第四節はこうなる





近畿大 VS 大産大


実は後が無い近大 必勝体制で来るか 
勝負の鍵は大産大QB藺牟田のGuts


前節、ついに爆発した近大攻撃。守備に不安を抱える同志社相手とは言えパス、
オプションが面白いように決まり快勝だった。これで波にのりたいところだが 
...実はこの試合は絶対に落とせない試合である。前年4位チームは前半戦 
を落としつづけると苦しくなる。3強との対戦を残して白星を積んでおかない 
と一気に入れ替え戦に回る可能性が出てくるからである。現在1勝の近大とし 
てはこの試合を落とすと安全圏に入るには3強から勝ち星をあげなければなら 
なくなるのだ。鍵はやはり杉田、土手下の両輪。このランプレーがコンスタン 
トに出ればゲームをコントロールできるだろう。守備は昨年ほどの迫力は無い 
がQBにプレッシャをかけられれば完封も可能だ。実は(覚えている人もいる 
かもしれないが)今年は4年に1度の「悪魔の年」なのである。良くも悪くも 
予想できない近大であるがこの試合では前年4位の意地を見せて欲しい。   

では一方の大産大に勝機は無いのか?。これが「ある」のである。守備はかつ 
ての迫力は無いが経験豊富な攻守兼任のエース中野を筆頭に1年生DLも元気 
だ。LBに若干の不安は残るものの、総合的には同志社守備よりもバランスは 
良い。近大攻撃がシンプルな力勝負を挑んでくると試合終盤にスタミナ切れか 
ら突き放される可能性は否定できないが、前半を持ちこたえれば十分勝負でき 
るだろう。一方の大産大攻撃だが、これはオプションの展開に持ち込むのが理 
想であり、本来の姿だ。ベースを作るのはFBだが、瀬川が完調では無いだけ 
に、これは限界があるだろう。                      
しかし一方ですっかり大黒柱と仮したWR中村に加え1年生レシーバも自信を 
つけつつある。負傷者の多い中、今季目だった活躍は出来ていないがTB磯脇 
は健在だ。ラインも今季の近大DL相手であれば少なくともプロテクションは 
維持できるはず。では何がポイントになるか。QBである。         
RBのランバリエーションに限界がある状況である。パスオンリーでもドライ 
ブしきれるかも疑問である。ではどうするか。QBが走るしかない。QBが決 
めるしか無い。QBが打開しなければならないのである。ダブルスロットから 
のパス多投にでるか、強引にオプションの展開を作り出すか、プランは読みき 
れない。しかしQBが勇気をもってスクリメージを切れ上がり、QBが自信を 
持ってターゲットに投げ込めば前進は十分可能な力関係だと思っている。それ 
に消耗を強いられるだろう守備の負担を軽減するためにも攻撃はボールをもち 
続けなければならないのだ。                       
抜群の強肩とLOSを抜けた時の高い走力を持ちながら藺牟田が本当に爆発し 
た姿を見ていない。生き残りとプライドを賭けて勝負に出て欲しい。全ての鍵 
はQB藺牟田が握っていると言っても過言ではないだろう。         




KG VS 神戸


強力神戸守備フロントとKG攻撃
神戸攻撃の時間消費が点差を詰める


反則に次ぐ反則で、ことごとく得点機をつぶしまくった前節のKG攻撃。決し 
てオーバーパワーされている訳でも無ければ慌てなければならない状況でもな 
かった。実際、反則で大罰退した後、スムーズにゲインして加点したりとチグ 
ハグもいいところ。とても精度の面で高いとはいえない。明らかに集中力が欠 
落している。これが連覇の後遺症というものであれば情けない話である。この 
試合は1点差でいいから勝てばよい。完成度の高い攻撃に期待している。レシ 
ーバ陣は#80中林、#89東井が安定してきたがパスアタックそのものの信 
頼度がまだまだ低い。少なくともQB尾崎のパス能力をフルに引き出せる陣容 
にはなっていないように思える。強力な神戸守備フロントのプレッシャー下で 
パスを通すのであれば、今のレベルでは不安が残る。(逆にある程度のプレッ 
シャの中、安定してヒットすることが出来れば、「成長」として見ることが出 
来るだろう)。またランに関してはベストメンバーは揃わないであろう攻撃ラ 
インが神戸DLをコントロールできるかどうかが鍵だ。           
さてKGで注目はLB,DB陣。若手をとっかえひっかえ投入しているがこち 
らも核になる存在がなかなか見えてこない。この試合でブレイクしてくれる若 
きエースが出てくれれば面白いのだが。攻守ともに昨年よりレベルダウンして 
いる中で連覇を口にするのであれば、まだまだやらなければならない事は山の 
ようにあるのではないだろうか?負傷者が多いのも問題だが、攻守とも締まっ 
たプレーを見せて欲しいものだ。                     

さて前節奮戦したものの立命に”やはり”大量失点を喫してしまった神戸。こ 
のKG戦での見所は守備フロントがどこまでKGのランを抑えられるかだろう。
クイックネス溢れる主将牧野以下整備されたDLとバランスのよいLB陣が機 
能すれば一発ロングゲインを許す事も、そう無いだろう。後はレシーバ陣にい 
まだ核の無いKGパス攻撃をしのげば、ロースコアに持ち込む事は不可能では 
ない。ただし神戸としては攻撃陣のドライブ力不足が致命的に悩ましい。前節 
の大量失点は守備の責任と同時に攻撃の時間消費がまったく出来なかった事に 
大きな要因の一つだ。                          
さてここにわずかながら光明がある。KG守備を突破するにはパスをある程度 
通したいが、これもまた整備の完了しないKGDBを相手であれば不可能では 
ない点だ。QB#33をTBに回すなど総力戦で立ち向かえば得点機を作る事 
は十分可能だろう。KGDLのラッシュをかわすプレーセレクションに期待が 
かかる。この試合を見ることで神戸を軸にKG,立命,京大の力関係を計る事 
ができる。アップセットの可能性は高くは無いが面白い試合になりそうだ。  




立命大 VS 甲南大


またまた爆発するか立命ショットガン
攻守に苦しい甲南 バランスアタックで挑むか


爆発に爆発を重ねて神戸ニッケルに梃子摺りながらもやっぱり爆発した立命シ 
ョットガンだが、この試合でも爆発するだろう。甲南は昨年の対戦でやはり5 
DBをフラットにならべるアライメントで挑んだ。しかしWR対DBのスピー 
ド差を埋めきれず、DLもプレッシャーをかけきれなかった事から大敗を喫し 
た。これは前節、立命と対戦した神戸と同じ展開だ。            
立命はすでにニッケルバック対策はある程度完成させたと言っていいだろう。 
DL,LB、DBの個々の力量によって余裕に差が出てくるだろうが、以前の 
ように慌てる事も無く、高い精度でプレーを積み上げられるようになった。シ 
ョットガン以外のセットバック体型からの力勝負に若干の不安がある程度で、 
普通にやっていれば問題なく勝利できるだろう。守備も特に不安は無い。ショ 
ート・ミドルパスのカバーでイージーにフリーにしてしまう事はあるが、トー 
タルで見れば大きな問題にはならないだろう。               

さて勝敗は動かしがたいが甲南攻撃がどこまで時間消費できるかで点差が変わ 
ってくる。吉田が連続キープしてもダウンを更新し続けるのは厳しい。前節K 
G戦で見事なTDドライブを演出したQB大西に期待してみたい。長身、俊足 
の吉田をターゲットとして送り込める分、脅威が増すだろう。KG戦で見せた、
パスルートの組み合わせで無理矢理レシーバをフリーにするなどの工夫で挑ん 
で欲しい。守備がもう少しスピード勝負できれば吉田の3rdパントも面白い 
のだが。                                




京都大 VS 同志社


QB水野&同志社カルテットが京大DBに挑む
ランで圧倒したい京大 エース川並の復帰は?


3試合を消化して勝ち星の無い同志社だが明るい話題はパスアタックに目処が 
立ちつつある点だ。実績組の要(かなめ)、ショートパスの久世、TE池内、 
ルーキー天野の4人のレシーバが非常に活躍している。QB水野のガッツもあ 
いまってパス、パスでドライブしていく様はなかなか気持ちが良い。良いター 
ゲットが揃った事によりエース要は昨年よりも長目のパスの脅威を与えられる 
ようになった。またレシービングTE天野が良い。大産大のQB/RB/WR 
として活躍した天野の弟だがキャッチしてからのランが魅力。ここまでスキル 
ポジションが揃ってくるとはシーズン前では予想できなかった事である。   
さて対する京大守備がパスカバレッジに不安を残したままここまで来ているだ 
けに得点は十分可能だと考えられる。QB水野の負担を減らすべくRB#20 
をもっと走らせたいところだ。機動力のある水野のキープとロールオプション 
(ロールORピッチ)だけでは無く、ここは一つ奇策も楽しみにしたい。   
では同志社に勝機は?と言われると少し厳しいか。問題は守備にある。DLは 
サイズは無いものの決して悪くは無い。不安の残るのはDB,LB陣のフォロ 
ーだ。京大のRBは#31,#2ともとにかく人に強い。タックルを浴びなが 
ら足を掻きつづけるその様子は、特に#31などはかつての重戦車:森口を思 
い出させる迫力だ。DLが健闘しながらLB,DBのタックルミスからズルズ 
ルと、もしくは一気にロングゲインを許しかねない。こうなると京大のペース 
になる。エース川並の登場は微妙だが前節攻撃を指揮した金沢もランとミドル 
までのパスであれば存分に活躍できるレベルに成長している。        
この力関係では、いわば同志社は(極端で申し訳ないが)最初から最後まで得 
点し続けなければ勝てない展開になってしまうのだ。前半でリードを奪えれば 
同志社としては面白い。逆に早い時間帯でリードを奪われれば最後まで圧倒さ 
れる可能性がある。終盤戦に向けて、依然として(川並が出ていない事も有る 
が)「何もしていない」京大である。うまく行けばこの試合も「何もしないで」
と言うより「何も見せずに」勝利する事ができるだろう。個人的には何か気配 
だけでも見てみたいのだが。                       



                        以 上         



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