DIV.2:第一節



8月31日At西宮球技場


第1試合 龍谷大vs佛教大(11:30 Kick Off)

    1Q 2Q 3Q 4Q  計
龍谷大  7 21 14 19 61
佛教大  0  0  0  0  0
                                    
龍谷は数年前からゾーンブロックに取組んでいるようだが、ここに来てほぼ完 
成の域に達した印象がある。実際、この試合でのOLの動きはKGのOLの動 
きを彷彿とさせるものがあった。                     
この試合では若干パスの精度に課題がある気がしたが、ことランニングゲーム 
に限ればかなり完成度の高いオフェンスを展開していた。特に数年前から取組 
んでいるゾーンブロックが完成しつつあるのだろう、若手のRB陣がかなり奔 
放に走り回っている印象があった。                    
一方の佛教大だが、序盤はフラットへのワンマンスクリーンや#89のストレ 
ッチプレーなどでそれなりに龍谷ディフェンスを混乱させるのに成功していた 
のだが、最初のTDを奪われて以降は単調なオフェンスに終始し、最後まで龍 
谷からダウン更新を奪えなかった。                    


第2試合 大阪大vs天理大(14:10 Kick Off)

    1Q 2Q 3Q 4Q  計
天理大  0  0 15  0 15
大阪大  0  0  0  8  8

感想                                  
番狂わせ、と言ってしまうと天理大に失礼かもしれないが、前半を終了した段 
階ではこの結果は予想し難かった。                    
天理大はファーストプレーこそオープンで15Y程度走り、ダウンをフレッシ 
ュしたものの、その後は阪大ディフェンスフロントの分厚さに阻まれてほとん 
どダウンを更新できずに前半を終えた。                  
一方の阪大は本来のスタートQBではなく2年生の#12岡本がスターターと 
して登場。ほとんどパスを投じないオフェンスは多少一本調子気味ではあった 
ものの、プルしたガードがリードブロッカーとなるダイブプレーで度々中央か 
らのロングゲインを見せ、2回天理大ゴール前まで迫った。しかし、1回目は 
サードダウンショートからパスを投じて失敗、2回目はゴール前で反則を犯し 
てしまい、更に両方ともFGを失敗するという形で、結局エンドゾーンを割る 
ことが出来ずに前半を終了してしまった。                 
ただし、この時点では明らかに阪大がゲームを支配しており、天理大が得点す 
るためには阪大側に何らかのミスが起きないと難しいのではないか、というの 
が正直な印象だった。                          
そのミスが、後半開始直後に出てしまった。キックオフのボールを阪大リター 
ナーが自陣30Y付近でファンブルし、これを天理大がカバーして好フィール 
ドポジションから攻撃を開始する事になった。               
ここで、天理大はQB#5河野が負傷退場し#37山下へスイッチ、しかも、 
交替直後のプレーで前半ほとんど投じなかったパスをコールし、25Yのゲイ 
ンを得ると、続けて早いタイミングのパスを投じてTD。更にPAT時にはホ 
ルダーからのパスで2点を追加し、前半完全に劣勢だった天理が、僥倖もあっ 
たものの先制に成功した。                        
更に天理大は次のシリーズでもアジャストの間に合わない阪大ディフェンスに 
対して積極的にパスアタックを展開し、2シリーズ続けてのTDを挙げ阪大の 
焦りを誘った。                             
一方の阪大だが、3Qはやはりパスのほとんど無いラン中心のオフェンスで、 
少々攻めあぐんでいる印象があったのだが、3Qの終盤辺りから徐々にドライ 
ブ力を回復させ、更に天理大の反則などもあって4Q残り6分半辺りでようや 
く岡本がキープして飛び込みTDを挙げ、更に2ポイントも成功させて1TD 
差に迫った。                              
次のシリーズは天理大が焦ったのかパスを3回失敗して、ほとんど時計が回ら 
ないままパントになったのだが、ここでこの試合のモメンタムを決定的にして 
しまうプレーが発生した。                        
天理大のゴール前で阪大がパントブロックに成功し、更にマフ状態のボールを 
阪大の選手が拾ってエンドゾーンに持ち込みTD(確かに1度は審判の両手が 
挙がった)、これで同点かと思ったのだが、なんと「イリーガルバッティング」
という極めて珍しい反則でこのTDが取り消し、更に天理大側に15Yが与え 
られて天理大の攻撃続行ということになってしまった。           
この後天理大は更に5分近くを消費したのだが、阪大が攻撃権を得た時点での 
残り時間は2分弱、更に敵陣40Yという状況だっただけに、まだ同点に追い 
つける可能性は充分あると思ってみていたのだが、阪大はここから3回連続で 
パス失敗、4THダウンギャンブルでFBのダイブプレーを選択するも、ノー 
ゲインに押え込まれて万事休した。                    

ところで、試合の結果に大きく関わった「イリーガルバッティング」の反則だ 
が、これの定義が良く分からない。ルールブックでは「マフ状態のボールを故 
意にバッティングしてはいけない」という事になっているので、恐らくこれが 
適用されたものだとは思うが、実際パントをブロックしてお互いにボールの確 
保に必死になっている状況で「故意か故意でないか」の判断は難しいのではな 
いだろうか?                              
宰相の観戦ポジションからはかなり遠い場所で発生した反則なので、きちんと 
把握している訳ではないが、あの状況で「故意」にボールをバッティングする 
のは不可能な気もするのだが・・・                    


第3試合(16:40 Kick Off)

    1Q 2Q 3Q 4Q  計
関西大 23 27 14 10 74
桃学大  0  0  0  0  0

春の関々戦で大ブレークし、一気にリーグ内でも屈指のスピードスターとして 
頭角を顕わしてきた関大のWR#17大谷だが、開幕戦でもいきなりそのスピ 
ードを見せ付けた。                           
桃山学院大の蹴ったキックオフのボールを、若干ジャッグルしながらも自陣2 
0Y付近で確保すると一気にトップスピードに乗りそのまま敵エンドゾーンへ。
リーグ戦でも鮮烈なデビューを飾った。                  
しかし、その返しのドライブでは桃山学院のオプションに関大ディフェンスが 
てこずり自陣30Y付近まで攻め込まれたり、2回連続で関大オフェンスがパ 
ントを蹴ったりとしばらくは膠着状態が続いた。              
試合が再び動き始めたのは1Qの半ばを過ぎた辺り。桃山学院のパントの時に 
スナップされたボールがパンターの頭を越え、そのままエンドゾーンも越えて 
しまい、セーフティに。                         
ここから後は(観戦者としては)残念な事に一方的な試合となってしまった。 
関大はエースRBの#33生田を早々に下げると2年生の#6松田、更に1年 
生で大産大附出身の#22中西が交互にゲインを繰り返し、TDを重ねていく。
特に1年生中西の強さはちょっと別格で2,3人を当たり前のように引きずっ 
てゲインしていく様は如何にも大産大附出身者らしい力強さだった。     
一方の桃山学院だが全体的に若手選手が多く、自陣エンドゾーン前でエクスチ 
ェンジミスを繰り返すなど、残念ながらゲームの形になる前の段階で関大に圧 
倒されてしまった印象が強い。                      
ただ、全体的な人数は決して恵まれてはいないものの、若手には体格の良い選 
手も多く、彼らが経験を積んだ2、3年後が結構楽しみなチームだとも感じら 
れた。                                 

                        以 上         



王国のホームページへ | Colosseumのページへ | メイン | 今すぐ登録