第五節はこうなる




立命館VS京都大


業務多忙により、第五節はこのカードのみのコメントとさせていただきます。 

立命館はすでにニッケル守備の対策を打てる状態になっているのは今年の神戸 
戦で判明している。京大守備と神戸守備を比較した場合、単純比較はできない 
が互角かやや京大が上といったところだろう。               
しかし立命にとって危険な要素が二つある。一つは京大にはそれでもショット 
ガン守備のノウハウがあるという事だ。今年神戸が見せたニッケル守備は昨年 
京大が対立命戦でみせたものと同等のレベルでしかない。今年の京大はこれに 
プラスアルファを加えた守備を登場させてくる可能性が高い。ここが計算でき 
ない。もう一つは厄介な奴、近藤の存在だ。この選手の起用によっては一時的 
にせよドライブを中断させる可能性が出てくる。              
京大守備は昨年とイコールもしくは向上していると言える。しかし単純にフル 
パフォーマンスを引き出すには工夫が必要だ。ここで鍵をにぎるのがマルチプ 
レーヤー近藤の起用方法。どこで使うのが彼をフル回転させる事ができるか。 
これはもう2列目しかない。1列目でラッシュに終始するのも手ではあるが、 
全てのプレーに絡ませるのでればやはり2列目だ。パスラッシャーの駒が不足 
する分、不安があるが、ここはLB中村を投入しカバーさせる。もちろんゾー 
ンブリッツの準備もあるだろう。そして京大独特のショットガン守備のノウハ 
ウがそこにはまれば面白い。                       

さて対する立命攻撃だが、.....。                  
京大守備はやはりニッケルで来るだろう。そして立命はニッケル対策を打って 
くるだろう。京大が5DBをフラットに並べるアライメントは予想がつく。  
これに対して立命は最初はDBの手前までのパスで勝負したい。いかなスピー 
ド差があるとは言えイージーにディープに投げ込むのは危険だ。おそらくミド 
ルパスではフィールドを横切るパターン。アクロス、イン、コーナーが予想さ 
れる。京大LBとのミスマッチを突く訳だ。パスそのものは短くし、コースは 
スピード勝負で勝利できるものをチョイスしリスクを減らす。同様の意味でR 
Bへのヒッチ、スイングも用いるだろう。パス自体は短いがキャリアが確定し 
た後スピードで抜いてしまうのを目的としての使用になる。これで京大守備を 
翻弄できれば次にQBを走らせる。すると次第にディープが空いてくるから放 
り込んでみる。こんな順番だろうか。                   
今年神戸は対立命戦の後半から3DLに変更している。4DLでラッシュして 
も意味が無いというのと、ヒッチ、スイングからスピードでぶっちぎられるの 
を警戒しての話だろう。DB、LBが早い上がりでつぶせれば回りきる前にL 
OSで食い止めることも出来る。その意味で後半はやや後ろに意識を置きなお 
したということになる。事実神戸はこの立命戦の後半はスイングなどからの大 
きなゲインは守備の早い上がりで許さなくなってきていた。京大も同じポイン 
トに力点をおくだろう。                         

立命攻撃のバリエーションが増加し、プレーの精度が向上しているのが最も厄 
介なポイントだが、こればっかりはどうしようもない。ここまで立命がSGに 
終始していればともかくセットバック体型も用いている。京大がニッケルのメ 
ンバーだといきなり立命にパワー系で来られるとしんどい。立命攻撃がSGで 
どうしても京大守備をストレッチできなければ一時的にセットバックからのプ 
レーを続ける可能性も出てくるだろう。                  

さて、試合の鍵を握るのは京大の攻撃陣だ。久々にパッサーの登場、レシーバ 
陣の駒不足の解消と経験、元気なRB陣とくれば昨年までと比較して大幅にパ 
ワーアップしている。今年神戸がニッケル守備をひきながら結果大差で敗れた 
のは、攻撃陣がボールをもちつづけることが出来なかった点にある。神戸とは 
比較にならない程、今年の京大攻撃は力がある。まず京大攻撃は得点をすると 
いうより、FDを獲得しつづける、否、時間を稼ぐ事を第一義に考える必要が 
ある。攻撃がボールを持ちつづければ、相手の得点機会は大幅に減少し結果得 
点力を削ぐ事になる。そしてここにも登場するのが近藤だ。RB投入は前提と 
考えておくべきだろう。どうせショートヤードを強引に取りに行かざるを得な 
い状況になると思う。そこでの近藤の投入と、そのフェイクプレーで一気にロ 
ングゲインを狙ってみる。と、こんな事ができれば面白くなるだろう。攻撃陣 
では加えて#33,#2といったRB陣が元気である。この試合での主たる体 
型は予想できないが、スプリットラインの両TEのフランカーIなど面白いや 
もしれん。さて試合開始以降、第一シリーズから第三シリーズまでダウン更新 
が、無いようであれば一気に期待はしぼむが、逆に単純なプレーが出るようで 
あれば面白い。                             
注目のQBの起用だが攻撃バリエーションの観点から、病み上がりながら先発 
はパッサーである川並で行きたい。高校時代の川並のプレーを見たことのある 
人であれば、この春までの川並のパスに違和感をおぼえているはずだ。この人 
は浮かしたパスをコントロールよくポイントに落とす事もできるが、いわゆる 
鉄砲肩が本来の持ち味である。正直、まだ100%の力で投げ込めていないよ 
うに思える。本来、矢のようなショートパスを投げれる事を考えるとタイミン 
グの早いパスをアンダーニスに積極的に投げてくる事も考えられる。しかもノ 
ーハドルで。もちろんパス多投のリスクはあるので出来れば地上戦に終始し押 
し切れれば理想ではある。しかし挑戦者・京大であれば、あえてそれで仕掛け 
てくる可能性も否定できない。                      

またキッキングでもK西、P金氏と揃い不安は無い。そして何よりQB川並が 
高校時代からパンターとしても非凡であるという点を忘れてはいけない。3r 
dダウンで京大攻撃がノーハドルでSGにセット。そしそのままパントという 
のも十分考えられる。となるともちろん4thダウンでのSG体型の採用もあ 
りえる。どこかで使ってくる可能性が高い。さらに裏を書いて金氏がパスを投 
げるかも。                               

そう考えると攻守蹴とも去年に比較して京大は打てる手数が明らかに増えてき 
ているのがわかる。では勝てるかというと、すんなりは行かない。立命の攻撃 
精度も高まり、バリエーション自体も増えているのだから。ただ、巷で言われ 
るほど今年の京大は弱くない。京大に勝機は十分ある。あくまで得意の展開に 
もちこみ、後半に入れることが前提にはなるが。              

攻守ともにもたつきを見せる今年のKG。それを考えると気が早いが優勝決定 
戦ともいえるカードである。ナイスゲームを期待したい。          



                        以 上         



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