2025年8月3日 (日) |
終わりにかえて |
【終わりに】
・・・とまあここまで希望にあふれた将来であって欲しいがため、夢のある話を沢山してきました。
だが現状は希望はほぼほぼ無く(笑)、自分自身も達観している。この先、日本のフットボールは少しずつ少しずつ厳しい状況になっていくでしょう。でもダメになるにしても、もう少しあがいて欲しい。他の競技に比べてちょいとカッコ悪すぎるよ。そんな思いで文章を書いています。
ドライな目で見れば将来が暗いのは極めて自明です。競技特性からしてマネタイズのレベルが低い位置で頭打ちなのが見えてしまっているから。
有料観客数を稼ぎたくても試合は2週間に1回、詰めて開催しても週一ペースが限界。週5で大箱に客を呼べる野球はおろか週4のバレー、バスケ、週2のサッカーにも及ばない。知名度も無く人気も伸びないので北米のように放映権ビジネスで派手な上積みを狙う事も出来ない。
状況を打開しようにも他競技と違ってワールドカップなどの国際大会もなく、五輪競技でもないので、その存在を訴求するきっかけにも乏しい。
加えて競技人口は減る一方で、もう条件が悪すぎる。チャンスの無い処に人もカネも集まらないでしょう。ただ選手とチームが存在して頑張っているだけです。
前出の通りまだ学生リーグには期待も可能性も残されています。頑張って欲しいです。しかしことXリーグに関しては現状は厳しい。この状況ではプロリーグ化はまず不可能でしょう。出来てもプロ契約選手の枠の拡大までではないですかね。
そもそもXの場合、プレーヤー、チームとも特段プロ化の希望を持っていないでしょう。リーグの在りようが変わることを当事者は求めてないでしょ?好意的に表現するなら「Xのプレーやにとって現時点で希望する環境はほぼ備わっている」のではないかしらね。
選手個人の費用負担がもう多少は楽になれば・・ってのはあるかもです。ただ大卒で30歳程度までの間に発生するコストでしかないので息を止めて走れないではないのでしょう。リーグの発展はもう十分でこれ以上の要求は無いのでしょう。
(これを「選手が夢を持っていない」とか言って批判するのは違います。思い切ったチャレンジも大事ではあるが、その一方である程度までプレーしてキッパリ辞めるのも良き社会人・良き大人として真っ当な思考だと思うよ。ずっと試合に出ていても食えないんだもの。)
なのでXリーグはもう改革なんかはしない。リーグのExpantionもしない。プロチーム化、プロリーグ化も目指さない。そもそもリソースも乏しいのだから「現状キープ+アルファ」にしか投入できない。よって(寂しいけれど)Xリーグはこの範囲で頑張りましょう。
もうチョい具体的に言うとしたら・・・・
1:競技人口拡大に傾注:ジュニアチームの立ち上げで競技人口の維持を目指す。チームの屋台骨を支える。
2:海外挑戦者の足を引っ張らない:年1回いや2年に1回でよいので全日本チームを編成して国際試合をして欲しい。海外に(個人だけでなく)リーグのレベルの高さを訴求してほしい。
3:リーグ戦、ポストシーズンゲームの継続開催:何があっても辞めちゃダメ。
これらに絞る事でしょうか。これ以外の事に手を出す余裕は、優先順位的にもヒト・カネのリソースの観点でも無いんじゃないかしら。
まぁもう少し出来そうだけど、何にしても現状からみて目標が極端に高すぎて地図も描けない気がする。到底歩んでいけない程、距離もある。かといって程よい世界、ゴールが見つかるだろうか。
それ以前に現状で一旦、当事者たちの理想が実現している以上、新たにそれを描き賛同を得るのも難しいと思います。
この先、期待が持てるのは選手の海外挑戦。ただしこれはどうしても「個人の勝手なチャレンジの世界」になる。個人が果実を得るものなのでリーグやチームが団体として特定の個人をpickして後押しをするのは実は難しい。交流、挑戦、力量の訴求といった機会を提供するのに助力する程度でしょう。よって個人、団体で目指すところとしては「グローバルチャレンジは個人で」「競技人口の維持・拡大は団体・チームで」と分担する形が妥当な線なのではと愚考する次第です。
昨今は選手個人レベルで北米、中米、ヨーロッパのリーグにチャレンジされている方が増えている。海外大にチャレンジする高校生もいる。彼らの選手としてのチャレンジが終わった後に日本のフットボールに何かが起こって欲しいな。勝手な理想だが日本の高校生に対して何らかの立場で指導をして欲しい。経験を後輩に伝えてほしいです。楽しみはもうこれくらいしかないね。
【最後にかえて】
かように考えれば現状のXリーグのあり方は実に腑に落ちる。大仕掛けの一切ない、現実路線のみの、毎年さして変わりのない、試合の開催オンリーの有り様にも納得です。前出の「この範囲で頑張りましょう」の通りなんですから。
ただしね。団体としてこれまで将来のビジョンを何一つ示さない点、これだけはダメ。
目指すところが現状維持中心になってしまうので格好悪いから書けないのかもしれないが、そんな姿勢だから誰も支えようとも思わない。ヒトもカネも集まらんよね。これでは「現状キープ+アルファ」のアルファをいつまでも膨らませられない状態が続くよね。そうなると、徐々に現状のキープすら厳しくなるよ。他の競技との競争でもあるのだから他所が伸びればそれだけでドンドン不利になる。現状キープするだけでもチャレンジは必要だよ。
あとね。カネが無いからXリーグとしてのビジョンを描けないじゃんという話もあるが・・・カネが無いのはもう誰でも知ってる事よ。だからと言って10年単位で放置して良い問題じゃないだろう。Xリーグを名乗って何十年経ちましたか。その間、カネを取ってくる努力をしたのかい?そこを問うているのよ。
もちろん個人やチームが様々なチャレンジをしているのは知っている。それは間違いなく素晴らしい事だし、この競技の未来を思っての事だと思う。そこを批判している訳じゃない。この各選手、各チームの「個々の努力」にとどまっている現状を変えられないのかと言っている。何のために競技団体として一つに集まっているのかな。この先、どうしようとしているのかな。私はそれを問うているのよ。
出来ない事は一杯あるだろうし、過去にうまく行かなかったこともあるだろう。だがそれと「中央組織としてリーダシップを発揮しない」、「団体のビジョンも掲げない」というのは全く別の話ですよ。ただしね。これでもう競技を統括する団体として満足していると言うのなら、もう何も言わない。ゆっくりと少しづつ小さくなっていけばよいよ。
ネット上のこの界隈では誰もこういった事に全く言及しないのだが、皆、同じ考えなのだろうか。「Xリーグはこういう理由、こういう背景で今の活動レベルに至っている」と明示的に示している人を全く見たことが無い。もし私が知らないだけで界隈では「周知の事実」なのであればお詫びします。でもね。何故これまでの間、誰もロクに言及してこなかったのかは是非お考えを伺いたいところです。
ビジネスとして成り立たせるのには、あまりもハードルが高いこの競技。それを知っていてXリーグの努力を嗤うのはおかしい。ただし、これまでビジョンも方針も何一つ発信してこなかった分、そこは批判されてもやむを得ないのではないかしら。俺はアンタの母親じゃないから。アンタが何でどれだけ困ってるかなんて、言ってくんなきゃ分らんですよ。(頑張った末にやれてないのか、サボってサボって出来てないのかの区別がつかんのよ。)
それでも「当事者以外には何も伝える必要が無い」というのであれば、ヒトもカネも永遠にXリーグには集まらない。モノ=選手だけが存在するただ試合をするだけの集団から進化することは出来ないでしょう。「この人達はその道を選んだのだ」と理解するようにします。
理解あるスポンサー企業と言う名のパトロンをとっかえひっかえして、ゆっくりと他の競技に差をつけられて朽ちていくでしょう。それが何年先になるか分かんないけど。そしてそれでもきっと観るしきっと応援もするんだろうけどね。
(なお某プロスポーツリーグの体質なんかに比べると、パトロン頼みの世界であるXリーグの方が実は道理にかなっている。スポンサーが喜んで出資しているだけで誰かに余計な迷惑をかけている訳ではないのだから、某リーグと違い無理筋では全くない。無理筋に足を踏み入れていないからカネが無いのか、多少無茶でもカネを集めて発展すべきかなのかは悩ましく、
もう嬉しいやら悲しいやら不明だが、この辺りだけは至極真っ当である点についてはXリーグは評価されるべきと思います。)
以上
いろいろと思うことを書いておく
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