「鎧球バカ一代」
〜大王の異常な愛情〜
あるいは 私は如何にして心配するのをやめ・鎧球を・愛するようになったか
地方奮闘編
一本先制されたKGのリターンで再開だ。リターナーは#32小坂と#14埜下
が登場。ここまでやらにゃ勝てんわな。埜下のリターンで攻撃開始。QBは#5
東村だ。
C 「ヒガシ〜!!頑張れ〜!!」
Y体型からダイブ。QB埜下にスイッチ。オフセットI体型。プレーパスを#7
渡辺にヒット。ショットガンから埜下キープでダウン更新。
ボ 「色々やってくるなあ」
つまりこれだけやらんと歯がたたないという事か。今度はワンバックからレシー
バを3人出すも決まらない。結局ダウン更新1回でパント。
日大はやっぱりプロT。KGが深めに守るせいか両サイドにショートパスがバン
バン決まる。何せターゲットが豊富だ。小林孝至、小林一、柴川、ときて山口に
梶山。これに宇田川が投げるんだからどうしようもない。おまけにセンターは安
部だよ。KGDLは結構ラッシュはかけているがズルズルとドライブを許す。と
、3rdダウンでKG守備があやしげな動き。両サイドのレシーバに守備が2枚
つく。サイドの速いパスを許さない形だ。宇田川がターゲットを探す間に#76
池之上がサック!
ボ 「おおおおパントに追い込んだぜ!」
やんややんやの大歓声。で今度はKGの攻撃。埜下決め打ちQBドローは見破ら
れロス。プレーアクションもプロテクションがもたずスクランブルもロス。ダウ
ン更新ならずで又パント。
ボ 「自力の差かなあ」
一方の日大はまだTから攻める。右サイドへパスを投げる、とレシーバが弾く。
浮いた球をKG#42竹口がキャッチしてサイドをリターン!!
注:当時期待の1年生CBでした。同志社戦は彼の60ヤード近いリターンが
無ければKGの負けでしたハイ。
ボ 「よっしゃー!竹口ですよ!Cさん!」
ところがフィールドにイエローが。KGの反則だ。
C 「オイ〜!どこがインターフェアじゃコラ!」
なんでやねん。とってるやんけ。どうなっとるんや。騒ぎ出す客。よう分からん
うちに場内アナウンス。
「...従いましてインターセプトは取り消し...」
なんだよ〜、いちいちダメを押すようなアナウンスにがっくりくるKGスタンド
。さて日大はラッシュを警戒しQBが軽くスプリントしはじめた。ラッシュが届
かない。と思ったらスプリントドローから#31小林が快走。逆を突かれた。山
口もスルスル走る。勝負所とみたKGは再度ダブルチェックを仕掛けるが#22
梶山があっさり突破してキャッチ。ここで1Q終了。
ゴールを背にしたKG守備。日大はTから左へオプションピッチ。これが的中し
て山口が飛び込みTD。14−0。
ボ 「.....止まらん」
早くも諦めムードの漂うKG側スタンド。徐々に笑顔が増えてくるのが不思議。
KGはリターンの後の第一プレーは東村が登場。スプレッド体型からスクランブ
ルでダウン更新も後が続かない。とにかく毎プレー、フォーメーションが変わる
。I、オフセットI、Y、T、ショットガン、ワンバック何でもやる。ランプレ
ーで力勝負を仕替えるよりも色々やって引っ掻き回そうという意図なのかな。結
局パントに終わり日大の攻撃。しかしこれは珍しくコントロールミスがありダウ
ン更新ならず。ミスしてもらわないと止まらない。続く返しのKGの攻撃。東村
のサイドへのショートパス。Yからのブラストでダウン更新。埜下のサイドへの
ショートパスと怒涛のスニークでダウン更新。しかしQBサックで後退。#12
へのインサイドスクリーンも足らずパント。意外とランが出るようだなあ。うま
く繋げば3回の攻撃でギリギリダウンを更新できそうな雰囲気になってきた。
と、思ったら。ここでショットガン。日大は試合の流れをよく読んでいる。
ま〜〜これが通る事、通る事。タイミングが速すぎる。Tの時はキャッチしてす
ぐタックル出来ていたのに。ショットガンだと速すぎてキャッチした後、ドンド
ン走られる。毎プレーダウン更新でリズム良く前進。勝負所でブリッツも宇田川
が華麗なスクランブルでゴール前へ。さすがにここからはパスは決まらず、両T
EのウイングTに変更もスイープで走る山口の足にLBがしがみ付きなんとかス
トップ。
注:日大は関東決勝(慶応戦)でショットガンを使ったものの、それまでずっ
とTで戦って関東優勝。しかもボロ勝ちにつぐボロ勝ち。この試合でのT
からのプレーは決してバリエーションは多くないものの、しっかりこなし
ていた。ライン、バックスとも能力が高い。プレーの精度もよい。ショッ
トガンのパスツリーにしても今とは比較にならないような複雑なもの組み
合わせてを扱っていたように思う。
さてフィールドゴールを狙う日大。決まるんやろなあ、いややなあ。キック!飛
ぶボール。よく見えん。審判の腕が水平に振られる。
C 「ぎゃはははは、外しおった!」
ボ 「ラッキ〜〜!!」
盛り上がるスタンド。相手のミスしか喜べない状況は、ある種楽しくもある。
前半の残り時間も減ってきた。自陣20ヤードからのKGの攻撃だ。Tから右へ
この試合初めてのオプションピッチ。#25が走って5ヤードゲイン。Yから#
12がオフタックルを突きダウン更新。Tから左へオプションピッチで5ヤード
。Yから右のアウトを#6エース梅原がキャッチしてダウン更新。埜下決め打ち
ドローで8ヤードゲイン。Yから#25がブラストでダウン更新。いいリズム。
ボ 「よしよし、ええ感じや」
しかしランが多い。進んではいるが時計も進む。Yから#80築坂ダイブ。同じ
くYからのブラスト。と思ったらプレーアクションでロングパス!。#6が縦を
マンツーマンで振り切りエンドゾーンに飛び込むもオーバースロー。
C 「惜しい〜!!」
いいパスだなあと思ったらQBは東村になっていた。ここでもう一回#12への
インサイドスクリーンを決めるも足りない。KGタイムアウト。パスかなあ、だ
ったら東村を入れて、と思ったら埜下登場。ギャンブルだ。QBの後ろにセット
し、スルスルと下がる埜下。ショットガンだ。これでパスは無謀。かと思ったら
左のロールのランパスから一気に切れ上がって頭から飛び込みダウン更新!。埜
下やるねえ〜。おお盛り上がりのスタンド。この後ショットガンから埜下が連続
キープでゴール前へ。前半終了間際に東村から#32小坂へのTDパスが決まっ
て念願のTDだ。左サイドの2人のレシーバがアウトとカールでクロスしてマン
カバーを破った。一番の盛り上がりを見せるスタンド。騒げる時に騒がないとね
え。この後のKG中筋のキックオフは日大リターナのミスでゴール前でデッド。
惜しい!。などと言っている間に前半終了。ふふふ、何かやれそうな気がしてき
たぞ。
後半だ。
日大キックオフ。埜下20ヤードの好リターン。よしよし。
Tからドロー。Yから#12渡辺肇がオプションピッチをうけてダウン更新。い
いねえ。YからFBダイブ。これもオプションのムーブメント。サイドを変えて
再度中央。Yからパワーオフタックルもやや足りず。うむ、しょうがないか。で
もいけそうだな。パントになる。と、ここで日大のサイドラインが騒がしい。
C 「なんや日大タイムアウトか」
ボ 「なんですかね」
注:どうも人数が多すぎたらしい。
もたつく日大を相手にKGは密かにパントチームから攻撃チームに変更。
ボ 「あ、埜下が入りましたよ」
C 「あたりまえだ!ここはギャンブルだ!」
両TEから#25がブラスト、突破した。ギャンブル成功だ!よおおおおし、乗
ってきたぞ、エエ感じや。Yからプレーパスを狙うもスクランブルえでゲイン。
東村でパスを狙うもスクランブル。残るショートヤードを両TEからFBダイブ
でダウン更新。
注:このへんのKGの両TEからの一連のプレーは91年に再現される事にな
る。TからオフセットIに変わったがFLをモーションさせブロッカに使
う所など、意図は全く同じだ。
Yからオフタックルを突きゲイン。ランプレーが出るぞ。どうやらオプションと
Yからのパワープレーと早めのスクランブルなどで3rDショートに持っていき
あとは力技でダウンを更新する方針か。ロースコアに持ち込むにはこれしかない
だろうね。今度はオプションだがピッチマンがつかまる。ロスだ。いかん。ギリ
ギリのドライブをしているのに。ロスしたら取りきれない。埜下が右のロールか
らパスに出る。ラッシュが来る。これをかわして今度は左に大きくロールする埜
下、前がガラ空きだ!!守備はだれもいない。#25がフリーで前にいる。手を
振っている。
ボ 「いけーーー!!」
と、ボールは#25の足元に転がった。パスを投げたもののショートしたのだ。
ああああああああああああああああ。
一気に萎むスタンド。あいてたやないかぁ。走らんかいなぁ。走ったらイケてた
でぇ。ブツブツ言う観客。
C 「のしたぁああああ!」
諦めないKGは東村を送り込みショットガンでダウン更新を狙うも惜しくもパス
不成功。ギャンブル失敗だ。うううむ、はやく同点にしたかったのだが。でも時
間はかなり(6分以上かな)使ったし、敵陣30ヤードまで入ってからだからい
いか。あと一回ダウン更新できれば中筋のFGを狙えたのだがなあ。と無理矢理
納得させる。
さて、これで日大が燃えない訳が無い。ショットガンが炸裂する。7連続パス成
功でドンドン進む。場内アナウンスが丁寧にもターゲットを紹介する。
「小林くんへのパス成功」
「小林くんへのパス成功」
「小林くんへのパス成功」
C 「その小林っちゅうのは何人おるんじゃ!」
まんなかミドルのパスが面白いように決まる。DLのラッシュをかわすわ、パス
プロは持つわで宇田川は余裕で投げている。なんでそんなに決まるのよ〜。何や
ってんのよ〜。と近くの女の子が半分笑いながらボヤく。エンドゾーンに投げ込
むも2度失敗しFGを狙う。#16がビンゴし損ねたのが悔やまれるなあ。この
FGが決まって17−7。まああれだけ攻められて3点ですんで良かった。はや
く1本返さないと。
埜下リターンの後、#25が中央を突く。埜下がスニークする。よし3rdショ
ートだ。これは取れる。スニーク。よし。は?イエロー?エンクロだ。結局ダウ
ン更新ならず。パントだ。これがミスパント。あああああもう。
日大のショットガン再度爆発。ドンドン進む。エンドゾーンに迫る。もうアカン
わ。ゴール前でT体型をひく。ブラストだ。止める。?様子がおかしい。?え?
ファンブルか?おおおファンブルや!助かった!。エンドゾーンを背にして攻撃
開始のKG。ラインが押せない。埜下がオプションキープするも足りない。ここ
で3Q終了。
押されまくっているのに、ここまで17−7とはよくやっている。ターンオーバ
ーが欲しいなあなどと言っている間にKGはパントを蹴る。またしても宇田川の
ショットガン炸裂。KG陣からの攻撃はあっという間にTDで終わり。うむむ。
日大の応援席が正面に見える、思えば正面から見るのは初めてだなあ。ラインダ
ンスを客席で踊っている。人数がどんどん増える。賑やかだ。24−7。
日大キックオフ。埜下ぁ死ぬ気で走れぇえ、という声があがる。KGは埜下のオ
プションキープ。続く築坂のダイブがスコ抜けしてダウン更新。よし。まだやれ
るぞ。右のオプション、と思ったらフェイクのパスだ、#6梅原が抜けている!
通ったあああ!ロングゲインだ!息を吹き替えすスタンド。小柄だが唯一スピー
ドで日大に対抗できる梅原だ。エライ!。
C 「埜下ぁエライぞおお!」
45ヤードは稼いだか。エンドゾーンまで10ヤードか。三木が中央を突く。止
まる。プレーアクションから埜下が持つ。ノーゲイン。長い距離が残る。パスだ
、#89目黒に通る!。ダウン更新、あと1ヤードだ。両TEから三木がブラス
トで飛ぶ!入った!!よおし!24−14!まだイケル!!。あと10分あるぞ
。まだ分からん!。
日大の攻撃になる。相変わらず炸裂するショットガン。ターンオーバーが欲しい
KGは積極的に割って入るがオフサイドを取られる。QB宇田川が走り出す。連
続でダウンを更新される。
注:なんとなくQBの位置が深いような気がしたが、実際これまでのショット
ガンより3ヤード程度深く10ヤード近くあったようだ。これではラッシ
ュは届かない。そのかわり宇田川のスクランブル以外のランは無い。
あっという間にTDを取られる。31−14。やはりダメか。KGはパスで攻め
るしかない。しかしパスプロが持たなくなってきた。ギャンブルでショットガン
から東村が投げる。カムバックで戻ってきた#6にヒット。よし、ダウン更新だ
と思ったらわずかに足りず、失敗。どう見ても超えていたのにおかしい。日大の
攻撃になる。ここまでくると全く手が打てなくなってきていた。最後はエンドゾ
ーンでフリーの#34山口にTDパスがヒット。38−14。こうなるとスタン
ドは達観したものだ。新作マンボKGを皆で楽しく歌う。この年はエイトマンこ
と「関学勝利の歌」がよく演奏された。
注:どうでもいいのだが、以前高校野球を見ていて気がついたのだが、大阪の
上宮高校の応援はKGのコピーなんですね。「レッツゴーKG」が「レッ
ツゴー上高」。「関学勝利の歌」は「上高勝利の歌」。おまけにタッチダ
ウンマーチまでやっていたりする。
さて、KGの攻撃。時間が無いがパスは難しい。埜下の好リターンと日大のレイ
トヒットで前進。埜下がショットガンから走るも更新できない。主将幸田が倒れ
る。東村がワンバックからパスを挑むがサックされギャンブル失敗。直後日大は
宇田川のキープ一発でTD。45−14。勝負ありだね。日大のラインダンスの
人数がどんどん増える。
C 「くそーどんどん増えやがって」
気に入らないがしょうがない。
埜下のリターンで再開する。もう埜下のジャージはボロボロだ。キープ、スロー
バックのパスが#7渡辺に決まりダウン更新。しかしロールのスローバックは不
発。最後は目黒へのパスがインターセプトされて終わり。最後の最後にアウトサ
イドからLB西野がブリッツをかけ宇田川を仕留めたがこれでタイムアップ。
はああ、負けだねえ。下宿に帰る。TVは録画中継なので丁度試合の最後のあた
りが流れていた。解説は水野さんでした。研究室へ行く。皆さん甲子園から帰っ
てきている。やれ埜下のあのプレーはまずかっただの、TVで篠竹怒っとっただ
のフットボールの話に花が咲く。まあ、頑張ったが力の差は歴然。KGはらしさ
は見せたが.....。もう1本は取って欲しかったな。
ライスはTVで見た。まあ日大の強い事。話にならない。東海−堀古のコンビで
2TDを奪うも日大快勝。山田が卒業してもこの通り宇田川がいる。まだ須永、
松本も控えているし、当面関西は日大に勝てそうにないな。
しかし甲子園での赤と青の対戦がこの後10年以上も途絶える事になるとは想像
もできなかった。
地方時代(東京編)
宮仕えとはいえ...勤務地は急遽、東京・神田に決定。今から考えると家から
江戸陸が近かったのだから行けば良かったが、一年生にはそんな余裕は無い。
ようやく余裕ができたある日。
「そうだ、関東の試合を見ればいいのだよ。」と思い付く。
ヨコハマへ行ってマリンボウルを見る。
東海VS日体大。
「....もう一つやなあ」東海の真柄は確かに速かったが。
シルバースターVS日大。
スタッツも試合展開も雑誌に出ないゲームだった。
日大が完封勝利。全盛時の日大守備のダブルカバーを外してキャッチしまくった
堀古はやっぱりスゴかった。おまけにDB3人に囲まれながらダイビングキャッ
チを見せて、
「?捕ってんの?」
と、思ったら涼しい顔で懐からボールを取り出し審判に投げる、というどこから
ボールをだしてんのか分からないという、まさにマジックモンキーぶりを見せて
くれた。しかし何がいかんて「ア○ヒのウーロン茶を飲んだシルバースターは後
半から青いユニフォームに変わりました」という場内アナウンス。そりゃねえだ
ろ(笑)。
そうそうTVではTV東○で、なんとグリーンBOWLをやっていた。「いやあ
、やはりスピードに乗ると芝川は強いですねえ」という解説とともに好試合。懐
かしかった。
ようやく6月になる。ヨコハマボウルにKG登場である。「混むとイカンから早
めに...」行ったがガラガラでした。慶応のQBは丁寧だなあ、近大の浅井の
出来はもう一つだったが。さて第三試合だ。しかし....R&Sに取り組んだ
KGは日大に大苦戦。前半1TD返し、後半に期待したが、ここで痛恨の東村負
傷退場。「大矢がいるから大丈夫」。しかし出てきたのは#19。「QBは芝原
、1年生です」の場内アナウンスにタメ息の出る3塁側。なおパスが全く投げら
れないながら、芝原がキーププレーで結構ゲインしていた事は憶えている。かえ
ってフラストが溜まった1日だった。KG惨敗。例によって1日炎天下で3試合
見ると当然焼ける。職場で酔っ払い扱いされた。
さてその後、思いがけず社会人の試合を見に行く事になった。大王の勤める会社
がジュニアパールBOWLに出場する事になったからである。
上司 「お前、今日は早めに行って場所取っておけ」
大王 「ハイ」
上司 「業務命令」
大王 「ハイ」
で、水道橋まで行く。東京DOMEへ初めて行く。
試合は引き分け。キックは飛ばない、パスは決まらない。スピードが無い。もう
一つだった。対戦相手が大手顧客なので遠慮したんだろうという根拠の無い憶測
が飛ぶ。さてその後は当然パールBOWLだ。入場者の入れ替えをするだのしな
いだの言っている奴がいたが。同期と
「えーやんそんなん。見てしまおうぜ」
「わかりゃしねえ」
と言いながらビーフジャーキーとビールを買いに行く。すると同じ場所で、NF
Lのシャツを販売中。アメリカンボウルでデンバーが来日するので売っているら
しい。
「ほほう。珍しい。買ってやる」
別にファンでもないがデンバーTシャツを購入。なお試合はオンワードが勝った
ような記憶がある。詳しい展開は完全に忘れている。やはりDIV1はスピード
もパワーも一枚上だな、という印象が残っている。ちなみにハーフタイムショー
はカブキロックスだった。「お江戸」をやっていた。なんだかしっくりこない観
戦でした。
****
そうこうしているうちに内示。予定が急遽変更になり富山事業所へ転勤する事に
なる。送別会の2次会で上司に赤坂へ連れていってもらった。「なじみの店だか
ら」との事。
店の前にモスグリーンのシー○が止まっている。横にはどこかで見覚えのあるマ
ークのついたジャンパーを着た男が一人。「???あのマーク何んだったっけ?
??」。酔っ払いは思い出すのが遅い。店に入り、奥のBOXに座っていた人物
を見て思い出した。
そうだ「日大フェニックス」のマークだった...。そして座っているのは篠竹
監督だった。
酔いが醒めた。5mも離れていない所に座っている。
でかい。笑っている。客人が2人いた。みんな楽しそうだ。
いい声をしている。
監督と顔馴染みなのか、上司が話し掛ける。
「監督ゥ、いつものお願いしますよ」
「?あれか?....うん。あれは....まだだよ(笑)」
こちらを向いて、にゃっと笑う。思わず焼きソバを食べる大王の手が止まる。
などと言っているうちにハモンドオルガンのイントロが流れる。マイクを握って
立ち上がる監督。でかい。
「昔、ある所に、一人の貧しい絵描きがいた....」で始まる、「百万本の薔
薇」である。
静かな歌い出しだが徐々に強く大きくなる。張りのある声。迫力があった。
そして歌い終わり、誰に言うでもなく語った。
「シャンソンはそもそも、こういう激しい歌なんだよ」
意外と言っては失礼か。随分周りに気を遣う人だった。貴重な経験でした。
地方時代(富山編)
ANAで文字通り富山空港に降り立った大王。5年も住むことになる。
注:当時737なのでタラップを降りると直接滑走路である。
ちなみに富山は、いい所です。
海があって、山があって、夏はしっかり暑く、冬はしっかり寒い。四季のある町
だ。飯もうまい。酒もうまい。物価も安いぞ。働く人は皆、勤勉。多少頑固だが
、ハートのある人たちだ。
ただし、(申し訳無いが)はっきり言ってフットボールに関しては不毛の地であ
る。これはしょうがない。
何が頼りか?人間本能のままに生きるとどうなるか。
1.TD誌
まず「おかしい。どこへ行ってもないぞ。」と探し回る事になる。そのうち
、発売日が若干遅れる事を認識する。さらに、「ここには無いが、あの本屋
にはある」となり、「呉羽山を越えてJR交差の手前の本屋はやや早い」と
なる。総曲輪の商店街の本屋が充実している事も発見。幸い移動は車が中心
だ。いつでも寄れる。
とにかく貪り読む。読む、読む、読む。
2.BS放送
民放がどうしても少ないのはやむを得ないので当然加入。M○Sのダイジェ
ストや○TVの中継など入らない。新聞をひたすらチェックし、何かの弾み
で放送されるのを辛抱強く待つ。そしてBSはNFLで渇きを癒すために購
入。とにかくプレーを見たいからだが、気に入った試合は必ずVTRで録画
保存。不毛のシーズンオフに備える備蓄米だ。
注:本来はCSが一番なのだが。残念ながら当時富山市はケ−ブルTVの普及
が遅れていた。今はかなり普及している。
う〜ん。これでは足りない。そこで。
3.VTR
ある日TD誌を見て気がついた。
「そうだ通販でビデオ買えばいいじゃん。気がつくのが遅いんだよバカ♪」
(最近広告していないが)関京戦や甲子園のVTRを購入すればいい。
「そうだよそうだよその手があったよ。何を嘆いているのだハハハハハ♪」
で、すぐ買った。
で、全部揃えようと貯金をしている途中に広告を出さなくなった。
「どういう事だよオイ」
4.スポーツ紙
随分優先順位が低いと思われるだろうが、○日スポーツのシェアが高いので
やむをえない。あまり扱ってくれないのです。しかも、それ以外の新聞は、
なかなかコンビニで販売していない。そこで、スポーツ紙数種を置いている
喫茶店を探す。試合のあった翌日は万難を排してそこで昼飯を食う。一日で
も遅れてはいけない。捨てられるから。そして読んだら全て記憶する。
注:大王は「すいません昨日の新聞ありますかね」と聞いて、廃品回収寸前
の物を読ませてもらった事まである。
5.ゲーム
こうなりゃ何にでも手を出す。
「....そうだク○ーターバック○クランブルってのが有ったな」
大和にファミコン本体を買いに行く。その足で市内を走破する。
「....無い」
「....無い」
「....無い」
「....おかしい...」
なんでだろう。そうか古いから無いんだ。じゃあ中古屋に行こう。
「....無い」
「....無い」
「....無い」
「.....あ、有った。」
「すいません、これください」
「はい。え〜っと。????.....ちょっと待ってくださいね」
「?」
「すいません。これ有りませんわ。」
「エ」
「売り切れちゃって、引っ込めるの忘れてました」
「.....そ。」
一瞬、同じような境遇の奴が買っていったのかなぁなどと思った。飽きたら
俺にくれないかななんても思った。そうか、飽きたら売りに来るからここで
張ってようかとも思った。
重傷だ。
さらにゲームセンターなんかに行ったりする。ここは娯楽が少ない。何でも
やる。するとフットボールのゲームがあるじゃないですか。
といってもイスに座るのではなく、本当にボールを投げる奴です。
注:よくバスケットの奴はあるのだが、それのフットボール版だ。珍しい
。今もあるのかな。
ショートパスの穴とロングパスの穴があり、マスコットボールをそこへ投げ
込んでいく。80ヤード(だったと思う)の距離をパスで前進するルールだ
。球の勢いか何かで計るのか、ボールが通るとピンポ〜ンと鳴って、残りヤ
ードが出る。一定の時間以内にドライブするとTD。プレー時間が加算され
る。そしてまたスタート。
はまった。
何度もやった。
これでも足りない。結局、
6.試合を見に行くしかも西宮まで。
と、なる。つまり
「人間、腹が減ったら何でも食べる。結果、味覚が大きく広がる。そして本当に
食べたいものの味は決して忘れない。」
という事だ。
結論
「飢餓は人を食通にする」
事実、この期間に大王のフットボールに対する考え方が固まったといっても良い
ほど重要な時期なのでした。
以 上
遠距離爆撃編に続く
王国のホームページへ |
Colosseumのページへ |
メイン |
今すぐ登録