DIV.2観戦記




10月12日(土)関西大学vs龍谷大学 At長居球技場

    1Q 2Q 3Q 4Q 計 
関西大  7 14  7 10 38
龍谷大  0  7 21  7 35


ド という訳で、Div2Aブロックにおける最大の焦点と目された関大と龍 
  谷の一戦についての感想なんだけど。                 

T あの、どうして私がここに座ってるんでしょうか?           

ド いやぁやっぱり一人でモノローグ形式の観戦記にするとさ、段々表現が激 
  烈になっちゃって、冷静に振り返ることが出来なくなっちゃうんだよね。 

T それは分かりますが、どうして私なんでしょう?大王様でもルパン官房長 
  官でも良いんじゃないですか?私、来年度の予算折衝の業務が・・・   

ド いや、大王様はほら、最近某国皇室に対抗してバカ親一直線で1部の試合 
  以外に興味も使う時間もないらしいし、ルパぞうは相変わらずフォワグラ 
  だし(笑)あ、そうそう予算申請は当然マイナスシーリングだから、そこ 
  んとこ、よろしくね。                        

T え!?せめて前同100%は保証を・・・               

ド いや、王宮と宰相官邸の維持費が上昇しちゃいそうなんだよね、来年から。
  そういうわけで、善処してね〜。                   

T む、むごい・・・(涙)                       



序盤は一方的!?

ド それにしても、派手なゲームだったよな。               

T 甲子園の視察予算が・・・入替戦トーナメントの視察日程が・・・関東方 
  面への外遊予算が・・・(電卓片手に半目状態で鉛筆の尻をかじってる) 

ド 何ぶつぶつ泣き言言ってんだよ、うっとーしいったらありゃしない。   
  うりゃ!                              

T あ〜、自治省の予算申請書が〜!来年度の費用が〜!!!徹夜の日々が〜 

ド はいはい、書類がなくなっちゃったからもう書類とにらめっこできないだ 
  ろ。とっとと会話に参加しろって。                  

T 宰相殿、あんた、小学校の通知表に「自己中心的」って書かれたタイプで 
  しょう。絶対そうに違いない。                    

ド 俺の小学校時代の話なんてどうでも良いから、さっさとフットボールの話 
  に入ろう。で、さっきも言ったけど、最後までどちらに転ぶか分からない、
  派手で手に汗握る試合だった。                    

T あの、迎賓館でも話題になってたファーストドライブでの龍谷のギャンブ 
  ルなんですが、宰相殿は「ギャンブルはやめとけ」派ですよね。     

ド うん。というか「取れる点は取っておけ」派というべきか(苦笑)    

T 宰相殿がそう考える根拠は?                     

ド 1.試合が始まった直後でこのあとどう展開していくのかまだまだ混沌と 
    している状況だったこと。                    
  2.重要な試合であればあるほど、ややもすれば小さな点数が勝敗を分け 
    るポイントになりやすいこと                   
  3.相手のミスから得たチャンスであること              
  4.それまで順調にゲインしてきたのが、ここで残り1yとはいえ止めら 
    れてしまったこと。しかも自分達の反則が原因。          
  5.相手が自分達と互角かあるいは若干戦力的に上回っているとみられる 
    チームであること。                       
  6.龍谷自身まだ入替戦に駒を進めたことがないチームであること。   
  ざっとこれぐらいかな。                       

T でも、最後の5.6.については「だからこそ挑戦者としてあそこでギャ 
  ンブルを」ということも考えられますよね。実際『長居が好き』さんの意 
  見はそうだった訳ですし、私も「そういう考え方もありかな」と思います 
  もん。                               

ド まあね。そういう意見についても一概に否定するつもりはないんだけど、 
  というかギャンブルって積極的にやるべき時とやるべきではない時の判断 
  って紙一重だし、結果論になりやすいんだよね。            
  やっぱり重要なのは1.と2.かな。こういうある意味天下分け目の試合 
  の場合、先制点を奪うということは極めて重要になってくる。たとえFG 
  による3点であっても、同じTD数で相手の点数を上回れるというのは精 
  神的に非常にリラックスできると思うんだよ。実際、関学にしても京大に 
  しても、こういうシチュエーションでは頑固なまでにFGを蹴ってくるし、
  立命館もここ数年こういうシチュエーションではコンサバティブなプレー 
  チョイスをするようになってきているだろ。実力の近いチーム同士の対戦 
  ではそれだけ先制点の持つ意味って大きいと思うんだよね。       

T なるほど、そういう考え方ですか。                  

ド あとさ『長居が好き!』さんも書いてくれてたけど、ギャンブルするなら 
  スイープはやっちゃ駄目だと思う。あそこは絶対にタックルとタックルの 
  間で勝負するプレーでないと。スイープでオープンに回すプレーって、抜 
  けたらロングゲインが期待できる反面、常にロスタックルの危険性がつき 
  まとうプレーだから、自陣深くやゴールラインディフェンスを敷かれてい 
  る状況ではリスクが高い。オプションチームが良くゴール前でピッチして 
  ロスタックルを受けるシーンがあるだろ。本質的にはあれと一緒。    

T 確かに。                              

ド もし百歩譲ってあのシチュエーションでギャンブルするとしても、極力リ 
  スクは少ないに越したことはない。そういう意味ではボールを後ろに回す 
  プレーよりもタックルからタックルの間で勝負した方が、一発TDはなか 
  ったとしてもダウンを更新できた可能性はまだあったと思う。ま、この話 
  はここまでにして、続き続き。                    

T で、そのあと関大が自陣3or4yからかなり徹底した地上戦でじりじり 
  と陣地を挽回、結局97yのドライブを完遂させちゃうんですが、このド 
  ライブもさることながら、最後まで関大のランが出続けた感じですよね。 
  なんか、龍谷ディフェンスがランを止められる雰囲気がなかったんですが。

ド 関大のランが(基本的に)最後まで出続けた最大の理由はDBのクッショ 
  ンの深さにあると思うんだよね。例えばSFならスクリメージから10〜 
  12y程度の深さにセットするのが基本的なアラインメントだし、CBは 
  ゾーンの時はWRから7y程度、マンツーマンで5y程度にセットするの 
  が一般的なんだけど、この試合における龍谷DB陣はSFがスクリメージ 
  から15y、CBもWRから10y近く離れてセットすることが多かった。
  これは試合の最後までほとんど変わらなかったんだけど、関大がオプショ 
  ンを軸にオフェンスを組み立てる上では、これほど有難かったことはなか
  ったんじゃないかな。                        

T ???                               

ド 深めにセットするっていうことは、基本的にパスに対するケアを重視して 
  の選択だと思うんだけど、この試合、関大はパスの比率が物凄く低かった 
  し、たまに投げる時も#8丸山の肩が全然上がってなくてサイドスローに 
  近い投げ方だったろ。                        

T そういえば確かに。という事はパスはほとんどないか、あってもショート 
  レンジへの速めのパスが大部分になってくることはある程度予想できる、 
  と。                                

ド それともう一つは関大の3バックシステムへの対応の問題もあった。   

T 関大のフレックスボーンって、ここまでの試合で使われてましたっけ?  

ド 第3節については分からないけど、1,2節では使ってなかった。だから 
  確かに一時的に混乱するのは分からないでもないんだけど、結局最後まで 
  対応できなかったからねぇ。なんていうか、3バックシステムってまずラ 
  ンに特化した体型だと考えていいと思うんだけど、その割にSFが前目に 
  セットすることってほとんどなかったし・・・             



何の因果か一進一退

T なんか、ここまでやってきて、龍谷大は良いところ無しみたいな雰囲気な 
  んですけど(汗)                          

ド 序盤から中盤にかけての展開は完全に関大にコントロールされてたし(笑)
  でも、龍谷大だってオフェンスが全然進んでない訳じゃなくて、それなり 
  のゲインはしてたんだけど、やっぱ3rdDown、4thDownに追 
  い込まれるシーンが多かったからね。                 

T しかし、実際には中盤辺りから徐々に龍谷大のペースになりつつあったよ 
  うな気がするんですが。                       

ド 確かに。                              

T これってやっぱりあれっすかね?関大の悪い癖が頭をもたげてきたって言 
  うか・・・                             

ド 先制して突き放すとあっさりと集中力がどっかへ行っちゃうってやつ?  

T そうそうそれそれ。過去2年間の入替戦を見てると、序盤にポンポンと連 
  続して点を奪うんですが、その後はぷっつりと音なしの構えになっちゃっ 
  て、結局終了直前に逆転されるという、絵に描いたような竜頭蛇尾の試合 
  展開を繰り返してますよね。                     

ド りゅ、竜頭蛇尾って・・・(苦笑)まあねぇ、確かに。         

T 私が思いますに、3本目のTDを挙げた辺りから関大のDBが若干引き気 
  味のアラインに変えたのが一つのポイントではないかと。        

ド ほうほう。                             

T 実はここまでの展開で、龍谷大は決してオフェンスが出てない訳じゃなか 
  ったんですよね。                          

ド 確かにね。あっさり3回で攻撃を終えてしまったシリーズって一回だけだ 
  し、結果的には失敗に終わっているものの、FGチャレンジだってしてる。
  決して内容的には一方的に関大が押し捲ってきた訳じゃない。      

T 3本差がついた辺りから、龍谷大はそれまで余り使わなかったパスを織り 
  込み始めましたよね。特に目立ったのがDBとLBの間に投げ込むパター 
  ンと、それからスクリーン。                     

ド いずれも関大のSFが深めにセットしてたためにかなり有効なプレーとし 
  て、3rdDownとかで使われることが多かったんだけど、このプレー 
  もライン戦で互角以上に戦えていたからこそ有効に機能したんだよね。  

T それと、龍谷大にとって良かったのはやはり前半終了直前にTDを奪って、
  21−7で折り返すことが出来たことですかね。            

ド 前半最後のTDドライブも、何度か4thDownに追い込まれながらギ 
  ャンブルを重ねて何とかもぎ取った訳で、そういう意味ではアップアップ 
  しながらの得点ではあったけど、完封された状況で折り返すのに比べると 
  後半の気合の入り方に雲泥の差が出てくる。こういう状況では当然ながら、
  ギャンブルは積極的にやっていかないとね。              

T 後半は正直言って一進一退というよりは龍谷大がずっと押してましたよね、
  雰囲気的に。                            

ド 関大も点は取ってるんだけど、一発でTDしてる分オフェンスの時間が短 
  いだろ。それに後半の龍谷は最後のファンブルを除いて全てのドライブを 
  TDに結び付けている。そりゃ完全に流れは龍谷大サイドに行くよ。   

T それにしても4Qの応酬は手に汗を握りました。龍谷大が追いすがると関 
  大がなんとか突き放そうとする。35−35になった時点では完全に龍谷 
  大が逆転するものと思いましたが・・・。               

ド あのプレーはねぇ・・・仕方ないといえば仕方ないよなぁ。確かに相手の 
  セットが遅れてたし、3Qには同じように相手のセットが遅れたのを見て 
  プレーを開始してTDを奪ってるし・・・。              

T という訳で、最後は関大が試合終了と同時にFGを決めるという、極めて 
  劇的なラストシーンになった訳ですな。                

ド いや、面白い試合だった。特にフットボールに興味を持ち始めた人が見た 
  ら絶対にハマる試合だったと思う。                  

T 片や一発独走のTDあり、片やロングパスありで見た目にも派手でしたし、
  どちらかが一方的に得点を重ねるといった力量に差のある試合でもありま 
  せんでしたし。ただ、勝った関大にしても敗れた龍谷大にしても、どうし 
  ても最後までアジャストできない部分が残りましたよね。        

ド うん、そうなんだよな。それがなんとなく魚の小骨のように残ってるんだ 
  けど、まあ全体としてはフットボールの面白さを如何なく見せてくれた試 
  合だったと言っていいんじゃないかな。                

T というわけで私は予算編成の仕事に戻らせていただきます。ああそうそう、
  今回の対談は時間外労働ということで、別途申告させていただきますので。

ド 金なら払わん!(「大川興○」調で)                 

T それから...今年度一杯は関東への外遊はグリーン車は禁止にします。 
  自由席料金までですよ。それと宿泊は認めません。原則日帰りです。あと 
  接待費も凍結します。それと交通費全般の請求は年度末までストップです。

ド エ、そりゃ困るよ〜。大王様に言いつけてやる。            

T いいですよ。でも薮蛇ですよ。どうせ「ん?なんで新幹線なんだよ。夜行 
  バスでいいだろそんなもん」でオワリですよ。下手したら「デリちゃんみ 
  たいに青春18キップ使え」とか言い出しかねませんよ、あの人。    

ド マズイなぁ。まだ王宮の普請が終わってないんだよな、俺。...自治省、
  お金貸してよ(笑顔)。                       

T (電卓を叩きながら)無いって言ってるじゃないですか。ハイ、終了終了!。

ド イケズ。                               

                        以 上         



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