ。来年、禁断症状が出たときに見るのだ。
ガチャ ガサ ガサ ガサ
あ〜無い!ニュースまで時間が無い!よし、コンビニまでダッシュだ!車のキィをつかんで飛び出す。猛スピードで往復。で、録画開始。駅伝予選、アイスホッケー、ゴルフ、....出た!
「関西学生アメリカンフトボール、伝統の関京戦。プライドとプライドが激しくぶつかり合うこの試合。」
よし!来たぁああ!
「白のジャージ京大が先制します。」
翻弄される大寺。フェードストップで高橋にTDパス。
こらぁあパスで行かれるなあ!
「一方王座奪還を狙うブルーのジャージ関学。」
おお東村だ。ヒガシがセットしとる!なんかごちゃごちゃしたデザインのジャージやな。
「好調、林が飛び込んでタッチダウン。」
左のトススイープから内に切れこんだ。ヨォオオオシ!
「さらに大寺が値千金のインターセプト。」
よし!
「さらにTDパスを決め逆転に成功。」
よしよし!よく捕った!徳久坂か?
「しかし試合終了間際、京大は逆転のフィールドゴールを狙います。」
...て、事は外したんか?
「またも大寺が飛び込んでチャージ!!」
おおおおおおお!
..........勝ちおった。
その晩のうちに、このVTRは20回は見た。いやぁああ勝ったか。そうか。スゴイな。その後KGは勢いを取り戻した。残りを全勝でリーグ戦を終える。と、深夜に電話が。
C 「大王!」
ボ 「はぁ....?」
C 「アメリカン行くぞ!」
ボ 「....アメリカンですか?」
C 「アメリカンだ」
ボ 「....あ、そうかプレーオフですね」
C 「当たり前だ!」
ボ 「...西宮ですよね」
C 「そうだ。じゃーな」
ボ 「...ハイ」
で、雷鳥に乗って西スタに登場。
一塁側1階席(内野ですな)でCさんと落ち合う。しかもこの日は遠路はるばる某通信社勤務のE.OBが登場。
C お、Eさんだ。
どこから見てもわかる風貌。間違えようが無い。
(注)E.OBは西部警察の大門がマッドマックスの格好で登場したと思ってください。
ボ 座席確保しておきました。
E おお、ご苦労、ご苦労。
C ご無沙汰です。大王、ビール。
ボ ヘイ、じゃあ買ってきます。
E しかし、ここは位置が低くてイマイチ見えにくいのう。
C しかし応援は完璧ですよ。
E うむ。それは重要。
C まあ、Eさん。我々には切り札のこれがありますから(ニヤリ)。
と、懐から取り出す「報道」の腕章。
E まあな。客の入りによっては最悪、記者席に移動だ(ニヤリ)。
と革ジャンの裏にとめてある腕章を見せるEさん。
ボ いーなあ。
C バカ者、特権だ。それよりも日大負けおったな。
ボ そうそう、昨日TVでニュースで見てびっくりしましたよ。
E 甲子園はてっきり日大かと思ったんだが。専修だってよ。ホラ、スポ○チ買ったよ。
ボ もう来てますかね専修のスカウトチーム。
C そら来とるやろ。
注)スカウトチームどころか近藤監督が銀傘のBOXの窓からのぞいている姿をTVがしっかり抜いていた。正直、日大が負けるとは思わなかった。最後は逆転FGを蹴れるレンジにいながらパスに出てビンゴだったらしい。見たかったな、そのパルサーボウル。
さて試合が始まる。TDを重ねる京大に対してFGを連発し追いすがるKG。この日の中筋はバカ当たりだ。となると「新月旗のもとに」を唄う機会はおのずと増える。
E いやああ、今日は新月を一杯歌えて嬉しいなあ(笑)
なんせFG蹴りまくりの成功しまくり。去年苦労した中筋は絶好調。どうしても前任の村上と比べてしまっていたのだが、この試合で評価は一変した。
攻撃はQB東村がリードするが途中1プレーだけ#46登場。飛び込んでお役ごめん。前半終了間際、左にロールするヒガシ。ランニングスローでタテを走る#26へ。これがドンピシャ目の前でヒット。そのまま後ろからタックルを浴びながらTD。総立ちで前がみえない(笑)。でもそりゃうれしい、うれしい逆転ですがな。さらに姑息にビンゴしてごっつあんFGでリードして前半終了。こりゃ皆ご機嫌であることよ。
後半に入る。いきなり#42竹口がビンゴ。この人のアスリートぶりは(知る人ぞ知るが)”えぐい”レベルの凄さなのだそうだ。加点は出来ないものの時間は消費。京大はショットガンから#18金岡がスイープ。これが止められない。もっと連発するかと思ったが、思いのほかやらなかった。結局QBスイープでTDを奪う。
(注)実際は翌年はこれを連発しましたね、京大。
ギャンブル失敗に追い込んだKG。ヒガシは負傷が完治しないのか途中からQB#12大矢登場。
C 大矢〜!ファンブルすんなよ!
でいきなり#14TB南園へのハンドオフミスでファンブルロスト。
C くぉおら〜!何やっとるんじゃ〜!
一方京大も再度ギャンブル失敗を続けFGレンジのど真ん中で8回攻撃してFD奪えず。これならFG蹴っとけば良かったという展開。ちなみに後半も中筋はパントにキックに活躍。エンドゾーン手前でバックスピンのかかるスーパーパントで場内大騒ぎ。
そして印象に残ったのは大型TB#80加藤のブラスト連発。これが止まらない。両TEのフランカーIなのだが、辰馬、松崎の両TEにFLには大型のWR徳久坂を並べる。FLをモーションさせ、オフタックルに飛び込ませ、その後ろに#85八田がUBから飛び込み、最後に加藤が飛び込む。手のつけようがなかった。この年からKGのモーションが気になりだした。特にエンドゾーン前でのFLモーションからのプレーはNFLでもよく見かけた。どうせ守備はマンツーマン。FLが内にズームすれば絶対CBも内に入る。WBの位置から、逆戻りするようにFLが外に抜ける。もしくFLは内にリリースリリースするがクロスでTEが外に抜ける。さらにはUBがそれらの手前にリリース。これを1ステップから決める。もしくワグルで外へ流れるレシーバ群にヒットさせ
る。そうそう、ワグルパスを決めるジョーモンタナを思いだすなあ。
それに忘れちゃいかんのが#10谷本のナイスリターンである。この人オプションQBとして入部したもののゲームではリターン専門。春の明治戦ではいきなりジャッグルしたりして肝を冷やしたのだが、それがこの試合での見事な事よ。キックオフリターンでロングゲインする事2回。すっかリターンのスペシャリストになった。4年生で爆発。いいことです。
結局KG逃げ切って甲子園進出。やれやれ。でもいい試合だった。実家に帰ってVTRを獲得して富山に帰ることにする。まずビデオを回収だ。
ボ とれたか。
妹 とれたと思うよ。いやあ、勝ったねえ。
ボ あたぼうよ。で、標準だろうな。
妹 だと思うよお。
公 おう、勝ったらしいな。
ボ あたぼうよ。
公 あの、ほれ、牛みたいな奴がおったじゃろ。
ボ 牛?
公 ちょっと見せてみい。
ボ 牛って...
KGのブラストプレーを見て指差す大公様
公 おう、これやこれ。80番や。
ボ 牛ってあんた。
公 これでエエンや。これでゴーリ、ゴーリ行けばエエンや。
ボ う〜ん牛ねえ。
公 楽勝や。端から端までずっとこれで行けばエエンや。
さてこれからこのVTRを毎日イヤというほど見るのだ。この試合は後半から実は生放送だったのです。画面隅のLIVEの文字が泣かせる。フットボールだよ。学生だよ。しかも関西だよ。何を生放送やっとるんだ、うれしいじゃないの(笑)。ちなみに大王妹のおかげでVTRはしっかり3倍速でした。
で、甲子園。
綿のように疲れて、泥のように寝る直前に電話が。
ド 甲子園行けへんか。
ボ いいねえ、でもな忙しいからキツイね体力的に。
ド 久々なんだから行かないといかんよ。
ボ プレーオフは行ったんだよ。西スタまで。
ド ガッツで起きろよ。
ボ らじゃ。朝イチで行くぜ。
朝一番の雷鳥に乗るとAM9丁度に大阪に着くのである。そのかわりAM5起きである。じつは一年坊主のくせに、12月に大きなビジネスをやらされていて、この3ヶ月土日も出勤の大皆勤賞だったのだ。まあ、早目に起きて、雷鳥で寝ればいいや。
で、前日になった。
で、就寝。
で、起床。
AM9:30
あわててジーンズを穿いたところであきらめた。
..............終わった。
ボ モーシ
*富山ではモーシと言います。
ド おう、いまどこや。今から家でるとこで....
ボ すまん。今、家。
ド .......はああああ?何やっとるんじゃ!
ボ ゴメン、本当にゴメン。
ド ああああああもおおおおおおお!
ボ すまん、TVで応援するよ。
でTVで観戦。やっぱり生で見たいよな。痛恨だよ。試合は実に好試合。本当にナイスゲームでした。ひそかにTB転向した#36芝原の左スイープで先制するKG。その後も伝統の#89を継ぐTE辰馬へのパスでリズムをつかむ。R&Sを残しながらオフセットIとの併用を試みたこの年の特徴といえば一つはワンバックのトリップス(スーパー)体型からのバリエーション。トリップスサイドにプレーアクションからロールしてウイークサイドから流れてきたTEにミドルパスをヒット。これがどのチーム相手にも出る。同じムーブメントからのストリークもあれば、さらに、ご存知「前島ドロー」もある。
もう一つは京大戦でみせた両TEフランカーIからみせた大型TB加藤のブラスト。加藤は本当に良いRBだ。TBに入ってのブラストは迫力あるし、オープンに回しても結構速い。SBからレシーバにでてパスキャッチもするしUB投入も可能。
*スーパーからの前島ドローは2年後も大当たりで、日体大から同じように独走TDを決めていた。
一方の専修もなかなか良い。正直91年以降に甲子園に登場した関東代表の中で大王がもっとも高く評価しているのが、この年の専修だ。いきなり2年生の秋田を先発させ、パスが苦手でありながらいきなりのストリーク一発。後ろの要、竹口が振り切られている。その後も切れの良いオプションキープでサイドライン際を一気に切れ上がる。サプライズを仕掛けるところがまずよろしい。さらにQB頓宮が大変よろしい。オプションあり、キープも上手。パスも落ち着いて決めている。
(終了間際にエンドゾーンに持ち込んだ後に見せた笑顔が印象的でしたな。)
おまけにハーフボーンまで準備する周到さ。アップライトスタンスのYですぜ。良いじゃないですか。専修のRBは知る人ぞ知る、ウィッシュボントリオ、須黒、粳田、関沢。この日は関沢は目立たなかったが後の2人が止まらない。KGもDL中3人のNG谷島、DT池ノ上、中村がかなり強いのだが、速いタイミングで飛び込むFBを止められない。実はKGの5−2Rはこういうプレーに弱いのは87年以来知っている。ド真中が強いよ!やっても無駄だよ!と見せながら実は、もっとも危険なオープンを重視するからだ。よって速いタイミングの中央のプレーには弱いのだ。一方のディフェンスでもRB前島をソロタックルでしとめるLB世利のカバーの広さ。いいねえ。
エンディングを見ると
DB峯村がインセプを決めたらしい。この人オリックスに行った田口と高校時代二遊間を守ってた人。2年時からレギュラーでしたな。やはり放送でカットされてるシーンも見たいものだね。
無事甲子園優勝〜♪。さてライスやでライス。国立やぞ♪。対戦相手は....。
さて東京スーパーボウルはオンワードVSサンスターファイニーズ。これはテレビで見た記憶がある。多分大阪に帰省していた日に放送があったのだと思う。オンワードQBは山田、須永。サンスターQBは芝川、埜下。サンスターは鉄人DB桐原がインターセプトリターンTDを決めるも総じてオンワードが押す展開。
*この人、当時かなりのベテランだったはずだが本当に速かった。剃刀リターンと言う程の事はあ る。
芝川がI体型からのオプションキープでロングゲイン。解説の東海君大喜び。「これは僕がやったプレーですねぇ。」その後たしかLB村田がFGを決めてたような気がする。しかしホットラインとして関西で猛威を振るったWR福島へのパスが完封される。サンスターは埜下にスイッチしてオプションで攻めるが前進できない。「結局、山田かいな」でオンワード勝利。
で、ライス
実は宰相はほったらかしで、王妃と見に行った事を懺悔とともにここに告白いたします。
何だよ国立かと思ったら東京ドームか。相手はオンワードオークスだ。何せまともに戦力分析なんかしちゃいない。
ライスは学生が勝つ
と思っていたもんで酷い目にあった。結果はボロ負けだ。今にして思えば攻撃はよくやったとも言えるのだが守備が厳しかった。前半からオンワードのRB山口のランが止まらない。追い詰めたと思えばQB山田が軽快なスクランブルから独走連発。かと思えば須永がパスとスクランブルで2TD連取。前半で大きなビハインドを許した。守備はライン戦で完敗だった。
KG攻撃は核になるRB#80加藤を負傷で欠き、林も出場せず。TBは前島、南園、芝原で対抗も効果的なゲインができない。前島の奮戦でなんとかFGを返すが厳しい展開のまま前半終了。
後半も同様に加点されたが、アジャストも含めて攻守ともに巻き返しはした。ただギャンブルを連発せざるを得ない状況ではやむなしか。パスはスーパー体型でつってのTE辰馬へのアクロスしか決まらない。QBも機動力のある大矢にスイッチ、要所で芝高も投入。埜下ばりの豪快なスクランブルで前進するがエンドゾーンは割れずFG止まり。すっかりリターンのスペシャリストになった#10谷本がよく返すのだが、後が続かない。4QにWR高増のパントリターンでEZ近くまで進むも大矢のTDパスがビンゴで意気消沈。最後も執念のドライブで再度EZににじり寄るが加点できずで試合終了。
完敗だな。社会人優位の時代の幕開けだ。
帰宅して大公様から愚痴を聞く。
「牛はどうした。なぜ牛を出さぬ。」
「そもそも甲子園もやっとこさ勝ったレベルなのだから、そうそう勝てる訳ないやろ。」
ごもっともです。
嗚呼、日本一ってのは偉大なんだなあ。
92年になった。
えっへん。余裕だよ今年は。なんせ、優勝チームで活躍した若手がぎょうさん残っているし。QBは経験豊富な大矢だよ。これは余裕勝ち。だってさ、2年時にR&Sで苦労しながら1000ヤード投げた大矢でしょ。2年生がスゴイよ。前島、林、八田。大黒柱の加藤もいる。それにリターナとしても優秀な#25道場も参戦。DBも若手が元気で正直連覇の年であるよ。QBも芝高がおるしね。方や京都は金岡は残るがその他は全とっかえ。正直怖くない。酒匂も高橋もおらん。DL佐々木もおらん。正直だれも居ない。全然怖くない。うむ。
へへへへへ。勝つよな。普通。
さて平成BOWLに行く。
押し捲るKG。道場#25がオフタックルにとびこみグイグイとゲインする。毛唐相手にランで勝負。この頃はまだ見せ場=外人だったな。最後はドサクサまぎれに京大に1TDいかれたがヘとも思わなかった。まあ、1本くらいあげますよ。
ミラーボールとともにジョンカビラ登場。なんじゃあのハーフタイムショーは(笑)。
秋のリーグ戦が始まる。
鼻歌まじりでTD誌を読む。と.....なななんと立命に負けたらしい。前節同志社戦途中で大矢負傷、その後芝原がバックアップして辛くも勝利。しかし立命戦はパスを決められず僅差で敗退。芝高は何やっとるんや!
*病気(盲腸?)で出場できなかったらしい。
ありゃりゃ、こりゃイカン。しかも神戸も好調で京大を下してる。ダイナマイトバック井場に強力守備陣で押さえ込んだ。もうハチャメチャだよリーグ戦。
で....関京戦になる。
この日は王妃、宰相と3人で見る予定だった。先に席を確保する。西宮スタジアムに行く。が..。もの凄い数の観客だ。2F席を確保するが50Y上はすでに大満席。ようやく30Y付近を確保して宰相を迎えにゲートへ向かうが....人が多すぎて身動きが取れない。ゲートに近づくも宰相が見えない。
*4万人入ったそうだ。しかも1試合で。これだけ入るアマチュアスポーツの試合ってあるかい?そうそう無いよな。
合流をあきらめ席にもどる。
試合が始まる。KGは立命に破れており、京大は神戸に破れている。下馬評ではKG有利。そりゃ大矢が復帰すれば勝てるさ。開始早々、TEへのパスが決まる。タックルを振り切ってエンドゾーン前まで一気に前進。そして前島が飛び込んでTD。わずか2プレーで先制。
「楽勝♪」
しかし、ここまでだった。
京大はまさに捨て身だった。金岡が走る走る。身を粉にして闘うとはこの事だ。SGからのランパスでどんどん進まれる。一方KGは前島のドローが完封され苦しい展開。パスに活路をみいだそうと多投するがこれがインターセプトラッシュを浴びる。
*大矢は完治してなかったようですな。
「無茶投げするからや」
「これなら#8(芝原)でやる方がええかもしれん」
と辛口KGOB連がぼやく。で、飛び出したのが有名なプレー。キープで切れ上がる金岡。猛タックルを浴びせる山田晋三。その瞬間、金岡がパスを投げた。それをダンブロに出ていた京大WRがキャッチしてエンドゾーンに駆け込む。直後KGスタンドは大騒ぎ。
「はぁ?なんでタッチダウンやねん!」
「スクリメージ超えとったやろ、コラァ!」
「どこがTDやねん!」
どう見ても金岡が投げたとしか思えない美しい弾道とタイミングでのファンブルだった。ツキも無い。KGはQB芝高で打開しようとするがこれも負傷退場。万策尽きて試合終了。
後日宰相とTELにて会話。
「見捨てやがって〜(怒)」
.........そりゃ不機嫌にもなるわな。しかしあの人ごみの中、いかな特徴だらけの宰相とはいえ補足するのは難しい行為だと言う事は、当日スタジアムに居た方なら同意いただけると思う。いまだに年に4回はブツブツ言われる。携帯電話も無かった時代。こんな事もあったんですね。今でもこの試合の異様な雰囲気、劇的な展開、そして大入袋が配られた程の超満員のスタジアムの光景は忘れられない。関西学生リーグが最も面白かった年だったろう。
甲子園ボウルはTV観戦。土砂降りでした。ロースコアでした。正直京大危なげなしでした。金岡の地面すれすれパスには驚き。まあ、法政には悪いが京都は強いよ。うん。
93年
失意のうちにスタート。しかし希望はQB#46もとい#13。暴れてくれよ。と、思ったら#8がいいらしい。勝ったり負けたりの春だが、シルバースターに勝利というのが気になった。いいにつけ、悪いにつけだが。
秋はまともに見ていない。ダイジェストでVS同志社戦を見た。QB八木の最後の年。キープで独走TD。やるねえ。八木は春の西宮BOWLでも投げて走っておお暴れだったな。で、問題は関京戦だ。
ド 「ええか、ちゃんと待ち合わせ場所に...」
ボ 「わかったっち言うとろうが」
ざーーーーーーーーーーーー(雨の音。この音がずっと後ろに流れていると思ってください)
前年の失敗を繰り返さないよう、スタジアム前で待ち合わせた大王と宰相。
ボ .....大雨やな。
ド .....大雨や。
で、一塁側2階席に移動。
ボ 屋根があるから大丈夫だろ。
ド それに1階は見にくいんだよな〜。この辺ならベストかな。
*このころから観戦場所にうるさくなっていく。この日は気がつけば1塁側2階席50ヤードライン上に着席していた。
しかし横殴りで大粒の雨の中。屋根もヘッタクレもない。
ボ アカン。ずぶぬれや。
ド ううむ、この混み具合では今更移動はできんし。
ボ 吹き込むなあ。
ド 西スタはねえ、風が回ってるんだよね(さすがブレーブス子供会会員)。
徐々にズブ濡れになる。
ボ ...
ド ...
ボ ま、いいか(笑)。
ド だな(笑)。
クソ大雨の中、観衆は3万を超える異常な状況。世の中から頑張ってバカを集めても,なかなかこんな数は集まらない。周りにもどんどん人が増えてくる。こいつら皆、大バカだ。キックオフまでに止まないかなあなんて思ったが、その気配すらない。せっかくじっくりイヤーブックを読もうかと思ったのに、これじゃ濡れて読めないじゃないか。大事にする本なので汚したくないのだが。
*87年以降全て買ってます。
先週、富山で買ったレイダースのジャンパーもパーカーもすでに水がういてきた。
さて、キックオフだ。人工芝に完全に水が浮いている。たまりかねてついに照明塔に灯が入る。もう、夜じゃないかという雰囲気だよ。フィールド中央に石灰でかかれたフラッシュボウルのロゴが流れて何がなんだか訳のわからない汚い絵になっている。その絵を踏みしめてコイントスだ。
試合開始とともに雨脚が強くなった。誰とも無く「あぁぁぁ」という声が出る。そして客席では徐々に皆おかしくなる。いわゆるヤケクソという奴だ。最初こそ傘を差していた人も居たのだが、気が付けば皆、傘は閉じてズブ濡れで試合を見ている。それどころか屋根の無い外野でカサさしてない奴が山ほどおるというのはどういう事だ。
なぜか皆、変な連帯意識と妙なテンションの高さを見せ始める。気が付けば皆、知らない同士で笑顔で笑いあっている。
さて、この日のテンションの高さは過去ベスト3に入るほどだった。スタジアムで叫ぶ人をよく見かけるが、この日の大王、宰相はその比では無い。主な発言(大声で早口で言ってみましょう)。
京大インサイドプレーの時:入ったぁ!
京大プレーアクションの時:パァース!パァース!
京大QBキープの時 :キュゥービーィイ!
京大ドローの時 :ドロー!ドローォオ!
京大スイープの時 :スィープ!スィープゥ!
京大モーションの時 :モーショーン!
京大ショットガン体型の時:ショットガーン!!
KGナイスタックルの時 :ナイスタックルゥウウウウ!
KGのQBキープの時 :よっしゃ!ゴーや!ゴー!
KGランプレー終了時 :OK!取れてる!取れてる!
KGパス成功の時 :ナイスキャッチイイイ!
KGハドルが長い時 :ハリィイセットぉおお!
これを試合終了まで続けりゃ声もかれる。別にサイドラインに居るわけでも無いし、この声を聞いてパスカバーに入るわけでもない。でも叫ぶんだよな。叫ぶと、まわりの皆もリラックスして叫びだす。いきなりショットガンで開始した京大は当然ファンブル。
「雨の中でショットガンやってもムダ、ムダ!」。
続いてオプションで攻める京大。今度はピッチミス。
「この天気でオプションやってもムリやって」。
皆、言いたい放題だ。おのずと皆つられて叫ぶ。
#22広部がパントリターンから左サイドライン際を一気にあがる。やったあTDだああ!で、よーく見るとイエローが。そもそもフィールドがはっきり見えないぐらいの雨脚である。京大の攻撃はなかなか調子がでない。一方のKGは攻撃ラインが奮戦。押し始める。徐々にランが出始める。で、城台がFGを蹴る。ご存知「十割キッカー」だが、この試合最初のFGトライは失敗。蹴った瞬間、こら入らんわと思う程ボヨンとしたキックでした。これも雨の影響だ。
さて先制はKG。FB#85八田がスルッと抜けた。その後一気に独走。アイシールドをつけた八田が、やや上を見ながら雨の中を走るシーンはこの後TVで何度も放映された(関京戦の特別番組などで)と思うが、あのシーンだ。「ええっ?」て感じで抜けていった。ヨシヨシ。とにかく先制だ。
*八田はFBとしてはまれに見る逸材ですな。大王が言うまでもないですけど。
ブロッキングだけでなく、ランナーとしての能力が高い。彼が独走する際の特長が一つある。 それはLOSを抜けるか抜けないかといった地点で一瞬スピードを落とす。これだ。そこから 大型バックとしては珍しい程大きくカットバックを切って一気に加速する。ちなみにデコイで 飛び込む時もこの動きをしているのです。
KGは守備も奮戦。#39山田が目立つ。プレーが終わるとかならずそこにいる。SFの#11大寺の上がりも強烈だ。サイズはないのにタックルは堅い。鷹影、崎ら下級生から執念でスタートを奪った4年生松本がCBに入る。派手なプレーは無いが必死にくいさがる。
この年の京大は、将来の京大、否、日本フットボールを背負う逸材がズラリだ。まずトラポンを蹴るのは1年生田中重光。LB安沢は入部してからRBからLBに転向。守備範囲の広さは1年生としては異常。もちろんDLに伊藤重将、LBは阿部、DB内田に主将はTE板井だ。もしこの年の京大秋の試合を冷静に見ていたらこの先の京大の恐ろしさを直感的に想像できただろう。
KGのつぎのTDは圧巻だ。#40前島のカウンタートレイからの独走。バックサイドのG,Tの綺麗なダブルプル。とにかくこの年のKGのOLはブロッキングは美しかった。さらに圧巻だったのは両TE体型からのTEダブルアクロス。TE#80とTE新井がクロスすると右から左に抜けた新井は完全なワイドオープンになった。あとは独走。シチエーションといい、雨天の中、勝負どころでのパスのコール。いいねえ。
京大攻撃も以降の京大RBのステレオタイプ的なランナーと言える吉田が走り始める。ジリジリとにじり寄るがエンドゾーンでCB松本がTDパスを阻止。今にして思えば京大は勝てる要素はあったが要所での完成度が問題になったのではないかな。
気がついたら雨はほとんど止んでいた。
帰りにスタジアム入り口でイヤーブックをもう1冊買う。雷鳥の中で読むのだ。だって全然読んでないうちにページも開けられなくなったのだから。もったいないなんて全く思わなかった。大阪駅で宰相とコーヒーを飲む。うだうだと喋る。そのうち時間がたち雷鳥の最終にのるべく大阪駅の一番端のホームへ向かう。冷えた体で座席に座る。ジーンズは生乾きだが気持ち悪くない。
電車が動きだす。大阪を離れる瞬間はいつも辛い。闇の中、ライトアップされたナビオが通り過ぎる。辛い光景の象徴だ。またここに来るのはいつだろうか。いやいや、そんな事はどうでもいいか。
さて、じっくりここまでのKGの軌跡を読もうじゃないか。富山につく頃には日付は丁度変わっているだろう。しんどい仕事が朝から待っている。でもいいじゃないか。あんな悪天候の中で京大に雪辱して”勝って”甲子園にいくのだから。
甲子園ボウルが近づく。
ド 甲子園大丈夫やな。切符買うたぞ。
ボ 大丈夫だと思うよ。
ド その、思うっちゅうのは何や。また俺に待ちぼうけさせる気か?
*本当にしつこい。
ボ いやそれがだな、送別会があってだな、前日の晩。
ド それは危険だ。キャンセルは?
ボ 無理だな。しかし手はある。そのまま夜行バスに乗れば安全だ。
そして甲子園前日、しこたま飲む。盛り上がる。一旦家に帰りシャワーを浴びる。寒い。着替える。外へ出る。体が冷え込む。駅前から12時前の夜行バスに酩酊状態で乗りこむ。ああ、乗る前に駅前のバスラーメン食えばよかったな。などと考えるうちに動き出す。これで今年は間に合った。
ボ 勝った(笑)。
何が勝っただ。すぐに眠くなった。しかしすぐ眼がさめた。そんなに走ってないのに休憩だ。よく考えたら、富山から大阪なんて350KM程度しかない。大王でも富山インターから梅田の東急インまで3時間フラットで走ったことがある、その程度の距離だ。それを5〜6時間かけて走るのだから、そらのんびりしとるし休憩も多い。その都度目がさめる。
ボ 寝れん(怒)。
朝5時に難波についた。時間がありすぎるっちゅうねん。寒い。寒いぞ大阪も。梅田で宰相と待ち合わせ。阪神で甲子園へ。
ボ 場所はどこかね。
ド めっちゃエエ場所。
エンヤコラ、エンヤコラと階段を上る。ついた場所は一塁側アルプス席。ゴールポストの真裏(笑)。たしかに絶景。客は徐々に入ってくる。ブラスの入るレフトスタンドが遠くに見える。座ったままうとうとする。気がつくとスタジアムが蒼く染まっていた。明るい日が差してきた。芝生の緑と青い空。絶妙のコントラスト。美しい。美しいねえ。快晴微風。暖かい日差しが過剰な労働に疲れた肩に刺さるように痛い。さして眩しくもないのに目が開けられないのは、これから始まるであろう極めて自由でそして無垢な時間の訪れを自らが恥じるあまりだろうか。文学的な表現だなあと思ったが、よく考えれば寝不足なだけだ。
正直、負けるわけは無い。と思っていた。少なくとも水野監督のTVでの解説にあったように、KGが大敗する可能性は低いと。所詮トリプルオプション。しっかり守れば失点しても計算できる。攻撃主導の日体大は先行して逃げ切るしかない。つまり最後までオプションで前進しつづける事ができなければ日体大の勝機は無い。オプションに逆転勝利なし、という奴だ。かたやKGは京大、神戸などイヤラしいオプションチームとの戦いをいやほど続けてきている。オプション対策は万全だ。パスを含めた総合的な攻撃力なら京大の方が上だろうし、TBの爆発力なら当時の神戸の井場の方がずっと恐ろしい。やられても1本から2本。ならば毎Qに1本とればよろしい。前半の展開によっては後半は楽勝になる。
ズバリそうなった。日体のオプションを最初のシリーズで完封。あとはKGの大ラッシング大会になる。この日キレキレだったのは#2林裕次郎。ドローから一気にロングゲインする#2。遠くのほうから自分たちに向かってドンドン近づいてくる姿を見て88年甲子園の小倉のキックオフリターンを思い出した。とにかく誰かが持てば10ヤードの世界。八田がもっても同じ。安藤もがんばった。もう少しパスが欲しかったが、まあ3RDロングで#18水谷にミドルをヒットさせたしTE大村にもTDパスが通ったので良しとする。ダメ押しはスーパー体型からの前島ドローだ。この日のKGは完勝。最初から最後まで安心してみる事が出来た。ハーフタイムでエイトマンに続いて、なんと学祭でないと聞く事のできない(いや他にも見る機会はあるのだが)応援歌「打ち振れ旗を」が演奏された。
若人手に手に打ち振れ旗を
我等の旗を力の旗を
立て立て燃えよ風と我等
関西学院おおトゥララララ我等
こんな歌詞だったと思う。個人的に好きな応援歌ですな。近鉄バファローズの応援歌の作詞をされた方の作詞だったはず(竹中郁KGOB)。作曲は大OBの山田耕作。
最後は芝原がキープしてTD。RB、QB両方で甲子園ボウルでのTDを記録する結果となりました。いい一日だった。
(注)しかしその後甲子園に行くまで4年も待つことになるとは夢にも思わなかったが。
東京スーパーボウルはこの年は見れなかった。
SS対サンスター。リードを許したサンスターが芝川の活躍で試合終了間際に逆襲を開始するもビンゴで万事休す、という試合。埜下がLBでプレー。
ライスボウルも近づいた年の暮れ。
なんとめずらしくプロ野球ニュースで事前に取り上げられてた。司会は古舘、森口博子。田尾もいたなあ。そしてゲストは東海。田尾がレディコングに体験入部という企画が面白かった。
ド でやな、集合場所やけど。
ボ やっぱり東京駅なんだから銀の鈴やろ。
ド 八重洲の鈴やな。
ボ じゃ、そういう事で。
正月早々、方や新幹線で大阪から来るバカと富山からANAで飛んでくるバカ。JRにのって水道橋へむかう。途中でスポーツ紙など購入するがライスのラの字も無い。所詮はその程度か。直前記事でも書けばいいのにね。
ドームだよ。ドーム。しかし残念ながら席は最悪。KGサイドは2F席は満席で1Fのしかも前のほうだ(野球のベンチのあたりだね)。中途半端やな〜。高さも無いし。
試合開始。SSが押し気味に進める。TBの小林がよい。この人、それまでSSのバックフィールドを長年ささえた東松の番号をついだ、頑強ランナー。パスも受けれるのは日大時代に確認住み。そして#10野村も強い。WRは堀古は引退したものの、大ベテランの”BYUのパスカバーを破った男”秋山が健在。しっかりポストを決めてる。息の長い選手だ。2TD連取されるKG。こりゃいかん。でKGの攻撃。あ、芝高じゃん。
「宰相君、芝高だよ。」
「そうだねえ、仕掛けてくるかな。」
「宰相君、ショットガンだよ」
「....ノーハドルですか?」
オイオイ大丈夫か。仕掛けが早いんじゃ....と思ったら、いきなり植村にロングパスがヒット!。
これがあるんだよな芝高は。
*彼の名誉の為に言っておくが、良いQBでしたよ。前年京大に破れた後に平成ボウル出場をかけて 神戸との試合があったのだが、そこで大爆発。投げて走って大活躍でした。未経験者とは思えないロングパスのセンス。非凡ですよ。特技はあの身長から振り下ろす面。(高校時代剣道部)。
なんか、やれそうな気になってきだぞ。
WR水谷がかなりキレキレだった。翌年のKGのカレンダーにも載ったがミドルパスをジャンピングキャッチしたシーンには声が出た。背面飛びの姿勢で丁度高さが頂点に来た時に両手を一杯に伸ばして計ったようにキャッチ。キャッチした瞬間、時間が止まったように見えた。一方SSはQBをスイッチ。お、金岡じゃないか。コイツには行かれるなよ。でもスルスルといかれてしまう。さて守備ではLB山田が目立った。おまけにDB桑田がおお暴れ。アウトのパスに飛びついてビンゴ。こけてなければTDプレー。
(その後、後半にもTE友添へのポストに飛びつきこれもビンゴ。よしよし。よいですよ。)
さて後半開始、まずKGが1本返す。ゴール前両TEの右フランカーIからFL植村へのスラントが一発でヒット。ズームアタックですがな。甲子園で爆発した林はこの日は徹底マークに会いあまり走れない。その代わり前島、安藤がよくやってる。
やれるやんけ。しかし、この日の芝原は良かった。パスをこんなに投げるのは初めて見た。しかもよく通している。この人、ハドルでのリーダシップを本当に強く感じるQBですな。そして4Qの逆転ドライブでついに切り札、芝原のキープが出た。走れるんだよ。この人は!。左のアウトに流れた#7にパスがヒット。そのまま切れ上がりエンドゾーンに飛び込む植村。TDだ。水谷が飛びつく。大逆転だ。皆、大喜び。残り1分55秒。
しかし、大王と宰相は無言だった。微動だにしなかった。
時間を残しすぎたのではないか?
その不安があったからだ。あと1分55秒もあるんだぞ。
*特にそのとき口に出した訳では無いが2人とも、ヤバイかなと思ったのは事実。
なんせ東海だ。コイツの怖さはイヤという程知っている。SSのドライブが始まる。思いのほかキレというか勢いが無いように感じたが、トンでもなかった。立て続けにプレーが出る。イカン、KG守備は完全に守りに入っている。最後はエース#10野村がパスルートに出て#11大寺を振り切った。野村デーとまでは行かないが、やはりいいRBだった。ううううむ、悔しいがやむをえな
いか。
大阪の家に帰る。大公様と話す。開口一番、
大 11番がイケン。11番が。
ボ 11番ってDBの大寺?でもねえ、オールジャパンの選手だよあの人。
大 イケンもんはイケン。まあ、よう頑張ったが実力じゃのう。
ボ 勝ったと思ったんだがなあ。
大 はあ社会人には勝てんよ。KGも野球かなんかに力いれた方がええのとちゃうか?
ボ う〜ん、.....しかし、又、東海にやられたなあ。
大 そんなもん、東海一人でやっとる訳や無いで。選手が一人変わった程度ではどうにもならんて。
翌日3倍速でとったVTRを手に富山にむけてハンドルを握った。日本一になるってのは大変なんだなあ。
この項続く