第二節:観戦記その1





9月15日 At西宮球技場


第1試合 近畿大学vs甲南大学

    1Q 2Q 3Q 4Q  計
近畿大  0  0  0  0  0
甲南大  0  3  0  0  3


ボ なんだかなぁ〜                           

ド どう言えば良いんですかね。                     

ボ 敢えて肯定的な評価をするとすれば、近大オフェンスがじりじりと進んで 
  来るのを堅守で凌ぎ切った甲南が、ワンチャンスを生かしてFGに結びつ 
  け、なんとか逃げ切った、という言い方は出来るかも。         

ド あ〜なるほど。確かにこの試合では甲南LB陣の働きが目立ってたのは事 
  実ですもんね。                           

ボ 近大オフェンスは初戦に続きこの試合もラインは1年生中心の若いライン 
  で、確かに経験の面では不安が残ってたんだが。            

ド しかし、近大って基本的には経験者を推薦で取ってくるという形でチーム 
  の補強をしてますから、基本的な部分でのアドバンテージは他の大学に比 
  べてあると思いますよ。                       

ボ そこなんだよな。                          

ド それに、今近大が抱えてる最大の課題はラインの強さとかそういう問題じ 
  ゃ無いんじゃないですかねぇ。                    

ボ だよな。どうして去年の成果が今年に活かせないのか。ここ数年、ある程 
  度結果を出した翌年は(当然のことだが)期待されるんだが、すぐに首を 
  捻りたくなるような試合をしてしまう。近年だと98年から99年にかけ 
  ての凋落なんか典型だっただろ。                   

ド なんか、1年かけて積み重ねたものがあっさりリセットされてしまうとい 
  うか。                               

ボ 結局、選手個々の技量に頼ってチーム作りをしてるから、若手の頃からチ 
  ームを支えてきた選手が卒業してしまうと、それがもろにチームの能力に 
  跳ね返ってしまうんだな。                      

ド でもそれってKGとか立命館とか、ごく一部のチームを除けばどのチーム 
  も抱えてる問題ですよね。                      

ボ そういう意味ではこの試合の対戦相手の甲南だって同じような問題を抱え 
  てる。ま、甲南の話はちょっと後回しにしよう。            

ド この試合の近大を見ていて一番歯痒かったのは、要所で必ずミスを犯して 
  しまって、チームのリズムを切ってしまった事ですね。         

ボ ゴール前まで攻め込みながらエクスチェンジミスをしてみたり、反則をし 
  てみたり。挙げ句の果てにはインターセプトで攻撃権そのものを失ってし 
  まうし。                              

ド それぞれのシーンに分解していけば、決してオフェンスが進んでない訳で 
  はないのに、全体を通じて俯瞰してみると得点できる雰囲気が無いという、
  ある意味では如何にも”しんどい年の近大らしい”試合だった事は確かで 
  すね。                               

ボ 一方の甲南大だが。                         

ド 実は症状は甲南の方が重いと思うんですが。この試合は”結果的に勝った 
  だけ”で、シーン毎に分解しても全体を俯瞰しても点を取れる雰囲気はほ 
  とんど感じられませんでした。実際スタッツは2桁に押え込まれてますし。

ボ オフェンスは重傷だな。何もかも全てが#88吉田の負担になってしまっ 
  ている。                              

ド 元々結構肩は強いほうに感じるんですが、ターゲットがいません。そりゃ 
  そうです。去年も困ったらとにかく吉田へ投げて個人の能力でキャッチし 
  てもらうパターンで何とか乗り切ってきたんですからセカンドターゲット 
  が育っていない。                          

ボ ラインの強さが無いのでランニングホールを維持できない。唯一期待でき 
  たのが吉田のキープだが、基本的にダイブが出ていないからオープンで勝 
  負しようにもアウトサイドのLBに早めに反応されてしまってロングゲイ 
  ンは期待できない。                         

ド 良く勝ちましたよね、実際。                     

ボ 結局、要所で近大がミスしてくれた事と、LBの頑張りのおかげだろうな。
  この試合の甲南LB陣はホント良く頑張ってた。            

ド #27張本、#42山本、#43宮井ですか。この試合では度々近大OL 
  を割ってロスタックルを浴びせてましたね。              

ボ 特に#42山本は良かった。結局唯一の得点機を作り出したのも彼のイン 
  ターセプトだったし、近大ゴール前のチャンスをつぶしたのも彼のインタ 
  ーセプトだった。                          

ド そういう意味ではこの試合を支配してたのは彼だと言い切ってもいいんじ 
  ゃないですか。全体的にはずっと押されていながら、決してロングゲイン 
  は許しませんでしたからね、甲南ディフェンスは。           

ボ という感じの近大vs甲南戦だったんだが、今後もこの調子が続くとした 
  ら、両チームとも決して楽観は出来ないよな。             

ド 近大は既に2連敗で、しかも後半戦は関京立との試合が残ってる訳だから、
  完全に後がない状況に追い込まれてますし、甲南も現状のオフェンスのま 
  まだとしたら、得点はあまり望めませんね。              

ボ 他チームが苦しいなりにそれなりにチームを形にしつつあるだけに、この 
  両チームが立ち後れている印象があるのは否めない。もう一度原点に戻っ 
  て「自分達のチームの基本になる戦術は何なのか?」を見極めないと、や 
  ばい事になり兼ねない。                       

ド 本来なら、この両チーム辺りが安定して3強に次ぐポジションから更に上 
  を目指さないといけない訳ですから、もう一度チームを立て直して欲しい 
  ですね。                              




第2試合 関西学院大学vs同志社大学

    1Q 2Q 3Q 4Q  計
関学大 10 10 13 10 43
同志社  0  6  0  0  6


ド さて、KGですが。                         

ボ 尾崎のパス成功率なんだけどさ、成功率そのものは決して悪くないんだよ 
  な。16回投げて11回成功だろ。なのに印象としては昨年からかなり落 
  ちてる印象がある。勿論、2回インターセプトされたという点も含まれる 
  んだろうけど、やっぱり凄みという点で昨年ほどのものは感じられない。 

ド なんでですかねえ。                         

ボ 一つはやはり基本的に「取れるパスしか投げてない」という事だと思う。 
  昨年はレシーバーのレベルの高さもあって、「取れるかな?」というパス 
  も割と積極的に投げてたんだけど、今年ははっきり言ってそういうレシー 
  バーにぎりぎりのパフォーマンスを要求するようなパスが無い。     

ド 安全係数を大きく見積もり過ぎだと。                 

ボ じゃないかな、と思う。その結果相手DBのカバーできる範囲内でしかパ 
  スを投じないので、振り切れない、インターセプトされる、と、まあ悪循 
  環といえば悪循環といえるんじゃないか。               

ド つまり、尾崎はもっとレシーバーにストレスを強要するようなプレーをす 
  るべきというご意見ですな。                     

ボ うん、まあそういう事かな。結局プラスアルファのエフォートを要求する 
  ような状況でないとプレーの向上は見込めないと思うんよ、大王としては。

ド 確かに。前節の大産大戦でもそうだったんですが、相手DBはあまり「置 
  いて行かれる恐怖」を感じずにプレーしてる感じがありましたね。まあレ 
  シーバーサイドにも課題はあるんでしょうが。             

ボ 「パスについては責任は全面的にQBにある」というのは武田建先生のお 
  言葉だがね(笑)                          

ド 一方のランオフェンスがかなり順調に出来上がりつつあるだけに、今のバ 
  ランスの悪さがどの辺りで解消されるのか、これが今年のKGオフェンス 
  の生命線になりそうな気がしますね。                 

ボ 一方のディフェンスだが、1TDは失ったものの、全体的なパフォーマン 
  スとしては大きな問題はないと思う。                 

ド はい、同意致します。あのTDについては、キャッチされるところまでは 
  リスクに折り込み済みだったと思います。まあちょっと深く飛び込みすぎ 
  て結果的に追いつけなかったのは頂けませんが。            

ボ 立命館も同志社のパスには結構てこずっていたみたいだしな。まああの状 
  況で追いつけるのが立命館DBの身体能力でで追いつけないのがKGDB 
  の身体能力、と。                          

ド あれがTDになるかならないかがKGと立命館の身体能力の差だと思って 
  いれば、まあ大体のイメージになるんじゃないですかね。        

ボ という訳で同志社オフェンスの話だが。                

ド お、流れるようなわざとらしいような話の展開ですな。         

ボ やかましい(苦笑)その同志社オフェンスだが、ランについては相変わら 
  ず厳しいものの、パスについては結構整備されつつあるんじゃないか?  

ド #83要を中心に#82久世、#85池内、それにルーキーの#4天野と 
  まあ昨年の布施、亀山を中心にしたユニットほどではないもののある程度 
  勝負できる面子は揃った感じですな。                 

ボ 去年終わった段階で「来年の攻撃は苦労するだろうな」と思っていたのだ 
  が奇跡的にターゲットが揃ったね。                  

ド ですなあ。しかし水野はよくやってますね。勇敢というかなんというか。 
  しっかり投げ込んでますよね。これだけパスで前進できるようになるとは 
  思いませんでした。                         

ボ 水野自身が高校時代(東邦高校)から決して強くないラインの元でパスを 
  積極的に投げるQBだったから、そういった意味ではラインの弱さが水野 
  にとってあまり悪影響を与えていない、というのも大きいんじゃないか。 

ド 右に左に良く動いてターゲットを探してますし、ロールオプション、スプ 
  リントオプションといった、ある意味トリッキーなオプションも良くこな 
  しています。それだけに水野頼りのオフェンスという印象も拭い切れませ 
  んが。                               

ボ それは仕方ない。というか、今のチーム状況であれ以上のパフォーマンス 
  を期待するのは酷じゃないか。それよりもむしろ現時点での怪我人の少な 
  さを特筆しておくべきだろう。関立という圧倒的なパワーのチームを相手 
  に怪我人をほとんど出さずに乗り切れたということは、この後の戦いには 
  大きな希望じゃないか。                       

ド スプリントオプションについては、よくぞやってくれたって感じでしたな。

ボ スプリントアウトのパスが多くて、且つ結構成功していたから、ここで出 
  せば効果的だとお前が言った直後だったもんな。            

ド いい組み合わせでしたよね。もうすこしRBのプレーが楽に出せると攻撃 
  もラクになるんでしょうね。それにしても・・・            

ボ なんだ?                              

ド この日の2試合についてはほとんど試合内容の分析をせずに済ませてしま 
  った感じなんですが、これで良かったんでしょうか?          

ボ かといって、戦術的にも駆け引き的にも語るべき事はあまり無い試合だっ 
  たと思うし、ま、本格復帰のリハビリ代わりだとでも思ってもらうしかな 
  いんじゃないか。                          

ド 宝が池の試合についてはもう少し戦術的な話をしましょう。       

ボ 努力目標だな。                           

ド いいえ、必達目標です。                       

ボ 必達!!....                          

ド ん?大王様、どうされました?。                   

ボ .....悪イ、仕事忘れてた。じゃ!!(ドップラー)        

ド あ.....。まったく(怒)。                   

                        以 上         



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