第二節:観戦記その2





9月16日 At宝が池球技場


第1試合 立命館大学vs大阪産業大学

    1Q 2Q 3Q 4Q  計
立命館 21  0 13 35 69
大産大  0  7  0  0  7


ボ あはははは〜                            

ド いやぁ大産大が立命館相手にリードするクォーターが見られるとは(笑) 

ボ 結果的には大量得点差を付けられたとはいえ、3Qまではある程度勝負に 
  なる形で流れたからな〜。立命館にとってみればある意味予期せぬ展開だ 
  ったんじゃないか?                         

ド 確かに立命館には若干の油断もあったと思うし、大産大サイドにしてみれ 
  ば、1試合の間に起きるであろうラッキーがすべてあの一連の状況で発生 
  したという側面もあるんですが。                   

ボ ま、立命館サイドから見た悲痛な観戦記はデリちゃん辺りのHPを読んで 
  もらうとして、だ。                         

ド 王国的にはやっぱり第2Qの大産大TDの流れのシーンからですな、当然。

ボ 2Qに入って最初の大産大のオフェンスはあっさりパントに追込まれたん 
  だよな、確か。で、そのリターンの時に#11木下に一気にエンドゾーン 
  に持ち込まれたんだが、これがイリーガルブロックインザバックの反則で 
  取り消し。この辺りから大産大のラッキーパターンが始まる訳だ。    

ド 結局50Y付近からの立命館ドライブになる訳ですが、この時点ではまだ 
  立命館オフェンスに翻弄されてるんですよね、実際。          

ボ で、#18高田から木下へのパスが通って、そのまま一気にエンドゾーン 
  か、と思ったら大産大のDB#34川口のヘルメットがボールに当たって 
  木下がファンブル、それをエンドゾーンで大産大が押えてタッチバック。 

ド この後のドライブ辺りから、立命館DB陣のパスカバーが乱れ始めました 
  よね。特にCB。                          

ボ この試合で大産大のパスが通るパターンって、割と決まってたよな。SB 
  とSEがクロスしてSEが内に入ってくるパターンで、それがかなりきれ 
  いにゾーンのシームに入り込む感じ。ただ、この時大産大は一発でTDを 
  挙げられるチャンスを見逃してるんだよ。               

ド SEが縦に走った時にCBが中途半端なマークにいって完全に裏を取られ 
  たシーンですね。あれはもったいなかった。藺牟田がもう少しレシーバー 
  の動きを追いかけられていれば、完全にTDのパターンだったのに、なぜ 
  かマークを外されたCBの手前にショートで投げ込んでしまいました。  

ボ で、結局ファンブルで攻撃権を立命館に渡してしまった。        

ド 正直いってこの時はもう点は取れないものと思ってましたけどね。    

ボ ところが、今度は高田のパスを#99がデフレクト、それが上手くDBの 
  胸に飛び込んできてインターセプトだ。                

ド でもねえ、この時でもまだキチンとドライブできずに結局FGトライにな 
  るんですが、今度はなんとラフィングザキッカーの反則で攻撃続行ですわ。

ボ 実はこの時も、あのフェードのパスでシリーズとしては完結してるはずな 
  んだよな。あのフェードは非常に美しかったんだが、残念ながら不成功に 
  終ってしまった。                          

ド で、最後はSEがポストコーナーでCBを振り切ってTD、と。この時も 
  CBの動きが変でしたね。                      

ボ 一度SEが内に入り込んだ事で、それまでのパターンからインサイドへの 
  パターンだと判断したんだろうけれど、ちょっと判断が早すぎたかな。そ 
  こからレシーバーが一気にアウトストリークを走ってしまって、完全にフ 
  リーにしてしまった。                        

ド その後立命攻撃が爆発して流れを戻せればともかく、大産大ゴール前にに 
  じり寄りながら2rdショートのパワーオフタックルを止められ、3rd 
  ショートからのSGからのランも止められました。           

ボ 思わず茨木監督もサイドラインでガッツポーズだったプレーだね。しかし 
  下位チーム相手にこれほど長い間モメンタムを渡してしまったのが?だっ 
  たなあ。                              

ド ということで、一時的にではあれ大産大が立命館を慌てさせたんですが。 

ボ 4Qは評価対象外。というか、たとえ控え組とはいえ体力的にぴんぴんし 
  てる身体能力の高いメンバーと、ここまでふらふらになりながらかろうじ 
  てゲームの形にするべく奮闘してきた、体力消耗組じゃあ勝負にならない。
  本来の立命館と大産大の力量差なら、3Qまでにキチンと勝負を決めてお 
  かなければならないだろう。                     

ド 消耗したのはやむを得ないのですが、大産大守備も終始攻撃の核である# 
  19を自由にさせたのは問題でしょう。                

ボ まあ、あれだけ的がそろっていりゃフリーにもなるんだろうけどね。でも 
  総じて立命攻撃はオクラホマスタイルの導入をうたった昨年から向上して 
  いる点は多々あるね。                        

ド キャッチアンドランを補球したターゲットの個人技に任せるのではなく、 
  デザインされたプレーとして行っているのではないですかね。これがかな 
  り精度が高くなってきたように思います。大産大DBとのスピード差もさ 
  ることながら、補球しなかった他のターゲットが素早くボールキャリアの 
  前に現れディフェンダに次々にブロックを浴びせるのはある種美しくもあ 
  ります。                              

ボ で、何がいけないかって、具体的にはミスとしか言いようが無いんだが、 
  エアポケットに入ったかのように2Qは攻守ともに精彩を欠いてた。   

ド もちろん大産大の奮戦もあるのですが、攻守とも集中力を欠いた時間帯で 
  したね。全般的には前節同志社戦同様、ショートパスの守備に課題が垣間 
  見られたように思いますが。後は、これは攻撃ですけど、ちょっと立命の 
  攻撃ラインに以前の爆発力が感じられないのも気になるのですがね。   

ボ まず攻撃だが、前出のように連続してロスタックルを浴びるシーンは記憶 
  に無いし、バックサイドからのエンドのラッシュをQBが浴びてる事もあ 
  った。                               

ド まあ、大勢に影響の無いレベルだし、ショットガンチームなのだから少々 
  ロスしても気にならないのかもしれませんけどね。でも確かにロケット樫 
  野のいた頃や、98年の強力攻撃ラインと比較するとややおとなしいかも 
  しれません。                            

ボ まあ、そうかな。一方の守備だが、再三にわたってアウトサイドレシーバ 
  のスラントを許したのが気になるかな。まあ、この程度ならという方針で 
  守っていたのかもしれないが。                    

ド 大産大については?                         

ボ 良く頑張った、と言いたい所だが、不満の残る部分は結構あったりするん 
  だな、これが。                           

ド まず、ランプレーがほとんど機能しなかった事ですか。         

ボ 理由はある程度分かるんだよ。本来早いタイミングでスクリメージに突っ 
  込む役割の#40瀬川が本調子でないせいか、ほとんどキャリーできなか 
  った。                               

ド #2磯脇では、スクリメージに向ってクイックヒットして強引に何ヤード 
  かを毟り取るランプレーはちょっと期待しづらいですからね。      

ボ となると、藺牟田自身のキープもほとんど機能しなくなってしまうから、 
  ランニングゲームではほとんど期待できない事になってしまうんだよな。 

ド その藺牟田ですが、パスについては?                 

ボ う〜む、正直いって不満だ。てか、キチンと腕の振れている時と振れてい 
  ない時の差が激しすぎ。今の藺牟田に必要なのは、丁寧にプレーしようと 
  する事ではなく、思い切ってプレーしようとする事だと思うんだが、その 
  辺りがまだ一皮剥け切っていないというか・・・            

ド 確かに歯痒さを感じる事が多いですよね。例えば、同志社の水野辺りと比 
  べても、単純に肩の強さだけを比較すれば藺牟田の方が上だと思うんです 
  が、実際にフィールドでプレーしてるのを比較すると、水野の方がずっと 
  腹をくくったプレーをしてるように見えます。             

ボ せっかくさ、レシーバーは少ないながらも信頼度が上がりつつあるのに、 
  それを指揮する立場の藺牟田が腹をくくれなければ、オフェンスは機能し 
  ない。                               

ド QB藺牟田自身にパスに波がありますよね。自信を持って投げ込める場合 
  は割と美しくターゲットにヒットする。しかしターゲットを探して投げる 
  場合、どうもコントロール、タッチ、とも乱れがちになりますね。    

ボ ポケットの中でポンプアップする時間的な余裕があるのだからスローバッ 
  クを混ぜていってもよいのではないかと思うんだが、どう思う?。    

ド 右サイドを最初に見れば必ず右サイドに投げているように思えますね。逆 
  サイドでタテでWRがフリーになりかけている場合が散見されただけに惜 
  しかったです。最初からスローバックで投げるプレーが多かったらもう少 
  し通ったかもしれませんがね。                    

ボ だな。                               

ド 藺牟田自身、走れない訳では無いですから、本来はもっとスプリントアウ 
  トしてもいいと思います。ただ、ここに来て負傷者が増えてきている大産 
  大にとって、後半戦を考えるとちょっとリスキーかなとも思いますな。  

ボ ううむ、御家の事情が異なるからなあ。大産大もターゲットが揃ってきた 
  だけに色々やりたいんだろうが。                   

ド そこの辺り、どうやって対応していくのか、大産大の課題ははっきりして 
  ますね。                              

ボ 後は次節の展望でやろう。                      




第2試合 京都大学vs神戸大学


    1Q 2Q 3Q 4Q  計
京都大  6  7  0  3 16
神戸大  0  0  0 13 13


ド こちらはホントに大変な試合になっちゃいましたな。          

ボ 元々、神大のフロント7人の強さにてこずり気味だった京大だが、試合途 
  中の負傷で#4川並を失ってしまうと一気にドライブ力を喪失してしまっ 
  た印象が強い。                           

ド 一方で神大も、ディフェンスはそれなりに評価できていたものの、オフェ 
  ンスの得点力という点ではやはり課題が解消できていませんでした。最後 
  開き直ったパッシングアタックでFG1本差まで京大を追込んだものの、 
  ついに追いつく事はかないませんでした。               

ボ まずは京大オフェンスの話からしようか。前節サボったおかげで出来なか 
  った前節の話も絡めながら。                     

ド やっぱり今年の京大オフェンスのキーマンは川並ですな。ただ、高校時代 
  の彼を見てる人間からすると、「まだこんなもんじゃないだろう」という 
  気がするのも事実です。                       

ボ なんていうのかなぁ、優しいんだよな、パスのスピードも弾道も。明らか 
  に「レシーバーが取れるパス」しか投げていない。           

ド 高校の時はショートパスといえば「定規で線をひいたような」一直線のボ 
  ールがレシーバーの胸元に向ってガンガン投げ込まれてましたもんね。  

ボ 西宮球技場という状況ではあれ、レシーバーの胸元でボールが破裂するよ 
  うな音がスタンドの最上段まで聞こえてくる、強烈なパスだった。あれを 
  基準とするなら、今の川並のパスはまだ6割程度にしか達していないよう 
  に思う。                              

ド 確かに秋のリーグ戦という状況ですから、ある程度コンサバティブなプレ 
  ーをチョイスせざるを得ないのは分かりますが。            

ボ 尾崎の所でも同じような事を話したけど、QBの能力がレシーバーに対し 
  てかなり高い時は、QBがレシーバーに合わせたプレーをしてしまうと、 
  逆にレシーバーの能力を引上げられなくなってしまう危険性があるんだよ 
  な。やはりもう少しレシーバーにストレスを強要するようなプレーをコー 
  ルしてもいいんじゃないか、サイドラインは。             

ド 本来なら、ある程度結果を度外視できる春シーズンの間にやっておきたい 
  事なんですが・・・。そういう意味で、イヤーブックに水野監督が何度も 
  書いておられた「春の欠場が痛い」という言葉を、我々も痛感しますね。 

ボ とはいうものの、やはり彼のパス能力は対戦チームにとっては大きな脅威 
  だろう。事実この試合の最初のドライブでのTDも、神大ディフェンス陣 
  がパスを恐れて思い切った突っ込みが出来なかった事が一因だと思う。  

ド 京大といえば「オプション」なんですが、この試合の最初のドライブでは、
  むしろオプションを封印してTBのスプリントドローを多用してました。 
  一発ロングゲインというシーンは無かったんですが、#2高見や#33池 
  上がコンスタントにゲインしてましたね。               

ボ #31大住がね、丁寧にブロックしてるんだよな。それにホールが空くま 
  で足を掻く事を止めない。なんというか、FBとしての責任を充分に全う 
  してる感じだった。ラインが押し勝つまで我慢してラインと一緒に前に出 
  ていた点。走路がよく見えているのではないか。落ち着いたいいFBだ。 

ド 更にスプリントドローだと、どうしてもDBはWRへのパスもケアしなけ 
  ればなりませんから、前に出てくる反応が遅れがちになりますね。    

ボ 結局ファーストドライブはパスをあまり使わずに神大エンドゾーンまで達 
  してしまった。この時点では京大がボールコントロール能力を発揮して、 
  神大を押え込んでしまうんじゃないかと思ったんだけどな。       

ド 実際、京大ディフェンス陣は4Q途中までは神大オフェンスをほぼ完璧に 
  封じ込んでましたからね。                      

ボ 誤算はやはり川並の負傷退場か。確かに川並から#18金沢にスイッチし 
  た時点でパスによる脅威はかなり減じられたのは確かだしな。      

ド トレンチ付近での勝負が中心になるなら、今の神大ディフェンスはかなり 
  高い水準にありますからね。主将のDL#89牧野と副将のLB#41山 
  本以外は3年生以下の、非常に若い構成なんですが安定度では3強に次ぐ 
  レベルにあるでしょう。                       

ボ それもかなり近づいたレベルでな。それに若いという点では、神大には珍 
  しく1年生のスターターが起用されてる。               

ド DLの中西(この日は#71を着用)、DB#25矢野川ですな。中西に 
  ついては豊中高校時代から注目の選手だったんですが、既にDLの中核み 
  たいな印象すらありますな。それと、矢野川についてはまだ若干オーバー 
  パシュートしてしまうシーンもありますが、彼の加入で神大のDB陣にか 
  なり余裕が出来ました。将来は神大の守護神になる可能性を持っていると 
  思いますよ。                            

ボ 話を試合に戻すが、川並の負傷退場で京大オフェンスが手詰まりになると、
  試合は完全に膠着状態になってしまった。ロングシチュエーションを突破 
  する手立てが無く、急激に安定感を失う。QBとレシーバとのタイミング 
  の完成度も含めて、まだ一枚看板の域を脱しきれていないのだなあ。   

ド 金沢自体については、特に問題があった訳ではないと思います。というか、
  京大にしてみれば当然川並をキーにしたゲームプランを準備してたはずで 
  すから、それを突然金沢に任せるというのはやっぱり無理がありますね。 
  次節、川並が出てくるかどうかは分かりませんが、最初から金沢でいくな 
  ら、当然それに合わせたゲームプランを準備するでしょうから、ここまで 
  強烈に膠着状態に陥る事はないと思います。              

ボ むしろオプション系に限定するなら、金沢自身の脚力もあるし川並よりも 
  安定するかもしれん。ま、それは展望の話だ。結局この後京大もオフェン 
  ス力で点を奪う事が出来なかった。                  

ド インターセプトリターンTDと、敵陣深くで得たポジションからのFGで 
  すか。                               

ボ で、いよいよ4Qの神大の反撃に話が移る訳だが。           

ド 個人的にはね、あのFGが神大の逆襲を誘発した気がしてるんですが。  

ボ う〜ん、それはなんとも言えんが、あの後から京大のディフェンスが明ら 
  かに混乱し始めたのは確かなんだよな。特にSBに対するマークが完全に 
  おかしくなっていた。                        

ド 3QのインターセプトリターンTDの時と比較してもらうと良く分かると 
  思うんですが、ビンゴの時はSBに対してSFの山本がクッションを浅く 
  取ってマークに付いてたんですよね。そのおかげでクロスアウトでサイド 
  ライン際にでたSBへのパスをカバーしきってビンゴに結び付けられたん 
  ですが、4QではSBへのマークはLBが担当してるんですよね。    

ボ でSFはクッションを深く取ったまま。確かに2TDで追いつけない状況 
  になったんだから、むしろ一発で抜かれないためにプリベント気味に守る 
  というのは分からないではないが、TEまで含めてレシーバーを4枚出し 
  てきた神大オフェンスには隙間が出来てくるのは当然といえば当然なんだ 
  よな。                               

ド で、そのTEへのポストが決まって京大陣深くに入ったんですが、この状 
  況でもSFはクッションを深く取ったままでSBにはOLBがマークに付 
  くというスタイルを変えていません。ゴール前近くではレシーバーに対し 
  てマンカバーするのがセオリーで、当然SBに対してはSSがマンマーク 
  に付くはずだと思ってたんですが、中途半端な状況は変らないままでした 
  ね。                                

ボ かといってゾーンがしっかり守れていたかというとそうでもない。実際に 
  はパス失敗で終ったんだが、一度SBに完全に抜かれたシーンもあった。 
  ああいう時は敢えてT.Oを取ってでもマークの再確認をしておかないと。

ド で、神大のオンサイドが決まって再度神大のオフェンスでしょ。この状況 
  でも相変わらずディフェンスのアサインメントが徹底されていないままで、
  ずるずるエンドゾーンを割られてしまいました。            

ボ はっきり言って、この2TDは極めて京大らしくないアサインメントの混 
  乱が原因だよな。勿論開き直ってパスをドンドン通してきた神大のQB# 
  10江端も誉めるべきではあるんだが、それ以上に「らしくない」京大を 
  見せられた気がする。                        

ド で、2分半残して再度のオンサイドですが、これをなんとか京大が押えて 
  攻撃権を確保、なんとかダウンを2回更新して逃げ切りましたが。    

ボ なんか試合の後でぶつぶつ言ってたよな。               

ド まあ結果論に近いんですけどね。神大にT.Oが2回残っていたんだった 
  ら、いっそ思い切って敵陣深くに蹴り込んでやるという方法もあったんじ 
  ゃないかなぁ、と。勿論オンサイドを蹴ると見せかけておく必要はありま 
  すが。                               

ボ その心は?                             

ド まず、オンサイドだと攻撃権確保の可能性は良くて五分五分ですよね。で 
  もしも京大に押えられたとしたら、たとえT.Oをフルに使って尚且つダ 
  ウン更新を許さなかったとしても、1分以上は京大に時間を使われてしま 
  いますよね。しかも、どんなに上手くいったとしても70Y近くドライブ 
  しないと得点に結びつける事は出来ない、と。後はファンブルフォースを 
  目標にディフェンスで仕掛ける事も考えられますが、京大だってその辺り 
  は充分分かってるでしょうから、そう言う意味でオンサイドはリスキーな 
  選択だったんじゃないかと思うんですよね。              

ボ なるほど。                             

ド むしろ京大がオンサイドをケアしてる裏をかいてスクイーブで敵陣深くに 
  蹴り込んでやったほうが、リターンのリスクは少なかったんじゃないかと 
  思うんですよね。スクイーブならお手玉の可能性だって残りますし、当然 
  リターナーはキチンとボールを確保する事を優先しますしブロッカーも前 
  掛かりになってますから、効果的なフィールドブロックは出来ないと思う 
  んですよね。                            

ボ と考えていくと、最高の結果は敵陣深くで攻撃権確保、まあこれはいくら 
  なんでも都合が良すぎる推測だとしても、敵陣深くで攻撃を始めさせる事 
  は充分に可能性が残る、という訳か。                 

ド 勿論、ダウンを更新させない、というのはオンサイドの場合でも同様の大 
  前提ではありますけど、T.Oが残っているのであれば、ダウン更新さえ 
  許さなければ残り1分ちょっとで敵陣からのオフェンス開始というのは、 
  そう夢想的な状況でもないですよね。いちかばちかの勝負なら、むしろ2 
  回続けてオンサイドを蹴るよりも、自分達のディフェンスに賭けてこうい 
  う方法を取ったほうが良かった気がしましてね。結果論、と言われるかも 
  しれませんが、これから先こういうシチュエーションはどこかで生じる可 
  能性は常にある訳ですから、常に何が最善の方法なのか、いろんな状況を 
  シミュレーションしておくことは決して無駄ではないと思うんですよ。  

ボ そういや、98年の立命館vs近大で同じようなシチュエーションで敢え 
  て近大が敵陣深くに蹴り込んだ事があったな。あの時は背筋に震えがきた 
  が。                                

ド ですね。で、最後は京大がダウンを更新して万事休す。         

ボ これもねえ。左のオプションピッチだったでしょ。俺と湯川君なんか、オ 
  プションでピッチした瞬間「げ〜!!やめてくれええ!!」とい言っちま 
  たよ。よくあんなリスキーなコールをしたもんだなと。         

ド 確かにここでダウンを更新すれば勝利は確実ですからね。        

ボ でもねえ、オプションでしょ?ピッチミスして拾われたらドーすんのよ。 
  気持ちは分からないでもないが、正直びっくりしたよ。         

ド ま、ここは挑戦者魂の現れだという事で(笑)。あと触れておかないとい 
  けないのはこの試合を影で形作ったのは京大キッキングチームだと言う事 
  でしょうね。神戸は終始苦しいフィールドポジションを強いられました。 

ボ 神戸は飛び道具を持っていない点、相手との点差が僅少である点から無理 
  はすべきではないと判断すべきところだったが...痛恨だったのが前出 
  の3RDロングで投じたアウトパターンを京大#20に奪取された点だな。

ド 縦で勝負、もしくはアウトアンドアップで勝負した方がまだ傷は浅かった 
  ように思えますな。結果論かもしれませんが勝負所と勝負のしかたを誤っ 
  たかのように思えた瞬間でした。もうすこし辛抱してもよかったかなあと。

ボ 難しいところだねえ。個人的には前半の失点時の反則、反撃の遅さなど神 
  戸にはプレーそのものとは別のポイントでの課題を感じたんだが。    

ド と言いますと?                           

ボ 久々の攻守ラインの充実、初戦を突破しての勢い、それに加えてライバル 
  京大への闘志の高まりは理解できるが、攻守とも序盤は、やや落ち着きを 
  欠いたように見えたんだな。                     

ド 確かにその後、特に4Qからですが、冷静なプレーに戻れた、というより 
  良い意味で開き直れたように思います。その代表がQBですが。     

ボ そうなんだよな。その神戸の反撃の遅さなんだが....前半で京大QB 
  川並が退いた段階で完全に神戸のペースであり、ベストとして想定した以 
  上の展開で進んでいる事が確認できたはずだ。反撃のタイミングの後れは 
  勝負所の見誤りであり、これは悲しいかな現在下位に甘んじている事によ 
  る弊害のように思えるんだが。どうだろう。              

ド アップセットの演出には不可欠のように思えるポイントではありますな。 
  3強と競った展開で折り返す経験が少ない事が原因なのかもしれませんね。

ボ 現時点では無い物ねだりなのかもしれないけど...でもこうして強くな 
  っていくしか無いのだから神戸は自信を持って次節に臨んでほしいね。  

                        以 上         



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