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王国更新情報

2024年1月15日 (月) 普及への活動(2月18日加筆)
【普及全般について】

・中央組織である協会のリーダシップとチームの努力はニワトリタマゴの関係ではある。だが過去からの発展の経緯を振り返ると最初のスタートは間違いなく各チ
 ームの努力なのだとわかる。

・例えば学生だと「関学に勝ちたい」「日大に勝ちたい」「好きな競技で日本一になりたい」だの。それが競技とチームの魅力を高め、試合の価値を高める。

・高い価値のある試合やリーグには人が集まりカネが動く。そこに商機を見出だすスポンサーがいる。

・そしてリーグがスポンサーに価値を提供できればリーグの繁栄を加速する機会をえられるという関係でしょう。

・このProgressionを裏で支え、価値を増幅させる一つの手がメディアによる露出なんでしょうね。

・学生、社会人を問わずまずは「人が集まって欲しい」。スタジアムに客を呼ぶ意味じゃなく(むろんそれも大事)この業界に優秀な人が集まるようにしないとね。
 夢と機会が存在する魅力ある世界。汗をかき人生を賭けるに値する世界。そうならないとね。例えばさ・・

・ヒト・モノ・カネが集まってビジネスとしての動きをして伸ばしたい。今はモノしかない。失礼ながらモノ=選手とチームだ。人がモノを駆使して
 カネを集めてカネを増やす。だけど今はヒトがカネが集まるのを阻害しているように見える。そりゃビジネスセンスのあるヒトも寄り付かないよ。
 そんなヒトは他のスポーツに行っちゃうよね。

・いや既にスポンサーもいるしカネも集めてるよって?ん−少ないんじゃね?他の競技と比べて見てよ。ヒトが腹くくってカネ集めてビジネスしてる。
 人が欲しいなぁ。ビジネスできるヒトが。アマチュアリズムにスティックするのは美しいけれど、それに酔ってては他の競技に後れをとるよね。

・大学フットボールはあくまで大学フットボールなのでリーグ戦全敗、集客ゼロ入場者収入が無くてもチームは潰れない。選手がいれば試合はできる。
 なのでモノはコントローラブルというより自己責任。ダメなのは当人と大学の姿勢の問題が大きい。もちろんリーグが支える必要性は否定しない。

・でも、モノだけでは発展しない。学生を支える「心ある大人」「能力のある大人」がチームにやってくるような環境にしていかないとね。
 XXコーチが来てからチームが変わったってのを聞くたびそう思う。でもそこは「学校」という、そもそも「人が集まる場」なので良い大人が
 良いヒトがやってくるチャンスやルートは元からある。母校愛っていうプラスアルファの要素もあるしね。

・大学でのカネの件は過度にビジネスに傾斜すると米国カレッジみたいになっちまうので、線引きしてるんでしょう。でもねもうちょいバーを下げて
 もいいんじゃないかな。関東の大学は上手くそれで企業からお金を集めている。今は学生をカネから遠ざけ過ぎ。卒業すりゃ否でもビジネスパーソ
 ンになる。大人がコントロールしながらカネを上手く呼び込めば、企業にも価値提供できるし、学生・学校にもPositiveな効果を出せるはず。

・その為には学生フットボール界の大人がビジネスをわからないといけないね。

・さてさて。それを考えると社会人ってのは本当に大変だ。特にクラブチームは大変。



社会人編


1:こういう感じで見えている

・実業団は選手もチームもファンもスポンサーもすべて同じところにいる。つまり大学とあんまり変わらない。スポンサーが常に後ろにいるので存続できる。

・クラブチームは選手・チーム・ファン・スポンサー全てが別々に離れて存在している。発展にはそれぞれを紐づける紐を太くしていかなければならない。
 でも登場人物が多ければ多いほど足並みはそろわないもんです。(一方で実業団では紐さえ不要。なので社会人が一旦実業団偏重に走ったのも頷ける話。)

・従って「各チームの努力をきっかけに発展する」にしたってクラブチームはスグに「限界」がやってくる。大半がクラブチームとなったXリーグはリーグの
 提供できる価値もなかなか向上しない。

・よっていつまでも、構造は変わらないし、カネと手間のかかるドラスティックな変革も難しい。

・シーガルズやSUNS、チャレンジャーズがあの手この手で奮戦してその「限界」を突破しようとするのは理にかなっているし正しい。そして素晴らしい取り組み。

・こういった活動をどうすれば続けられるのか。そしてどこまで広めれば価値を提供できるリーグになりえるのか。
 そしてそこに至るまでの過程で彼らを周りから支えるのは誰なのか。そういった事を考えにゃいかんのだろうね。

・もちろん社会人協会のリーダシップや施策に期待するところは大なのだけど、もう全く金も力も知恵も不十分なのが良く分かった。

・なぜなら人がいないから。他の競技団体の年次レポートを読むと、そのやってる事のレベルと範囲の広さの差に愕然とする。実力が違いすぎる。

・そりゃラグビーもバスケもバレーも発展するわ。スポンサーはじめ利害関係者もフットボールじゃなくてそっちに投資もするし期待もするよ。

 中央組織がこれだけの事をやって、且つ外部に向けて真摯に発信しているから、それを信頼して大きなスポンサーが集まる。
 もちろん支援者や協業者が向こうから寄ってくる。だから様々な施策を繰り出せる。
 なので立てた目標に向けて突き進める。どんどんメジャーになっていけるのよ。
 スポンサーが出資するかどうか判断する際に、相手が「理念を持ち目標に向けて活動するガバナンスの優れた組織」であることは大前提。
 だって意思決定者は経営者ですぜ。経営者に高く評価されるには「ちゃんと経営している」ところを組織として見せなきゃだめでしょ。


・「やらない」とか「気づかない」のではなく「本当に出来ない」と評価する方が正しい。

・もちろん社会人リーグも個々に見ていけば10年前、20年前より進んだものは沢山ある。それは素晴らしいです。そこは評価しないとダメ。
 例えばネットがあってカネさえ払えば世界中でライブで試合を観戦できる環境になった事。
 外国人選手に門戸を開いた事。日本の競技レベルは間違いなく向上しているよね。
 選手のプロ契約がOKになった事。過去に無かった事だが、現在ではすでに何人も契約しているよね。
 他にもCFLとの提携、在米の方のコネクションを用いての海外チームとの交流・・いくらでもある。

・だけどスピード感をもって諸々の事に当たることは能力的に難しいんでしょう。そしてドラスティックな改革なんかも不可能なんでしょう。

・直近でもCFLと提携、クレドの発表、いずれもGoodなActionです。でも年に1回のペースでしか動けず。それを見れば多くを求めるのは酷なのが分る。

・一方でDreem Japan Bowlを開催(と、何より継続開催を実現)出来ている訳で、もうこの際、アレやコレやを一度にこの団体に求めてはダメだ。

・かなり以前から将来に向けてのDirectionやVisionの発表を期待して待っていた。いつになったら示されるのか不明だが、きっと今はその力は無いのでしょう。

・習熟した団体ならその中央組織のリーダーシップに期待できますが、今はまだそれ以前の段階なんでしょう。

・皆で応援して支えるべきは「各チーム。選手の努力の継続・拡大」であり、発展への最初期のPhaseなんだと思うようにします。(もちろん中央組織は
 競技統括団体としての最低限の情報発信くらいは頑張って欲しいけどね。)

・当然いつまでも単なる「リーグ戦、ポストシーズンゲーム開催実行委員会」であっては困る。コロナ禍でも複数の試合開催に漕ぎ着けた協会の能力は
 素晴らしいです。だが試合運営、安全指導、情報宣伝「だけ」が中央組織の役割では断じてない。

・ビジョンを示しマイルストンを設定しカネを集め価値を届ける事業体になって欲しい。経営出来る団体になって欲しい。でなければいつまでも停滞からは脱出
 できないね。



2:表だっては議論されないであろう話

・普及への活動で述べた通り「チームの努力が最初の一歩」なのでしょう。
・その為にはチーム自体の意識改革が必要なのだと思うのですがただしそれは全く俎上に上らないし議論もされないです。なぜか。

・チームの意識イコール選手個人の意識・価値観であり、その改革は選手個人の意識・価値観の見直しを伴うからです。
・つまりそれは必ず選手個人への問いかけになり場合によっては批判になる。
・ファンはそんなトリガー引けないしマスコミにとってはどうでも良い事。なのでネット上にはまず現れない「議論」になるのです。

・おそらくトリガーを引ける可能性があるのはチームをスポンサードする企業であり、もしくはチームで最も責任のあるポジションにいる者でしょう。
 つまり「選手の皆さんは何を目指すのですか?」「日本のフットボールの為に何が出来ますか」と問いかけられる位置に居る人だ。
・実業団を除くトップリーグのすべてのチームで、この問いかけがなされる事が社会人リーグの発展に向けての最初の目標なのではないかしら。
 その後にようやくリーグとしての方向性を定める為の合意形成。そしてビジョン策定でしょうね(*)。

(*)それを考えると実業団の集まりでスタートしたXリーグが、今やクラブチームの集まりになってしまっている時点で
 ビジョンもプランも出せやしないってのは当たり前なのかもしれん。
 仮に(他の競技を見るに)実業団だけの集まりであっても方向性で足並み揃わないだろうに、現在はチームごとに寄って立つものも違う。
 将来目指すものもバラバラ。これでは合意形成などできる訳がない。
 加えて選手も「今この環境で俺がプレー出来たらそれでよい」となれば声を上げる者もいない。
 ファンは愛するチームや選手に「このままでいいのか」と突きつける事もできない。こりゃ停滞するわ。



3:どうやって進めようか

・でもそのトリガーを引く前に実現しておきたい事がある。

・それは選手自身が「Xは変わるべきだ。Xがこう変わればポジティブな未来が来る」という意識を持つようになってもらう事。
 つまりリーグ変革へのモチベーション、簡単に言うと「夢」を持ってもらう事です。

・中央組織はその為の環境を支える活動をした方が良いでしょう。自らは改革をリード出来ないのだから、改革へのモチベーションを持って
 変化を牽引できる選手やチームを増やしていく動きをするのが適切じゃないかな。少なくとも邪魔にはならんようにしてほしい。

・結局、現状としてはプロプレーヤーになる事は殆どの選手が望んでいないでしょうし「何を目指すのか」と問われても「2〜3年やれたらいい。
 後は引退して仕事に専念。」って人が多いのじゃないかしら。

・これは個人的には社会人として一つのあるべき姿だと思いますよ。全く否定しない。事実、現状はそれに適した姿になっていますし大昔からこの状態です。
 だからこそ長年何も変わらないのではないかしらね。当事者としては変える必要もない環境なのだから変えない。なので進化してないって事です。

・一方で「何が目標か」と問われて「打倒富士通です」「日本一になることです」という人もいるでしょう。

・確かに競技のレベルを向上させ素晴らしい試合を行う原動力となるでしょう。素晴らしい。皆がそう考えれば試合は盛り上がりお客も増えるかも、です。

・ただし今社会人が置かれている状況を大きく変革する方向に向くエネルギーではないです。この熱量をリーグ改革に向けるような施策が必要です。

・それには「その先にある新しいゴール、新しい夢」を用意する必要がある。
 そして「そこへたどり着くために手段と、たどり着けるという手ごたえ・自信を得る機会」もセットで準備してあげれば良い。

・ゴールに向かう手段と自信を手にすれば、トリガーを引かれた際に多くの選手が
 「Xの未来をポジティブなものにするためには、こう変えれば良いのだ」と自信をもって声をあげるでしょう。

・その大きな変革に踏み出す動機付け=夢になりえるものが有るとしたら「未来のフットボーラーに向けての環境整備」しかないだろう(*)。

・その意味で世間の認知の高い競技は「その未来を整える事に価値がある競技」として世間一般に理解してもらえる。うらやましい。
 オリンピック種目やワールドカップの存在する競技はまさにそう。未来=次の大会、次の次の大会の存在が約束されているんだから
 ラグビーもバレーもバスケもそうだよね。

・アメリカンフットボールはオリンピックでは行われず、ワールドカップも不透明な状況。だからこそDreem Japan Bowlを継続開催するのは
 大事だなって思いますよ。

・この試合を重ねていく事で、いつか北米・欧州のプロが個別の選手に注目しはじめることになるでしょう。
 そうすれば海外プロへの挑戦を希望する日本の若者の存在も増えるでしょう。自ずと競技レベルは上がり、その実力を毎年Dreem Japan Bowlで確認する
 そんなサイクルになる。

・この企画を通じて「新しい夢にたどり着くための手段」を手に入れ、同時に「手ごたえと自信」も得られる可能性が十分にある。

・そしてようやく社会人リーグ変革の動機づけがなされるのです。「もっとリーグを変えていったら海外でプロになれる日本人選手が増えていくはずだ」と。
 それが中央組織ではなく。選手・チームから声があがるのです。そして彼ら自身がヒトになる。もしくは彼らが外部から「ヒト」を呼び込むのです。


・何年先になるか不明ですが個人的にはXリーグはせめて「将来プロになりたい人にとって魅力のある場所であってほしい」と思っています。
 プロを目指すトッププレイヤーが在籍しプレーすることに意味のある場所であってほしい。そして(北米に限らず地域は問わないので)
 プロプレーヤーになる上でのゲートウェイの役割を果たしてほしい。

・Xリーグ自体はプロリーグなんて目指さなくてよい。全員が海外プロ選手を目指さなくても良いし、2〜3年で引退する人が大勢混ざっていても良いです。

・ただしを実現する上で「目指すものの異なる選手」が混在するのが不都合ならば、競技団体自体を分ける事を優先してでもゲートウェイ・リーグの位置づけを
 目指すべきでしょう。うん。むしろ分ける方が必然かもな。きっと辛く苦しい決断になるんだろうね。

・先達は自らは仮にたどり着けなくても「可能性を見せる」という大きな貢献をすることになる。後進はそれを見て自信を深めバトンをつなぐ。
 時間はかかるでしょうけど、こんな方法しかないんじゃないかな。

 (*)環境が整った時には自分は選手ではいられないからね。それでも後進のために汗をかけるか。がポイントでしょう。
   そんな思いを持てるようになるには残酷だけども自らの喪失体験が必要だと思います。



4:まとめとしての素案

他の競技と比べ依然黎明期にあるこの競技において中央組織は変革のリーダーシップをとれる段階に無く、変革は選手・チームに牽引してもらうしかない。
その為に、変革に踏み出す動機付け=「新しいゴール、新しい夢」が彼らの中で育つようにしたい。
それには「そこへたどり着くために手段」「たどり着けるという手ごたえ・自信を得る機会」をセットで継続的に提供していく事で時間をかけて
支えていく必要がある。
中央組織自体は変革をリードできない。今は変化をリードする人が育つ環境を中央組織が支える体制をとるしかない。

具体的には定期的に開催する国際試合とその準備がその一つに相当するだろう。
試合を毎年重ねていく事で、いつか北米・欧州のプロが個別の選手に注目しはじめることになる。
それは海外プロへの挑戦を希望する日本の若者の存在も増やす事になる。自ずと国内競技のレベルは上がる。その実力の向上を毎年国際試合で披露し確認する。
このサイクル自体が手段であり「手ごたえと自信を得る機会」になる。勇気→挑戦→自信の循環だ。

そして海外に挑戦した皆は「あと5年早く取り組みたかった」と理解する。次に周りに目を向けるようになる。自分以外の誰が挑戦を続けるのだろうかと。

いきなり他人の為に汗をかけと言っても無理。だが時間切れとなった先達は「未来のフットボーラーの為の環境整備」の重要性にきっと目を向けるようになる。

そしてようやく社会人リーグ変革の動機づけがなされる。それがヒトの登場を実現するんじゃないかしらね。

ラグビー、バスケ、バレーと違ってオリンピック競技じゃない上にワールドカップ開催も不透明なこの競技にとって
「その未来を整える事に価値がある競技」として世間一般に理解してもらうのは極めて困難だ。

その意味でDreem Japan Bowlは良い企画だ。マジのガチンコ勝負ならなお良かったが文句は言うまい。来年も再来年も続けてほしい。

未来に向けて社会人リーグの変革に声を上げられるのは「今日の社会貢献ではなく未来のフットボールに貢献したいスポンサー」と
「今日の俺のプレーにこだわりつつ、でも未来のプレーヤーの活躍を支えたい選手」だと思います。
そんな人を増やし励まし成長させる機会としてDreem Japan Bowlは一役かってほしいです。

「そこからですか」「もはや手遅れ」「今まで何やってた」そう。確かにそう。

だが座して死を待つほど大王は人間が出来ていないよ。散々悪あがきしてから終わっても良いんじゃないかい。




学生編(2024年2月18日)


1:概観

・昨今の学生リーグは集客も少なくTVでの扱いも寂しい限りである。過去のピークが極めて高かった分、どうしても落ち込みが大きく見えるのだが、
 これに対する過度の批判は全くの的外れだ。他の学生スポーツと同等レベルに徐々に近づいて行っている状態で、それらを追い越して一人負けで
 大凹みしている訳ではないです。

・なおピークが糞高かった事を示しておきたくて王国は過去の試合をYouTubeに上げてるってともいえる。

・もちろん現状として問題は問題だが所詮は学生スポ―ツ。プロと同等の競技レベルや運営水準を堂々と要求してよい相手ではない事は忘れてはダメだよね。

・だからといって看過して良い訳ではなく対策は必要。まずは学生スポーツなのだから現場レベルでもっと学生の関与を高めた方が良いでしょう。
 構想や運営は大人がやれば良いが、見える場所の仕事は学生にどんどんやらせ、試合と直接関係ない部分にも学生を登場させたらどうだろね。

・スタジアムを学生の為の場所にする。学生が楽しみ、学び、経験する場所であってほしい。やっぱり学生が見に来てナンボじゃないかしらね?
 もうそこまで遡って考え直す必要があると思いました。学生フットボールにしか提供できない価値を作り出すのが大事なんじゃないかしらね。

・スポーツ全般がスタジアムで観るものからスマホの画面を通じて見るものに変わった段階で、ゲーム、SNS、動画配信、と同じカテゴリの扱いと
 なってしまった。こうなると簡単に競争には勝てない。

・一方で野球、サッカー程メジャーでなくても、過去よりもはるかに集客を増やし興行としても成功している競技もある(バスケとかね)。
 一体何が違うんでしょう。やっぱそこでしか得られない価値があるって事なんでしょうね。

・さて話は戻るが大学フットボールは今後どうしたらよいでしょうか。社会人がTOPリーグながら強力に牽引できる状況ではないので、依然として
 学生界が普及や競技レベルの向上に強く寄与せねばならない状態であるでしょう。

・本来は学生から社会人まで連携して一貫性のある施策で日本のフットボールの発展をデザインすべきだが、そんな事は不可能。
 その括りでは大きすぎてとてもじゃないが合意形成は無理でしょう。

・なので動きやすい単位で動くしかない。できれば地区の連盟単位が望ましいが、難しければ個々の大学単位で動くことになるでしょう。

・方向性として二つ考えたよ。一つは前出の通り今一度、学生に対する価値訴求を行う事。もう一つはプロ・プレーヤーへの道筋を示す事。
 かように大学がスポーツに取り組む意義を見直して、改めてそれを高めていく行いをしていくのが良いんじゃないかしらね。



2:もっと学生をIncludeしよう

・前者は単に観客としてスタジアムに呼ぶ事にとどまらず幅広い分野での参画を進める事を指します。ハーフタイムショーへの学生の参加、
 学生メディアとしての取材対象に始まり試合の情報宣伝、試合以外の企画の立案・運営などの今まで連盟の内部で対応していた事、もしくは周辺に
 外注していたことを学生に積極的に担ってもらうのです。

・例えば振興策、集客策について学生に考えてもらってはだめなのかしら。企業スポンサー集めも大事だけど協力を得やすい団体の存在=自らの
 コンピタンスの一部。と見れば大学の存在ってのは学生スポーツにとって重要な要素(援軍)だと思いますぜ。

・集客増・リピーター増をテーマビジネスプランコンテストとして企画してはいかがかしらね。前提条件は学生協会が提示する共通のお題。
 これに学生がグループでエントリーする。メンバー内の社会学部生が観客動向・意識を調査・整理。経営学部生がビジネスモデルを考える。
 モデル実現に必要なツールは、例えばスマホのアプリならば、情報系学部の学生が作る。各大学チームからのアイディア・情報収集も許可して
 実現性の担保が出来るようにする。もう大学生で知恵が足りなけりゃ院生でもナンでもいいや。もちろん顧問として大学の先生もチームにJoinしてもらおう。

・学生達にとっては立派な卒業制作。これをネタとして引っさげて就職活動でもすればよろしい。優秀なプランとして評価されれば、大学側としても
 喜ばしかろう。各学部生と大学の課外活動が融合して社会を変える活動を行う訳だ。大学の使命の一つを十分果たすことになるんだから、コンテストの
 プレゼン会場ぐらい提供してくれるでしょう。

・スポンサー企業にしても、単なる学生スポーツ大会のスポンサーという位置づけだけでなく、ビジネスプランコンテストの後援企業にもなる訳で、
 社会貢献の観点からより意義深くなりますよ。もちろん審査員として「ビジネスの視点から辛口の評価」をいただきましょう。

・これらだけでなく学生の多彩な活動成果の発表の場としてボウルゲームを活用いただいても構わない。現在も甲子園ボウルの国歌斉唱は全日本学生音楽
 コンクール全国大会声楽部門の方が担われているが、あのように他の様々な課外活動と連携していわゆる「仲間」を増やす事は、活動の基盤を強固にする上で
 極めて有効であると考えます。



3:プロ・プレーヤーを目指すプログラムに挑戦しよう

・もう一つのプロ・プレーヤーとしての道筋の件。

・本来は大学スポーツが取り組むべきかどうか悩ましいが、この際もう取り組むべきだと考えます。普通にチームに参加して普通にリーグ戦を戦うのだが、
 その取り組みの中で、卒業後にプロ・プレーヤーになる為のプログラムを新たに組み込む。そんな企画を始めるのですよ。

・プロ志向の強いメンバーを選抜し毎年CFLなりのコンバインを受験する。対策のノウハウを蓄積し練習メニューに落とす。もちろんポジション毎の技術、
 フィジカル・ストレングスに加えてフットボール・イングリッシュの強化も行うのです。

・そして実戦でプログラムの成果を確認する為に年一回の国際試合をオフシーズンにでも行えば良い。これでコンバインに向けて箔もつくでしょう。

・もちろんカネは山ほどかかる。で、ひとつ期待が出来るのが昨今の関東学生リーグだよ。

・理由は2点。まずカネを集めるうえでのハードルを昨今ではかなり引き下げていて、スポンサー企業をチーム単位で集めやすくしている点。
 もう一つは日大が去った今、自動的に順位は一つ上がる環境にある。つまりは大学側のサポートを得やすい状況にある点です。

・プログラムの効果でチーム力は向上するはずで、法政、早稲田を上回れば嫌でも甲子園が見える。また国際試合は大学としての国際交流にもつながる訳で
 投資の効果を出しやすい。スポンサー企業を集める際にも、日本の若者に新しい職業の可能性を見せる事ができる活動である点を新たに加えられるので
 価値の訴求力もより向上するでしょう。

・こうやって一人でも二人でも、そして一年でも二年でもプロ・プレーヤーとして活躍するメンバーを輩出できれば、そのチームは選手のリクルーティングに
 おいて稀有なアドバンテージを得ることになる。いわく「XX大学から世界へ!4年後にプロ・フットボーラーを目指す君を待っています!」だ。

・もちろん某チームが成功したら、それに続く大学も現れる。これで関東の大学リーグは関西への有望選手の流出を逆転できるし、それどころか他競技からの
 参入者も集められる。(なので西高東低を覆すにも最適な策でもあると言える。)

・ここまで書いて「それって大学がやるべき事かしら」と思うかもしれないが、もうやっちゃえば良いんじゃないかしら。そしてやるならXじゃなく学生の方が
 企画として実現しやすいし、準備に時間をかけられる分、効果も出やすいと思うのですよ。

・Xリーグのチームでも取り組めなくはないでしょうけど、スポンサードされたカネはチーム運営、リーグ運営に回すのが優先でしょう。実は大学の方がまだ
 実現のハードルは低いんじゃないかしらね。

・そもそもオリンピック競技ではないし、ワールドカップも開催が安定しない、その他の国際大会もアジア大会も存在しない。そんな競技がアメリカンフットボール

・海外はおろか国内にもプロ・プレーヤーはほぼいない。選手が競技を続けるモチベーションは他の種目よりも続かないし且つ低くなるのは自明です。

・これとても大きなハンデです。もちろん企業スポンサーも付きにくい。メディアへの露出も少ない。なのでヒトもカネも集まらぬ。モノ(=選手・チーム)のよって
 立つ基盤も弱い。そんな現状です。

・かといって日本には国際大会の開催を推進する力はなく、唯一あるのはプロ、しかも海外のプロ・プレーヤーへの道を開いて示すことくらいです。

・なのでXが取り組んでいるCFL協業(*)は極めて真っ当な選択。ちょっと先で道が途切れてるってのに「競技人口が増えない」と嘆くのも良く考えたら変でしょ。

・ただしXプレーヤーになってからCFLもしくはNFLのIPPにチャレンジするには与えられた時間が、あまりにも短すぎると思うのです。

・身体能力でアフリカ勢に劣り、将来性(=若さ)でも劣りでは勝ち目は少ない。やるなら大学生の間から十分に準備するべきで、在学中から卒業後数年までの間
 チャレンジし続けるくらいのスケジュール感で取り組みたいよね。その為には大学レベルでコンバインで勝つためのプログラムを用意して対抗するのは極めて
 リーズナブルだと思うのです。

・もちろんシラキュース大の菅野選手のように大学から米国に移るよってのもアリだし、現状はそれが唯一の正解だと思います。プロへの道を考えたら既に確立
 されているルートだからね。

・でもね。ほとんどの選手の競技生活が大学生からスタートする国内アメリカンフットボール界において「興味を示し決心した時点で既にルートに乗れない」って
 のは日本での普及を考えると競技としての魅力を著しく損なってるのですよ。それにアメリカの大学行ってプレーしてってお金かかってしょうがないしね。

・それでなくてもNFLは今やJapanを含めたアジアではなくアフリカを見ている。スーパーボウルのCMを見たらわかるじゃん?それにIPPなんて一見チャンスだし
 有難い話ではあるけれど「本当は(WRじゃなくて)ラインを欲しかったんだよね」って発言まであって(笑)・・・発言の真意は不明だが視聴者市場としても
 選手の供給源としてもNFLにとって今の日本に魅力は少ないって事だよ。ここから改めて日本の価値を示すには強力に取り組み、それをNFL含め海外のプロ
 リーグに示す必要があると思います。

・一方で立教大学が元NFLのQBを招聘して大々的にクリニックを行ったり、NFLがXの選手をピックアップして動画を制作・配信するなど細くはなっているが、
 まだNFLの視界の片隅にはJapanはまだ存在しているようです。完全にOut of 眼中になる前にPositiveなActionが必要ではないかしらね。魅力は少ないと
 言ってもそれは相対的なもの。まだチャンスはあると考えてよいと思います。

・過去には(20年以上前に)アメリカンボウルの情宣で来日したQBジェフ・ガルシアに大学でクリニックをお願いして成功したりって事もありました。
 様々な企画で来日する選手・関係者を捕まえてJapanの取り組みの進捗や成果を直接的に見せていくのは大事な事でしょう。

・外国人も人間です。会って実物を見せて凄さを訴えれば、少しづつでもこちらを向きますよ。椎名武雄じゃないけど「Sell NFL in Japan.Sell Japan in NFL」が
 大事だと思います。

・「プロ・プレーヤー排出に向けて新たにスペシャルな取り組みを始めた。そして徐々に実績を積み始めた。」それを対外的に継続的に示し続けるのです。
 並行して、現役学生の学生フットボール界への参画を推進しておくことで国内での活性化を維持させます。かように多方面に競技としての認知を高めておけば、
 プロ・プレーヤーを多く輩出した際に、彼らに有形無形の形でサポートポジションをとってもらえるようになる。わかりやすく言うと海外プロの試合を
 見てもらえるようになる。もちろん社会人リーグへのPositiveな影響も出るはずです。

・そんな取り組みを社会人だけじゃなく学生がバリバリと見せる必要が本当に出てきた。今はそんなタイミングな気がしますなぁ。


(*)
・あと本音を言うとCFLやELFも素晴らしいけど、やっぱり最後にはNFLにたどり着きたいのよね。CFLってフルゲーム参加できてグレイカップに出場しても
 グローバルプレーヤーの場合、総額で年収900万円程度の収入にしかならんらしい。しかも税金をカナダと母国両方で払うとか。
 CFL or ELF, GFL? Top International players split on their pro football future
 日本の企業勤務だったら福利厚生含めるとそれとトントンか、選手を引退しても雇用が継続するならXでプレーして引退する方が低リスク。そりゃXで
 プレー出来てりゃそれでいいわって思うよね。
 そうなるといくらELFよりもレベルが高いと言われNFLに次ぐと言われてもCFLでプレー続ける意味ですら薄いでしょ。NFLまで行かないとやっぱり夢がないし、
 それ以前に食えないのですよ。今CFLに挑戦する意味はプロ・プレーヤーとしての体験とNFLへのステップアップの挑戦権獲得。この2つしかない。一足飛びには
 いかないのでここから積み上げるしかないのでしょうね。

以上

いろいろと思うことを書いておく